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680話 『ゴレムリンの正体』

 ‶闇ギルド〟の軍勢に大きな通り道が出来上がっていた。その通り道にいた‶ブラックランク冒険者〟達は全員‶魔獣砲〟の餌食になったのだ。


「まぁ、これくらいはあいさつ代わりみたいなもんだろ?」


「これくらいで全滅されても困るしね」


 サーペイドと美那子は体についた埃を払いながらそう呟く。グランベルクは黙って敵軍の様子をじっと眺める。


「……なぁ」


 彼の一言に二人は後ろを振り返る。


「今の‶魔獣砲〟で俺がいちばん多く敵を潰したよな?」


「「…………」」


 彼の突拍子もない発言に思考が停止する。その後二人は口をそろえて……


「「バカじゃねぇの!?」」


 思わず美那子もサーペイドの口調に合わせて罵倒する。


「今のでてめぇがいちばんぶっ飛ばしたとでも? 思いやがりもいいところだなぁ! おい!」


「マユちゃんとイチャラブして目ん玉腐ってしまったんじゃないかしら? そうでもなきゃそんななめ腐ったこと言えないわよ!」


「そりゃそうだ! ‶魔人ラボ〟時代もあの娘にうつつを抜かして、挙句の果てには公私混同して国を滅ぼしきれなかった根性無しめ!」


「それに加えて事件後はノコノコレーフェル王国に拾われて美味しい立場貰っててわけわかんない!」


 グランベルクは二人から怒涛の罵声を浴びせられて思わず耳を塞ぐ。同じ敗軍の立場なのに扱いが全く違うことに内心かなり不満があったのだろう。


「拾われたも何も……俺はあの王に実力を買われて入っているだけだ。貴様らとは格が違うからな!」


 グランベルクはキレる二人に指を八本立てて見せつける。


「「いつまで‶十極天〟引っ張ってんだぁ! ゴラァ‼‼‼‼」」


 二人の怒りは最高点までに達し、武器を取り出してグランベルクに攻撃する。


 ズドォォォーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼


 凄まじい神力の衝突により、敵軍の前衛は吹き飛ばされる。

 グランベルクは刀を抜いて二人の攻撃を同時に受け止める。


「こんなことやっても無意味だろ? この際あいつらを倒した数ではっきりさせるぞ」


「「望むところだ!」」


 3人の意思がそろい、同時に敵軍のところへと突っ込んで行く。


「……大丈夫なのかしら?」


 三人のやり取りを見ていたキララとソマリは顔を合わせて苦笑いを浮かべる。


 その後は想像通り、彼らの無双劇が始まる。‶闇ギルド〟に所属する‶ブラックランク冒険者〟の中には、過去に‶シルバーランク〟や‶ゴールドランク〟と言った称号を貰っていた者も多いのだが、‶王格の魔獣(ロイヤルビースト)〟を体内に宿す龍魔人の前では赤子同然であった。


 美那子は刀で敵を斬りつけながら、手のひらから水苦無を生成し、次々に投げつける。集団で一斉に襲い掛かろうとするも、大波を生み出して返り討ちにする。ただそれだけでは終わらず……


「‶大鮫喰来(おおざめぐらい)〟‼‼‼‼」


 起こした大波の中から、水でできた巨大なサメが数頭現れ、犯罪者たちの腕や肩を噛み砕く。


「まさか‶暗水のヴァンテ〟の大技をこんなにも使いこなすなんて!?」


 ソマリは暴れ狂うサメの姿を見て驚愕する。


「チッ! やってくれるじゃねぇか! 美那子!」


 サーペイドは妙な対抗心を燃やし、毒のプールから無数の龍を生成する。


「‶紫龍(しりゅう)千手観音(せんじゅかんのん)〟‼‼‼‼」


 ズドン! ズドン‼‼ ズドドドドドドォォォーーーーン‼‼‼‼‼


 毒の龍は次々と雑兵に襲い掛かり、臓器を駆逐し呼吸を止める。


「周りを見ずに派手な攻撃ばかりしやがって……」


 グランベルクは暴れまわる二人を見て、若干苛立ちを覚えていた。


「悔しかったらてめぇも使えばいいだろうがよぉ!」


「フン! 何も背負ってない単細胞は気楽でいいなぁ!」


 グランベルクはサーペイドの低レベルなあおりに反応すると、両足に電気エネルギーを送り込み、バチバチと雷を放たせる。そして目にも止まらぬ速度を生み出し……


「……蹴散らせ」


 バリバリバリバリーーーーー‼‼‼‼


 犯罪者共は一瞬の間に一太刀入れられ、発狂する間もなく感電する。


「これでざっと100人くらいか」


 グランベルクはそう言い、刀を鞘にしまおうとすると……


「強敵の反応アリ、排除する」


 機械音が飛び込み、二本の太刀でグランベルクに斬りかかる。


 ガキィィィィーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼


 激しい突風が襲い掛かり、敵味方関係なく雑兵を吹き飛ばす。


「これは‶風の奇才者〟か?」


 グランベルクはそう言い顔を上げると、そこには緑色のボディカラーを持つゴレムリンがいた。そして特徴的な二本の刀を持ち、グランベルクに不意打ちを仕掛けてきたのだ。幸い刀をしまう直前だったので、すぐに抜きなおして受け止める。


「舐めるな! ガラクタ風情が!」


 グランベルクは勢いよく打ち返し、ゴレムリンと距離をとる。その横では赤のゴレムリンと白のゴレムリンが美那子とサーペイドの前に立ちはだかる。白のゴレムリンは二枚の扇を両手に持ち、冷気を漂わせている。


「なるほど……ようやく理解したわ。てめぇらゴレムリンは私達奇才者の戦闘データをコピーして作られているわけね! おそらく白のゴレムリンは私の‶魔導神装〟を真似しているのね!」


 ソマリは各地で猛威を振るっているゴレムリンの正体にようやく気付いた。ゴレムリンは全部で8種類存在し、それぞれの自然属性の奇才者の力をオマージュしているようだ。赤のゴレムリンは円城敦、城のゴレムリンはソマリ・アンタレスそして……


「なら緑のゴレムリンは……貴様か? ‶龍斬りの雨宮〟」


 グランベルクは目の色を変えてゴレムリンを睨みつける。ゴレムリンの刀からは颯太と同じように旋風が巻き起こる。

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