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679話 『3人の龍魔人』

 ゴレムリンの襲来は瞬く間にマリアネスの国内全体に伝わり、各地で冒険者や騎士団が応戦する。


 はじめは数の力でゴレムリンを圧倒しているように思えたが、徐々にこの殺戮兵器が本領を発揮していく。


 ウエストサイドでは氷漬けにされた冒険者の姿があり、イーストサイドでは岩石の下敷きになる姿もあった。その中には‶シルバーランク冒険者〟や‶ゴールドランク冒険者〟のような上位冒険者も犠牲になっていた。


「実力は‶王の騎士団(クラウンナイツ)〟……おまけにどんな攻撃を受けてもすぐに復活してくる」


「これは夢か? 悪夢なのか!?」


 冒険者たちから絶望する声が広がる。その様子を見ていた‶冒険者アイドル・キララ〟が顔をしかめる。アイドルにあるまじき顔だ。


「これ以上見てられないね! 私の歌声で士気を上げさせ……」


「やる気をなくした雑魚共を強化したところで何の戦力にもならない」


 彼女の後ろから落ち着いた渋い声が聞こえる。


「あなたは……‶雷霆のグランベルク〟‼‼ 確か‶魔龍・ジャグボロス〟のとき以来だったかしら?」


 キララの後ろから現れたのは元‶十極天・第八極〟で現在はレーフェル王国の王女の護衛を行っているグランベルク・ツヴァイハートだった。


「今やるべきことは劣勢を覆して、腰抜け共を立ち上がらせることだ」


 グランベルクはそう言うと、腰から刀を抜き、雷の魔力を与える。


「そう言うこと! 私達にもゴレムリンのような圧倒的な力を持った味方がいるって思わせなきゃね!」


 グランベルクの背後から、マユ・レーフェルがひょこッと顔を出し、助言する。


「なぁに、俺が本気を出せば、この軍勢くらい5分で片付けてやるさ」


「なんだぁ? この程度の連中に5分も時間をかけねぇと倒せねぇとは、情けなくなったなぁ! グランベルク!」


 グランベルクが得意げに言うと、その背後から彼にとって耳障りな声が聞こえる。


「このサーペイド様にかかりゃあ、3分で仕留めてやるよ!」


「ふん、‶第七極〟が‶第八極〟より早く倒せるわけがなかろう」


「はぁ!? 言いやがったなてめぇ! ラディーゴのいねぇ中でその数字なんかになんも意味なんてねぇよ! それにあのときから1年以上も時間が経ってんだよ! まだ上でいるつもりなら思いやがりもいいところだぜ!」


 元‶十極天・第七極〟のサーペイドは一番気にしていることを言われ、ムキになって言い返す。


「そう言う反応するから下に見られるんじゃないの?」


「何ぃ!?」


 横から声をかけるソマリ・アンタレスを睨みつけるサーペイド。するとソマリは不敵な笑みを浮かべて、


「いいのかな~? 私に口答えするとどうなるのか……」


 ソマリはサーペイドの手首を掴んでそこにつけられている腕輪を見せつける。


「あなたはこの‶隷属の腕輪〟によって魔力を出すことができない。それがどういう意味か分かるよね?」


 ソマリはニヤッと笑いながら手首を冷やす。


「チッ!」


 サーペイドは舌打ちをしながら勢いよく手を振りほどくと、その反対の腕を別の女が手に取って腕輪を眺める。


「へー、それであんたの魔力が感じ取れなかったのね。恐ろしい魔道具だねこれ」


「触んな美那子! てかてめぇ、生きてたのか?」


 サーペイドは同じ‶十極天〟だった雨宮美那子に驚きを隠せないでいた。


「なに? 生きていたのがうれしかったのかしら?」


「バーカ、んなわけねぇだろ!」


 バキッ‼‼‼‼


 サーペイドは美那子の強烈な拳を頬に受け、急いで頬を抑える。魔力が使えないため、通常よりもダメージが大きいのだろう。


「おお! すごい! こんなに強い人たちがそろえば戦況はあっという間に変えられるね!」


 キララは強力な助っ人達をみて思わず拍手する。


「あ、そうだ……貴様、前みたいに補助魔法やら強化魔法をかけるなよ。」


「……え?」


「二つ返事で『はい』だ」


「う、うん……はい」


 キララはグランベルク急な命令に思わず返事する。


 グランベルクは敵軍の方へ顔を向けると、勢いよく崖から飛び降りる。その後を追うように美那子とサーペイドが飛び降りる。


「てめぇは後ろで見学でもしてな! グランベルク!」


「貴様こそ、魔力が使えないんだから無理するな。奴隷君」


「んだとゴラァ! 今はあいつに解除してもらってんだよ!」


「喧嘩しなぁーい!」


 腕輪を見せつけて部ちぎれるサーペイドの口を美那子は抑えて2人を引き離す。


 ズドォォォォォーーーーーーン‼‼‼‼‼‼


 3人は勢いよく地面に落下し、‶ブラックランク冒険者〟達の前に立ちはだかる。犯罪者共は一斉に彼らの方に目が行き、


「おい! ‶十極天〟じゃねぇか!」


「あの裏切り者共を仕留めれば大出世だ!」


「褒賞もたんまりもらえるしな!」


 眼の色を変えた‶ブラックランク冒険者〟が一斉に襲い掛かる。

 その醜い光景を見た3人は大きくため息を吐く。


 バチバチバチ……


 3人は一斉にワインレッドの閃光を生成し、あいさつ代わりに発射する。


 ズドドドドドドォォォォーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼


 建物などの瓦礫が一瞬にして消滅し、あたり一帯の犯罪者共はまとめて吹き飛ばされていく。

 先陣を切った連中の半数以上は戦闘不能になっただろう。3人の龍魔人の圧倒的な‶魔獣砲〟にビビり散らす‶ブラックランク冒険者〟達であった。


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