65話 『巨神のレージス・ガンタック』
颯太はその‶魔獣砲〟の威力を見てから黒刀を抜き、黒いオーラを放出させた。どうやら颯太は最初から本気モードのようだ。
そして接近してくる青白い閃光を颯太は一刀両断にして、
「‶大鎌鼬〟‼‼‼」
颯太はタイショーウルフが‶魔獣砲〟を放ったあとの隙を逃さず、巨大な黒風の斬撃を飛ばして反撃した。
しかしタイショーウルフは不敵な笑みを浮かべながら鋭い鉤爪を上げた。
「この程度の攻撃……よけるまでもないわー‼‼ 悪魔の鉤爪‼‼‼」
タイショーウルフの鉤爪の色が黒色になってそれを振りかざした。
そして黒風の巨大斬撃と黒色の鉤爪の一撃が衝突して大爆発を起こした。
「まさか俺の大技をこうもあっさりと止められてしまうとはな!」
辺り一帯を包み込むほどの巨大な土煙から姿を見せた颯太は苦笑いしながらつぶやいた。
そしてタイショーウルフはその煙を鉤爪でスパスパと切り裂いて姿を現した。それも無傷の状態で。
「う、ウソでしょ!? 颯太の‶大鎌鼬〟を相殺するなんて……」
リーナは颯太の‶大鎌鼬〟でやられていった魔獣をたくさん見てきたから、それが防がれたことに驚愕していた。
「まあ今の技は正直ヒヤッとしたが、相殺できねえ技じゃあねえ! それじゃあ今度はこっちから行くぞ! さあ、覚悟しな!」
タイショーウルフはそう言って超速移動で颯太に接近して颯太の目の前でもう一度超速移動をし、姿を消した。
そして颯太の背後から鉤爪で攻撃を仕掛けた。
颯太はそれにすぐに反応し、後ろ向きのまま黒刀でタイショーウルフの攻撃を防いだ。
颯太も超速移動を始めて、颯太とタイショーウルフは目で追えないほどの超速戦闘を繰り広げていた。
そして颯太たちが通り過ぎたところの木々や岩石などはきれいにバラバラに切り裂かれていた。
超速戦闘がしばらく続いた後、タイショーウルフは颯太に攻撃をするのをやめてその場に立ち止まった。
「おい‶龍斬り〟、今頃マリアネス王国はどうなっていると思う?」
「何が言いたい?」
タイショーウルフの突然の質問に颯太も立ち止まって睨みつけながら聞いた。
「マリアネス王国はもうじき壊滅すると思うぜ!」
「どういうことだ!?」
タイショーウルフの言葉を聞いて遠くから颯太とタイショーウルフの戦闘を見ていたリーナが駆けつけてきた。
「今マリアネス王国に俺と同じ‶幹部補佐〟の役職を持つ魔獣が4体出現している。確か諜報部隊の話を聞いたところ、マリアネス第一魔法学院生徒会長兼‶王の騎士団のソマリ・アンタレスとAゴリが戦っていて、同じく‶王の騎士団〟の円城敦がアシュラBコングと、‶流水のロゼ〟とその仲間たちがジェンダーウロスと戦っている。そいつらもみんな俺と同じ危険度が20を超えている化け物だからもうじきお前の仲間は殺されるだろうな」
「おい! あと一体‶幹部補佐〟がいるんだろ? そいつはどこにいるんだよ?」
颯太はタイショーウルフの説明にあと一体の‶幹部補佐の話が出なかったからその魔獣の所在を聞いた。
「ああ、あいつなら確か……」
タイショーウルフの言葉を聞いて颯太とリーナが驚愕した。
そして颯太の黒いオーラの勢いがさらに増した。
――マリアネス王国の宮殿
そこの門の前にはたくさんの魔獣たちが押し寄せてきていた。
その魔獣の平均危険度は10を超えているため門番の兵士たちでは歯が立たない。
そのため国王は冒険者ギルドに援軍を頼んで凄腕の冒険者を募った。
しかしその凄腕の冒険者を呼んでも戦況は変わらなかった。その冒険者たちは魔獣を何体か倒すことが出来ても、数の暴力には適わなくて脱落していく。
「おらー‼‼ 門を開けやがれー‼‼」
「開けねえとぶっ殺すぞー‼‼」
魔獣たちが門の前からそう言って満身創痍の冒険者や王国軍兵士を襲いかかったそのとき、
「ちょっとそこをどいてくれんかのう?」
王宮から少し離れた場所から1人の老人が魔獣を殴り飛ばしてもう1体の魔獣に尋ねた。
「な、何もんだ? てめえ……」
尋ねられた魔獣は数十メートル吹き飛ばされた仲間の魔獣を見て恐怖していた。
「わしか? わしの名はレージスじゃ! そこの城の主から呼び出しを受けてな! すまんが中へ入れさせてくれんかのう?」
怯える魔獣にレージスはニコニコと自己紹介をした。
「誰が入れさせるかよ!」
「そのジジイをぶっ殺せ!」
門の前にいた魔獣がそう言ってレージスに一斉攻撃を仕掛けた。
レージスはハァとため息をつきながら、
「そうか、じゃあ死ね!」
レージスはそう言い捨てると地面から土でできた巨大な手を2本生成させた。
「‶マドスタンプ〟‼‼」
ズドドドドドドォ――ン
土でできた巨大な手は魔獣たちを真上から連続で叩き潰した。
そして地面には手形のクレーターができていて、その中で魔獣たちがみんな伸びていた。
「あれが‶巨神のレージス・ガンタック〟‼‼」
冒険者たちや王国軍の兵士たちはレージスの実力を目の当たりにして驚愕していた。




