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第九話 ゲームは薬物に塗れていく 競売所掲示板1

「装備も作り終わったことだし、次はスキルの取得ね・・・」


ドクターはパラライズドナイフを眺めながらそう呟いた。

確かにこのゲームにはドクターの所持している『薬学』や『投擲』などがある。

これらには一度作ったものを素材さえあればノータイムで作成出来たり、投擲に関する行為の効果が上がるなどがある。その中でも戦闘系の『~術』系統のスキルには実際に現実世界にてあった武術やプロの使い方が参考にされているので持っているだけでかなりのアドバンテージになる。

しかし戦闘系の『~術』系は習得が難しく、一番簡単な方法は一番最初に【剣士】を取り、『剣術』スキルを取るか、もしくは【剣士】の派生職の【槍使い(ランサー)】や【双剣士(デュアルセイバー)】の『槍術』や『双剣術』を取ることだ。

二番目に簡単な方法は町で売っている超高額アイテムの【スキルオーブ】を買うことだ。

【スキルオーブ】は名の通りスキルが取得できるオーブのことで町に売っているがその値段は安い物でも最低20万マネー掛かる。【スキルオーブ】はモンスターからもドロップするが、ドクターが倒した、レアアイテムがドロップしやすいNM(ネームドモンスター)からもドロップしなかったことからも確率は極小だ。

そして最後に一番難しい方法は取得だ。

ドクターが戦闘中に『投擲』や『見切り』スキルを取得した様に一定の行為を成すとスキルを獲得できる。

しかしこれも難しく、戦闘中や反復練習中にしか発生しない。

だが、ドクターが取得したのは比較的取得が簡単なスキルで戦闘中でもあったからだ。

『~術』系統スキルはかなり難しく剣を素振り十万回ほどすると取得出来るがその事実を知っているプレイヤーはこのゲームの世界で片手の数ほどだろう。


「思い立ったら吉日!という訳でマネーを稼ぐわよ!」


ドクターはメニュー画面を開く。

メニュー画面から競売所という欄を開く。


(確か競売所はプレイヤーの製作、または取得したアイテムを売れる場所だったわね)


そう、競売所はプレイヤーが販売したアイテムを、まだドクターが到達していない町、通称『王都』の競売所と呼ばれる場所でオークション形式でプレイヤーまたはNPCが落札する場所だ。

プレイヤーはメニューにある競売所の欄からも落札できる。


「取り敢えず私が初期に作成した毒ポーションを出品っと。出品者名はどうしようかしら?特定されたらめんどくさそうだし・・・Drでいいか・・・あまり変わってないけど・・・ま、まあいいわ。で、販売額は1000マネーから」


この時、ドクターは知らなかった。

このクレアシオン・オンラインの世界でプレイヤー、NPC問わず学者系統の職業が圧倒的に少ないことに。

そしてそれが毒ポーションのアドバンテージになるとは。

ドクターは知らない、この世界でも貴族や王族が居て、勢力争いに暗殺や毒殺が扱われていることに。

ドクターは知らない、トッププレイヤーでさえ状態異常系のアイテムや装備は最高級品であることに。


「じゃあ終わったし、後は待つだけ・・・何しようかしら?」


ドクターは後にクレアシオン・オンラインに波乱を起こす毒ポーションを出品したことに気づかず、何かをしようと思案する。


(あっ!そうだ、状態異常の薬を作ったのに解毒や解麻痺の薬を作らないのはおかしいわね)


そうしてドクターはヒトポ草とドクポ草を3:1の割合で磨り潰し、水に付けながら加熱する。

すると徐々に色が鮮やかな黄色になる。

そして試験管に移し替えて栓をする。


(鑑定)


ーーーーー


解毒薬 状態:普通

回復効果の薬草と状態異常効果がある毒草を三対一の割合いで混ぜて煮込んだ薬物。

しっかりとした割合でじっくりと煮込んだので解毒効果のある薬物になった。


ーーーーー


「マーベラス!完璧ね。じゃあこの調子で作るとしましょうか」


そうしてドクターは次々と各種状態異常の解毒効果のある薬を作り続けた。

そんなこんなドクターが持っている状態異常の解毒のポーションを作り終えた頃一方、競売所の掲示板では荒れていた。



♦ ♦ ♦ ♦ ♦


【競売所】商品名:毒ポーション×10 効果:0.7%/1s 状態:最良 

現在販売額;10000マネー



1:名無しのプレイヤー:017

は・・・あああああああああ?!マジで!初めて状態異常系のアイテム見た!

落札額:20000マネー


2:名無しのプレイヤー:018

いーや俺がとらせてもらう!

落札額:35000マネー


3:名無しのプレイヤー:019

落札額:50000マネー


4:名無しのプレイヤー:017

ぐぬぬ・・邪魔をするな!

落札額:45000マネー


5:名無しのプレイヤー:019

邪魔

落札額;47000マネー


6:名無しのプレイヤー:018

貴様!

落札額:50000マネー


7:名無しのNPC

落札額:100000マネー


8:名無しのプレイヤー:017

はい乙ー。何故かこの世界の住民めっちゃマネー持ってる奴~

落札額:120000マネー


9:名無しのプレイヤー:018

そういいつつマネー出す奴~

落札額:140000マネー


10:名無しのプレイヤー:019

邪魔。諦めメロン

落札額:160000マネー


11:名無しのプレイヤー:017

こいつ!

落札額:164000マネー


12:名無しのプレイヤー:018

お前もな!

落札額:170000マネー


13:名無しのNPC

落札額:200000マネー


ーーーーーーーーーー


十分後


ーーーーーーーーーー


323:名無しのプレイヤー:467

いい加減諦めんかい!

落札額:1040000マネー


324:名無しのプレイヤー:479

マジでいい加減にしろ!

落札額:1100000マネー


325:名無しのプレイヤー:424

はあ・・・クランのマスターが落札しろってさ(笑)

落札額:1300000マネー


326::名無しのプレイヤー:502

クラン資産持って来るとかガチじゃん

落札額:1310000マネー


327:名無しのプレイヤー:322

なけなしの金・・・!(血涙笑い顔)

落札額:1350000マネー


328::名無しのNPC

落札額:1500000マネー


329:名無しのNPC

落札額:1550000マネー


330::名無しのプレイヤー

ああああああああああああああああああああああああああああああこ!の!クソNPCがああああああああああああああああああああああああああああああ倍プッシュゅゅxyぅゅxyぅxyぅう

落札額:3300000マネー


331:名無しのプレイヤー:310

絶対王都に居る貴族か王族だよな・・・。あとで絶対殺す(ボソッ)

落札額:3401000マネー


332:名無しのプレイヤー:500

俺も殺す~~~~~~~~~~(はーと)

落札額:3501000マネー


333:名無しのプレイヤー:019

いい加減邪魔このゴミ

落札額:3520000マネー


334:名無しのプレイヤー:448

あなたさっきからいますね~019ってめっちゃ最初じゃないっすか

落札額:3530000マネー


335:名無しのプレイヤー:340

それな(したり顔)

落札額:3650000マネー


336:名無しのプレイヤー:599

下種顔で笑う。( ̄ー ̄)ニヤリ

落札額:3670000マネー


337:名無しのプレイヤー:601

っていうかこれ作ったひと最強過ぎない?

落札額:3781000マネー


338:名無しのプレイヤー:572

マジそれな('ω')ノ

落札額:3820000マネー


339:名無しのプレイヤー:198

だって薬とかポーションは【学者】専門でしょ?学者になった友人が言ってましたよSTR極振りしても序盤の兎100回殴ったって

落札額:3920000マネー


340:名無しのプレイヤー:601

ま?

落札額:5100010マネー


341:名無しのNPC

落札額:13200000マネー


342:名無しのプレイヤー:398

まーた桁上がったよ

落札額:13290000マネー


ーーーーーーーーーー


そうして最終的な落札は丁度ドクターが調合を終えた頃。

最終額は現在のクレアシオン・オンライン史上最大の額4207万4799マネーとなった。


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