第十六話 狂気の芽
皆さま、前回の『可哀そう』って感想に書いて下さった方々がおりめっちゃ感度しました!
書いて下さった方々本当にありがとうございます!
それにアイデアを書いて下さった方々も良い物ばっかりで採用させてもらいます!
感想も書いて下されば絶対に一人一人返信致しますので一言で良いので送って下さい!
では本編どうぞ!
追記、次は『ドクター可哀そう』って書いてくれたりとか・・・(期待の視線)
「・・・もういいわ」
湖を見つめていたドクターはいきなり興味をなくした様にステータス画面に視線を移す。
もう終わったことは興味がないと言わんばかりに。
「えっと、称号に変なのが追加されてたはず・・・」
『天才的雷使い』
雷魔法を通常の用途以上に上手く使い、操った者に与えられる称号。
『雷』系統の効果が50%上昇し使用するMPの減少、規模の拡大化『上級雷魔法』の取得条件を取得する。
『運営企画殺し』
運営もといGMが必死に考えた企画を思いっきりっ、ぶち壊した者に与えられる称号。
運営が主催するイベントに参加する場合、スキルの効果が微増する。
ゲームマスターの企画を壊してくれてありがとうございます。by、GMに困らされているAIより
『ボスが可哀そうじゃないのか!?』
ねえ、ちょっと君!なんで僕が必死に考えたボスを倒しちゃうのかな?あれ考えるのに二日掛かったんだよ?ドロップは君が使えない奴でよかったけど、なんかごめんね(笑)。あっ!なんか僕のAIが勝手に称号作ってる!?どういう事!後で問い詰めてやる!・・・あ、効果だけどボスモンスターに対するダメージ、被ダメージを3%増加、減少だよ!
「・・・・・・」
沈黙が続く。
口を開いたドクターは。
「いや、なに、ステータスで喧嘩してるのよ!?それに称号で喋るってどういうこと!?普通に言いなさいよ!」
当然のことを叫んだ。
「・・・っていうか自分が作ったAIにすら企画潰されて喜ばれるってGMいつもAIに何してんのよ・・・・・・まあ、いいわ!称号は強いし・・・。『天才的雷使い』は普通に強いし、私の職業じゃ取得できない『上級雷魔法』も取得できるし強いし『運営企画殺し』も運営イベントで個人を強化するとクレーム入るのに微増でも入れてくれたのだから強いし『ボスが可哀そうじゃないのか!?』も認めたくないけど3%とは言え、全部のボスに通じるのは強い。だから問題ない・・・はず」
ブツブツと小声で呟き、トコトコと歩き回るドクター。
どうやらGMとAIのやり取りに混乱している様だ。
『は~い・・・Bブロックのみなさーん!もうお分かりと思いますが巨大生物は倒されちゃいました~・・・。良かったですね!どっかの最弱職が僕が二日考えたボスを倒したなんて!ぜっんっぜん悔しくないし!湖付近にいるドクターとか言う奴が倒したなんて知らないし!じゃあ頑張ってね~戦闘に巻き込まれて432人まで減ったプレイヤー諸君!!』
サラッとドクターの居場所をバラして煽ったGMは二日考えたモンスターを倒されて、妬けていたのか一息に言いきりブツリとアナウンスを切り、それを聞いた猛者や廃人と呼ばれるプレイヤーはドクターの元に近づき、並みのプレイヤーもドクターに迫る。
そして当の本人は・・・。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?!」
発狂した。
運営とAIが自分のステータスで愚痴を零し、論争し、煽られ、挙句の果てに本来GMがしてはいけない一個プレイヤーに対する意地による悪条件。
ドクターは本来、ゲームシステムに則り、薬物や劇物の作成して攻略している。
それは全くもって違反ではない。
なのに、それを煽られ、自分に対する個人の悪感情による悪条件により、ドクターはドクターの中で何かが切れる音がした。
「・・・・・・・わよ」
「死ね!」
しかし無情にもその間に戦いの余波に害された理不尽な怒りを抱えたプレイヤーはドクターの元に集結する。
その内の一人の女射手が遠距離職にも関わらず接近し、矢を放つ。
放たれた標的はショック故か俯いている。
「・・・・・やるわよ」
矢は青のエフェクトを上げ速度を加速する。
急速に加速した矢は主が望む標的を正確に捉え、貫かんとし・・・。
「やってやるわよ!!」
「はあ!?」
一瞬にして掴み取られた。
怒声と共にドクターは俯いた顔を上げる。
「ヒッ!」
顔は何故か笑っていた。
その顔は見る者によっては美しくも恐ろしくも見える。
だが、確実なことはその瞳に憤怒を携えている事だけだ。
「ちょ、まっ、ガビッ!?」
至近距離にて矢を放った女射手に流れる様に急速接近し胸倉を掴む。
そしてそのまま一本背負いして、女射手は潰れた蛙の様な声を上げる。
背後から腕を押さえつけ拘束するドクター。
拘束した体勢でパラライズドナイフを取り出す。
パラライズドナイフの刃が乱反射し、煌めく。
「離せっ!はや、グフッ、ガフッ、ゲヒッ、アバッ・・・!?」
ドクターは女射手の背中にパラライズドナイフを突き立て、いつもはするのに麻痺の確認もせずに連続して突き立てる。抜いては刺し、抜いては刺し、抜いては刺し、抜いては刺し・・・。
女射手がポリゴンの塊になろうとも突き立て続ける。
その狂気の現場を見た、集結したプレイヤー、412名は恐怖し、たじろぐ。
この時点で集まったプレイヤーは接近では無く、理解すべきだったのだ。
通常、お淑やか・・・かどうかは別として、怒らないドクター・・・いや、薬味狂華がここまで憤怒したのだ。
研究所をクビになった時でも「そうですか」の一言で済ました狂華が怒ったのだ。
その事実は知りようも無いがその光景を視認したその時に引くべきだったのだ。
ドクターは突き立て続け、地面に刺さったパラライズドナイフを抜き出し、立ち上がる。
そして薄い唇が開き、口が裂け、三日月を描く。
「獲物がいっぱいじゃない?それじゃあ、実験を始めましょう」
予選トーナメントBブロック参加者プレイヤーの悪夢が始まったのだった。
追記、次は『ドクター可哀そう』って書いてくれたりとか・・・(期待の視線)




