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288話 『沈黙の班会議』

「ここは一体どこなんだ?」


 颯太は地下にある扉の中へと入るとすさまじい濃度の新緑に押しつぶされそうになった。


「さすがだなお前さん、大体の聖霊もこの空間の神力の圧に押しつぶされてしまうんだがな。この空間は‶霊神の空間〟と言ってな、人間界に漂う神力の数千倍の神力が空気中を浮遊しているんだ。だからこの空間にいれば好きなだけお前さんの邪神力を使うことが出来る」


 この空間は神力が人間界とは違って豊富なため、颯太が‶漆黒の第二形態〟を使用した後も即座に消費した分大気中の神力を取り込むことが出来る。そのため颯太はこの空間にいれば、常時その姿で修業し続けることが出来るのだ。


「ワシはあの姿の持続時間を延ばすにはお前さん自身が強くなる必要もあるが、一番はあの形態を何回も使用することだと思うんだ。だからお前さんがぶっ倒れるまでワシと全力勝負だ!」


「何言ってんだウルティオス! 俺が来週に控えている修学旅行まで絶対ぶっ倒れるわけねえだろうが! 気にせず殺す気でかかってこいよ!」


 颯太は自信満々にそう啖呵を切ると邪神力を全開放し、右半身に悪魔の模様を浮き出させて、右半分の髪の毛が白化させた。そして筋肉の膨張で上半身の服を脱ぎ捨てた颯太は手に持っている黒刀‶滅龍丸〟でウルティオスに本気で斬りかかった。

 ウルティオスも数少ない進化する神器、‶進器〟の中でも霊神力に反応する神器、‶グロリアス〟と呼ばれる聖剣を手に持って迎え撃った。







 ――そのころ、マリアネス第一魔法学院では……


「修学旅行の第一日目の行き先はユダ王国の歴史図書館、2日目、3日目でユダ王国全土の自由行動、そして4日目に世界最大級の遊園地、‶ドリームアイランド〟に行くことになっている。今からそれぞれの班は2日目、3日目の自由行動の行き先を決めてもらう」


 委員長のエリーサは教卓に立ってそう言い、指示を出した。クラスのみんなはキャーキャーと興奮しながら話し合いをしていた中、リーナの班は意気消沈していた。


「まず先にあのバカが修学旅行までに帰ってくると思う人、手を上げて」


 リーナがそう提案しても誰ひとりと手を挙げなかった。リーナの班のメンバーはリーナ、ロゼ、静香、トムと颯太を合わせて5人だった。しかし当然その場に颯太の姿はない。


「それじゃああのバカはこのまま一生帰ってこないと思う人、手を上げて」


 リーナがそう言うと彼女含めて全員が手を挙げた。


「あの放浪癖のある颯太君ですもの。しばらくは帰ってこないんじゃないかな?」


「私もロゼっちにさんせ~!」


「あいつはあの件が完全に自分のせいと思っているからな……多分あれ、相当気にしているぞ!」


 ロゼ、静香、トムはそれぞれ自分の思いをリーナに告げた。


「でも一応今日中にこの行き先は決めなきゃいけないからさっさと決めよう。そして修学旅行が始まるまでにあいつが帰ってこなくても私たちは全力で楽しむぞ」


 そう言いつつもリーナの目には悲しさが伝わってくる。そして彼女らはクラスの楽しい雰囲気が息苦しく感じていた。これでは確実に修学旅行を楽しめない未来しか見えてこないとリーナは心の中でそう悟った。

 しかしこの修学旅行で一生忘れることのない大きな波に飲み込まれてしまうなんて今は誰も思ってもいなかった。


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