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184話 『天才ジース・シリコン』

 ――3日後


 颯太もリーナ達と同じようにグランベルクのことを一通り話を聞いた。


「わからねえ……あいつの真理が全くわからねえ」


 颯太は首を傾げて唸っていた。颯太にとってグランベルクはコード・04の次に並ぶくらいの強敵だったからだ。


「だが仮に味方になってくれるのならとてもありがたいがな なんせ俺は刀をディアーラにへしおられてしまったからな」


「どうするの? 新しい刀に替えるの?」


「そのつもりはない。あの刀を知ってしまったら、それ以外の刀を使う気にはなれない」


 颯太の黒刀はディアーラの斬撃に負けてぽっきりと折れてしまい、今手元にあるのはその残骸だ。


「おそらく直そうにしてもこの刀はそこらの鍛冶屋には不可能だ」


「……その刀はそんなにすごいの?」


「ああ、こいつは俺が‶ゴールドランク冒険者〟の時にとある山頂で見つけたんだ。こいつからとてつもないオーラが放たれていて、そのオーラが俺の体内にある何かに反応してその場所へ俺を導いたんだ」


 リーナには颯太の言っていることがさっぱり理解できず困惑していた。

 しかし颯太の話を聞いたエルドは……


「だったらあそこに行くといい! ‶ジャポニクス〟へ。あそこのギルドマスター、ジース・シリコンならその武器について詳しいことを知っているかもしれない」


「ジース・シリコン?」


「世界一の天才とも呼ばれている。‶空中宮殿・ヴァルハラ〟を発見したのも彼だ! 彼に知らないことなんて存在しないともいわれているからね」


 エルドがまるで自分のことかのようにジース・シリコンという人物を説明していた。


「とにかくそいつに合えば何かわかるかもしれないっていうわけだな?」


 颯太がエルドに尋ねるとエルドは無言でうなずいた。


「よっしゃー! そうと決まれば今すぐそこへ向かおう! 確か‶ジャポニクス〟はマリアネス王国にあるよな? リーナ、そこまで案内してくれ!」


「ゲッ! あんたまさか……」


 リーナは颯太がこれからしようとしていることがなんとなく理解できて青ざめた。


「よし! 車は故障しているからバイクで行くしかないか! じゃあリーナ! 一緒に行くぞ!」


「やっぱりこうなった~‼‼‼」


 リーナは今まで颯太のバイクの後ろに座ったことが何回かあったのだが、いつも颯太の暴走運転で死にかけていた。もはやリーナにとって颯太の車やバイクに同乗することは死を覚悟するのと同じことであった。


「そ、颯太? 馬車で行きましょう! そっちの方が安全だし~」


「ばしゃあ? そんなちんたらしていられるか! これは一刻を争う事態なんだからよう!」


(何が一刻を争うのよ!)


 リーナは心の中でそう思ったのだが口には出せなかった。


「さあ……いくぞ!」


「いぃぃ~~やぁぁぁ~~‼‼‼‼‼」


 リーナは今にも泣きそうな顔をしながら颯太に引きずられていった。


「バイクか……とても興味深い乗り物だな! 今度私も載せてもらおうか?」


「絶対やめといたほうがいいと思いますよ……」


 エルドは少しバイクに興味を持っていたので口角が上がっていた。ユマは呆れた顔をしながら否定した。

 一度颯太の暴走運転を体験している者の言うことには説得力があった。

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