210話 『ディアーラのゲームメイク』
「グハッ!?」
スオリー槍型の雷撃を受けてから血反吐を吐きながら吹き飛ばされた。
そしてひらりと受け身を取って衝撃を和らげたのだが、口元を触って手に血が付着したことに驚愕して怒りが込み上げてきた。
「こ、この私が血を吐くだと!? ふざけるな! 人間ごときがこの私に……浄化してやる、貴様ら全員この手で完全に浄化させてやる!」
スオリーはリーナを見て発狂し、光弾をリーナたちに向けて連続で発車した。リーナはここでよけてしまうと国民たちが危険にさらされてしまうと思い、高く飛び上がって光弾を上空に誘導させた。
「ディアーラさん! あなた空を飛ぶことができるのなら私を担いで飛んで!」
「あ、ああ……」
ディアーラはリーナに言われるがままに彼女を担いで空を飛んだ。
すると下から光の弾丸が襲い掛かってきたことに驚愕して空間異動で攻撃をかわした。
「危ない危ない! あれ食らっていたら僕たち彼の言う通り、浄化されるところだったよ!」
「それで国民が救えたのなら本望だと思わない?」
「君、王女のくせに大胆なことをするね」
ディアーラは呆れた顔でリーナにそう言った。
「それじゃあ奴の攻撃が国民たちに当たらないようにすればいいんだね?」
ディアーラの質問にリーナがこくりとうなずくと、ディアーラはなぜか不敵な笑みを浮かべた。その悪魔じみた笑い方は魔獣よりも恐ろしいものだった。
そしてディアーラは地上に降り立って剣を地面に突き刺し、魔力を大量に注ぎ込んだ。
するとスオリーの周囲の地面から黒い煙が次々に放出され、彼を黒煙に包み込んだ。
「私を黒い煙で包み込むんじゃねえ! 黒っていう響きがそんなにいいか! この世界に黒なんて不要だ! すべて光で押しつぶしてくれるわ!」
スオリーは嫌いな黒色の空間に閉じ込められてことに怒り狂い体から最大限の光を放って黒い煙を打ち払った。
「貴様らの行い、決して許されないことだ! 死をもって償うのだ! 〝聖獣砲〟‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
スオリーは手をディアーラに向け、そして光り輝く閃光を発射した。
ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
しかしその閃光がディアーラに直撃する寸前に謎の空間に吸い込まれ、スオリーの真上に降り注がれた。
スオリーは出来上がった巨大なクレーターの中央で体の煤を払いながら困惑していた。
「何がどうなったんだ!? っていうような顔をしていますね? 私があなたに施したのは〝 混沌の世界〟という特定したものの空間を支配する魔法です。だからあなたはどんなに攻撃を仕掛けようとも私には届きません。自分で自分の攻撃を受けたということはあなた今、私の攻撃に激怒して無意識に霊神力を攻撃に使用していたようですね!」
「さっきからうぜぇんだよ貴様! そんなに僕に浄化されたいのか! だったらお望み通り浄化させてやるよ!」
スオリーはディアーラの挑発にいら立ち、その後も何回も攻撃を試みたのだが、その攻撃はすべて自分に返ってきた。
「あなたは時々感情的になるところが弱点であり、私たちにとってはチャンスなんです! おそらくあなたを負かした雨宮颯太も同じ手を使ったのではないのでしょうか?」
「雨宮颯太だと!? その名前を口にするなぁぁぁ‼‼‼‼‼‼‼‼」
スオリーは過去一番に発狂し再び〝聖獣砲〟を発射した。しかし当然自分に降りかかった。
「相変わらず懲りないですね~、試しに雨宮颯太の名前を出してみればわかりやすく怒り狂い……本当に面白いですよ」
ディアーラは息を吸うかのようにスオリーを挑発を連発しスオリーの感情を揺さぶった。しかしさすがに学習してディアーラに攻撃を仕掛けるのはやめた。
「冷静な判断ですね。でもあなたの攻撃は空間異動してしまうが私の攻撃は通常通りあなたに直撃しますよ!」
スオリーが気付いたころには彼の四方八方には無数の空間ホールが生成されていた。
「闇の力にひれ伏すがいい! 〝破壊の群手〟‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
ディアーラは手を合わせて魔力を空間ホールに注ぎ込むと、謎めいたホールからぬうっと黒い手が一斉に出現した。
「さあ、彼を思う存分破壊し尽くしなさい!」
ズドドドドドドーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
ディアーラの命令とともに黒い手は一斉にスオリーを殴り始めた。
その攻撃によって広範囲にも及んで砂ぼこりが舞い上がってリーナたちはスオリーを認識することができなかった。
「ディアーラ、奴は記憶を失っても戦いのセンスや駆け引きは天才だな!」
リーナはディアーラの圧倒的な強さに驚愕していた。




