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234話 『禁断の丸薬』

 百連撃とは言っているが、実のところセラフィスに打ち込んでいた鴉は明らかに百羽を超えていた。そしてその一羽一羽に大量の邪神力が仕込まれており、それを数えきれないほど直撃したためセラフィスはただで済むとは思えない。


 今の攻撃を見て颯太は自分たちとは別の次元に立っているのだとリーナは確信した。

 そして颯太はすべての鴉を撃ち込み終えると黒いオーラを集めて黒刀を復元させた。さらに颯太は邪神力を使い過ぎたのか、右半身の黒い模様は消え、右頭部の髪の色も元の黒色に戻った。


「ハァ……ハァ……やっぱこれが俺の限界か……。今の俺じゃああの姿を10分も持たせられねえ」


 颯太はかなり息切れをしていた。それもそうだ。ただでさえ今までも黒いオーラを出した後はかなり体力が消耗していて、再使用に30分かかっていた。そして今回はそれよりもさらに上の世界に足を踏み入れたからその代償はかなり大きいものだろう。


「颯太、大丈夫か?」


 颯太を心配したリーナが彼のもとに駆けつけてきた。


「リーナ……お前無事だったんだな?」


「当たり前だ! お前に比べたら私は大したダメージではない」


 それを聞いた颯太は引きつった笑いをしていた。その姿を見て彼は本当に限界なんだとリーナは悟った。


「それはよかった……。だったらお前たちはさっさと帰れ。まだ奴はやられていない」


「!?」


 リーナは颯太の発言に驚愕し、セラフィスの魔力を感知した。するとセラフィスの魔力がかすかに動いており、その魔力が徐々に膨れ上がっている。


「やってくれたな……‶龍斬り〟‼‼‼‼」


 土煙の中から姿を見せたセラフィスは満身創痍の状態で今にも倒れそうだった。


「龍を撃墜したから‶龍撃の雨宮〟ってところか? それよりもお前はもう聖霊界へ帰れ! 今のお前じゃあこの状態の俺にすら勝てはしない!」


 今の颯太の状態とは普段から使用していた言わば‶漆黒の第一形態〟のことである。


「お前、いやセラフィスをぶっ飛ばした俺のさっきの姿は‶漆黒の第二形態〟と言ったところか? 俺はあいつとの戦いでかなり邪神力を消耗してしまい、第一形態にしかなることが出来ないが、それでもお前に勝つ自信はある。だからせいぜい浄化すんのはあきらめるんだな、()()()()!」


「!?」


 スオリーは今の自分がセラフィスではないと言うことが颯太にバレていたことに驚きを隠せないでいた。


「どうした? 『何故僕が分かったんだ?』って顔をしているな? そりゃそうだ! お前から放たれているものが魔力ベースから霊神力ベースに切り替わってんだからよう! 頼りのセラフィスが俺の攻撃で気を失っているってところか? どうする? このままおとなしく聖霊界へ帰れば俺は何もしないぜ」


「聖霊界へ帰る? フン、あんな悪魔を擁護するゴミ世界へ帰る気はさらさらないね! それに僕の浄化計画はこれで終わったとは思わないことだね!」


 スオリーがポケットの中をあさり、取り出したものに颯太とリーナは驚愕した。


「お前……やめろ! それを使ってしまえばお前の体は持たないぞ!」


「止めたって無駄だ! これは極力使用しないと思っていたのだが、貴様が想像を絶するほどの力を手に入れていたからね! こいつで今度こそこの世界を完全に浄化してやるよ! この‶ストロング・D〟でね!」


 何とスオリーが取り出したものは人間の身体能力を一時的飛躍させる凶薬、‶ストロング・D〟だった。これは飲めば飲むほど身体能力は二乗されるのだが、その代償がとても大きい冒険者が命の危険にさらされたときに一粒だけ使用する奥の手である。だが彼はそれを3粒持っていた。


 颯太は3粒飲むとどれほど恐ろしく強くなることも、そしてその代償が大きくなるかをいやと言うほど知っていた。彼の頭の中にはザックとトロンの顔が思い浮かんだ。


「だがこいつに適応できるまで少々時間がかかりそうだ! なんせこの体じゃあねえ! だからそれまで君には時間稼ぎをしてもらおうか?」


 スオリーはそう言って手のひらから黒いオーラを生成させてそれを自身の霊神力を混ぜ込んで灰色の発光体を作り出し、颯太のそばにいるリーナの方へ飛ばした。

 颯太は反応に遅れてリーナを助けることが出来ず、彼女は灰色の発光体に体を包み込まれた。


「リーナァァァァ‼‼‼‼‼」


 颯太は灰色の発光体発光体を消そうと近づいたのだが、霊神力の力が働き、吹き飛ばされた。


「うぅぅ……グアァァァァァ‼‼‼‼‼‼‼‼」


 リーナは発光体の中でもがき苦しんでいた。そして……


 ピカーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼


 灰色の発光体が弾けて眩しい光を放った。颯太やソマリもあまりの眩しさに目を腕で押さえていた。


 謎の光が消失すると、颯太の隣にいたはずのリーナは紅のミニスカドレスの姿に変わっており、手に持っているサーベルからバチバチと電気が走っていた。金髪も腰にかかるほどに伸びており、その姿は幾多の魔獣を葬ったあの‶魔導神装〟である。


「おいリーナ……大丈夫か? 何もケガがなければそれで……」


 ガキィィィィーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼


 リーナは突然颯太に斬りかかってきた。颯太は咄嗟に黒刀で受け止めたのだが、リーナの斬撃はあまりにも重く、颯太は遠くの建物方へ直線状に吹き飛ばされてしまった。


「ころす……。悪魔をころしてやるーーーーーー‼‼‼‼‼‼‼‼」


 リーナはそう発狂し、自分の周辺に無数の雷を降らした。


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