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研究マニア科学者の薬物無双 ~VRMMO初挑戦の科学者が【薬物魔王】と呼ばれるまでの成り上がり~  作者: 陸神
初イベントと勝負とは実験である・本戦トーナメント
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第二十五話 【勇者】マコト視点 ドクターの倫理観

ちなみにですが、【勇者】の言っている「ミル」というのはマコトが武器や防具の作成を依頼している鍛冶屋の女の子の名前です!ネリアは魔導士で他にもマルマルというキャラが【守護兵】系統。アニルと言うキャラが【調教師】です!

アンケート!です!

機械と錬金術どちらが好きですか!?

「あんな種類のゴブリン居たっけ?」


僕はあんなに涎振り回して目が血走って、体がデカイゴブリンは見たことが無い。

『鑑定』スキルを掛けてみる。


「・・・凶暴化(バーサク)ゴブリン?」


聞いたことの無い種類のゴブリンだ。

凶暴化?確かネリアが対戦相手がそんな薬を使ってたとか言ってたな。強くするためとはいえ、自分の使い魔にそんな薬を使うなんて、どうにかしてるんじゃないか?


「グギャアァァァァァ!!」

「うわっ!?」


いつの間にか接近していた凶暴化ゴブリンの拳を咄嗟に長剣の腹で受ける。


「う、ぐぅぅ・・・」


なんてパワーだ・・・。

ゴーレムを切っても壊れなかった長剣が折れてしまった。

インベントリから別の武器を取り出す。

取り出したのは双剣。


「ヤァッ!」

「ギャアア!?」


高速で周りを走りながら足を斬りつける。

どうやらAGIは普通のゴブリンと同じくらいらしく、僕を捉えられない。

ジリジリと凶暴化ゴブリンのHPを削る。


「ハッ!」

「ギャアグギャアァァァ!」


凶暴化ゴブリンの残りHPが六割を切った!

その時、嫌な予感がして凶暴化ゴブリンから離れる。


「んなっ、馬鹿な!?」


空から、火魔法系の矢が飛んでくる。

しかも、NPCや自分の使い魔のゴブリンすら巻き込んで。


「水の盾!」


咄嗟のことで反応できなくて適当な魔法を唱えてしまう。

辛うじて水の薄壁が出て来て火の矢を防ぐ。

どうやら火の矢は威力が低かったみたいだ。


「大丈夫ですか!」


矢が刺さったNPCの男性に呼び掛ける。

人混みはゴブリンが来た時に逃げたはずだったが逃げ遅れた人がいた様だ。


「ぐ、うぅぅ・・・」

「待って下さい!『応急回復』」


スキルを発動してHPを少しだけ回復する。

男性は顔色が良くなり、気絶した。


「ふざけるなっ!どういうことだ!なんでNPCを巻き込んだ!?」


火魔法が放たれた方向へ怒鳴る。

それにしてもどういう神経しているんだ!?コピーとは言え、NPCは生きているんだぞ!?それを何の迷いも無く、害すなんて!


「あれは?・・・不味い!」


返答は無く、何かが投げられた。

ソレはボトルに入っていたが見覚えがあった。

あるモンスターのドロップの油だったはず!


「うおっ!セーフ・・・」


何とかキャッチした。殺す気満々のようだな相手は。

NPCも気にしていない。


「死ねぇ!」


双剣をインベントリに仕舞い、大剣を取り出して、凶暴化ゴブリンに思いっきり振る。


「グギャァ・・・」


凶暴ゴブリンは断末魔すら出さずに小さく声を上げて、ポリゴンの集合体になって宙に消えていった。

その様にどこか申し訳なさを感じて俯く。


「あら?まだ生きていたの?」


透き通るような綺麗な声に顔を上げる。

そこには銀髪を後ろに流し、こちらを眺める金眼の白衣を着た、美しい女性がいる。

名前はドクターと言ったはず。

この女性は僕の怨敵だ。


「なんで、NPCを巻き込んだ!?」


思わず大声が出てしまう。


「何を怒っているの?」

「は・・・・・・?」


この人は何を言っているんだ?


「あなたはNPCを殺しかけたんだぞ?」

「ああ、それのこと」


ドクターさんは納得した様に頷き、口を開く。


「なんでNPCを殺しちゃダメなの?」

「ッ!」


絶句する。声が出ない。

この人はなんて言った?


「NPCも生きてるんだぞ!」

「コピーなのに?」

「生きていることにコピーかどうかは関係ないだろ!」

「NPCは作られた生物。言わば、ただのデータ。それを殺してなにが悪いの?」

「ッ―————」


ダメだ。この人とは分かり合えない。

そんな感じがする。しかし、言いたいことも分かる。

NPCは所詮AI・・・だけど僕はそうとは思えない。町での会話。商売している時の表情。全てが本物の人間に見えた。

そんな存在をただのデータと言うこの人が許せない。

ならばやることは一つだ。


「もういい・・・辞めよう」

「諦めたの?」

「そんな訳がないだろう!」


この人は!

本当にっ、人の神経を逆撫でするなあ!


「僕たちの会話は平行線だ。なら、実力で白黒付けようじゃないか」

「はぁ~・・・・・・もう、何この子、話が通じないんだけど・・・」


僕は女性の返答を待つ。

そしてドクターさんはしばし悩み込み、ニヤリと笑った。

美しかったが僕には邪悪に見え、全身が粟立った。


「良いわよ!実力で決着を付けましょう!」


満面の笑みで笑ったドクターさんは手を振り上げて、顔を上げてそう叫んだ。

上げた顔から見られていて、不気味に思う。だが、僕は【勇者】だからこんな人を倒さなければならない。

僕の切り札を切る。


「行くぞ!『勇者の覇気(ブレイブオーラ)』!」

「!」


体の周りに黄金のオーラが纏わり付く。

それは不思議と力が沸き、万能感が込み上げる。今ならこの人を絶対に倒せる。

このスキルは【勇者】のスキルの一つ。一定時間ステータスの各値が50%上昇する効果がある。副次効果に、MPの消費が無くなる。


(これは絶対勝てる!)


そう確信し―――それは油断だったと強く、思う。

ドクターさんは余裕の表情を保ったまま何かを口ずさんだその次の瞬間、ドクターさんから真っ黒く、どす黒いオーラが出て来て彼女を包み込む。


「クッ!?」



オーラが晴れると、ドクターさんの着ていた白衣に漆黒の幾学模様が浮かび、付近に複数の黒い腕が浮いている。

かつて感じたことの無い威圧感が僕を襲い、身震いする。勿論、恐怖からの。

そして僕は決意を決めて、インベントリから片手剣と盾を出して構えた。

ミルが作ってくれた最高作の剣と盾だ。


「私の名前はドクター。覚えといてね」

「僕はマコトだ!」


『勇者の覇気』の効果時間残り、十分。

僕は声を振り絞り、ドクターさん・・・いや、ドクターに向かって疾走した。

声が重なる。


「僕が勝つ!」

「私が勝つ!」


ちなみにですが、【勇者】の言っている「ミル」というのはマコトが武器や防具の作成を依頼している鍛冶屋の女の子の名前です!ネリアは魔導士で他にもマルマルというキャラが【守護兵】系統。アニルと言うキャラが【調教師】です!

アンケート!です!

機械と錬金術どちらが好きですか!?

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