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293話 『合体する鉄龍と魔導化学変化』

「ラササササー! さあ次は誰が相手だ? いい加減そろそろ人質でも取って‶龍斬り〟をおびき寄せるとするか!」


 ラッサルは高笑いしながらそう叫ぶと、魔力を上昇させて周辺に散らばっていた鉄くずが一斉に彼にまとわりついた。


「今すぐに見せてやるよ! 龍魔人の‶魔獣化〟を!」


 ラッサルはこの土地周辺の金属だけではなく、他の村や町の武器など何十キロも離れている場所からも金属をも引き寄せた。


「合体せよ! そして無限に巨大化せよ! 最強の武器をまとい武装せよ! ‶マグロリス〟‼‼‼‼‼‼」


 ラッサルの詠唱とともに無数の鉄くずは形を変形させて一体の二足歩行する巨大なドラゴンへと姿を変えた。そしてその鉄くずでできたドラゴンから漂う魔力は他の魔人たちとはけた違いなものだった。


「さあ、殺戮ショーの始まり始まり!」


 リーナはポケットに入れていた‶危険レベルチェッカー〟が激しく振動するのを感じ取ってすぐさま取り出し、ラッサルのデータを確認した。


 魔獣名: マグロリス

 特長 : 鉄龍の一種で磁力を操ることが出来る。その磁力は強力で何千トンも質量のある金属ですら簡単に引き寄せてしまう。そして引き寄せる力と同時に反発させる力も協力でその何千トンもある金属を銃弾の如く飛ばすこともできる。

 全長 : 15メートル以上

 危険度: 31


「き、危険度31だと!?」


 リーナは‶危険レベルチェッカー〟に記載されていた内容を見て驚愕した。そしてそれを隣から覗き込んだロゼも驚愕した。


「そんな! ‶十極天〟以外の魔人も危険度30を超えるの!?」


「どうする~? この前あれと同じ危険度のサーペイドに颯太っちが負けちゃったばかりだよ~! 私達に同行できる相手だとは思わないんだけど~」


 静香はあまりの絶望さに開き直っていた。


「しかし泣き言を言っているわけにもいかないだろう! やるしかないんだ!」


 リーナは弱音を吐くロゼと静香を説得し、戦闘態勢に入った。


「とにかくやれるだけのことをしよう! ロゼは水を使って奴を放電させるんだ! 奴はおそらく電磁力で鉄を引き寄せているから電流を変えてしまえばあの金属は一時的に落下する。そして落下した物体を引き寄せないために静香が鉄に重力をかけるんだ! そしてそこを私が一撃を与える!」


「でもリーナの能力は奴と相性最悪、どうやってあいつに攻撃をするの?」


「大丈夫! 私には一つ奥の手があるから!」


 不安に感じたロゼはリーナに問いかけたのだが、リーナの自身のある表情を見て彼女を信じることにした。


「おやおや無駄な作戦会議は終わったのかい? だったら今すぐにでも殺戮ショーを……」


「すぐに終わらせてあげる! ‶大海落とし(マリン・フォール)〟‼‼‼‼‼」

 人魚姿になったロゼは空を泳ぎ、ハープをポロンと奏でてそこら一帯に美しいメロディを響き渡らせた。

 そしてラッサルは自身の視界が少し暗くなったことに疑問を抱き、頭上を見上げた。するとそこには何万トンもの海水が生成されていた。


「ほほう? 水で俺から発生されている電気を放電させて金属との接合を解除させようってか? そいつは無駄だぜ! いくら水は電気を通すからってすべての電気が放電するわけがねえだろうが!」


 ラッサルが頭上を見上げながら否定をしていたが、ロゼは不敵な笑みを浮かべていた。


「何を言っているの? 誰が水なんていったの? これはただの水じゃなくて海水よ! もうここまでくればさすがのあなたももうお分かりよね?」


「まさか……」


 ラッサルが何かを察したその瞬間、ロゼはその海水を一気に叩き込んだ。ラッサルは海水に呑み込まれ、体に蓄積されていた電気を全て放出した。そして放電したことによって体に引き寄せていた鉄くずが全て流れ落ち、元の姿に戻ってしまった。


「どういうこと!? 水じゃあ大量に放電できないんじゃないの~?」


「海水だ!」


 驚きを隠せないでいる静香にリーナはロゼの考えを代弁した。


「電気は性質上水よりも食塩水を通すんだ! そして海水には食塩が含まれているから奴は自身にため込んでいた電気を全て放出してしまったんだ!」


 それを聞いた静香はロゼのその天才的な戦術に感動し、両手を握り締めてただただ彼女に祈りを捧げていた。


「ってそんなことしている場合か! さっさとあの鉄くずを全て固定しなさーい!」


 リーナのツッコミに正気に戻った静香は桜の花柄の着物姿になり、奈落の底へ落下した鉄くずに強い重力をかけた。


「クソッ! 重力のせいで鉄を引き寄せられねえ! だったらまた別の場所から鉄を引き寄せて……」


「そんな時間、私達が許すとでも思ったか? これで最後だ! 心臓を貫いてやる!」


 リーナはそう言うと、自身の体から凄まじい電気が走り、服装が紅のミニスカドレスに、髪もショートヘアから背中を覆い隠すほどのロングヘアに彼女の姿が大きく変貌した。


「これでもくらえ! ‶雷熱(サンダーヒート)(・ランス)〟‼‼‼‼」


 リーナはサーベルに大量の雷を集中させて雷撃の如くラッサルに突進した。すると彼女のサーベルは次第に熱を帯び始めて発火した。


「そうか! 電熱を利用して攻撃をするのか!」


 ロゼはリーナのいう奥の手と言うキーワードが引っかかっていたのだが、それが解決して深く納得した。


 ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼


 そしてリーナのサーベルは炎で作られた槍となり、ラッサルに衝突した。直撃した瞬間爆炎が巻き起こり、一瞬彼女たち周辺の景色を紅の夕焼けに染めてしまった。

 彼女の炎には魔力だけではなく神力も交じっており、そこらの火属性魔法とは比べ物にならないほどの破壊力だった。

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