168話 『破壊凰の思想』
「な、何なんだ! 今の衝撃波みたいなやつで周りのものを全部消し飛ばしやがった!?」
颯太はディアーラが放った黒い波動に驚愕していた。
「怖いか……? それもそうだ。人は一番恐怖するとき……それは死を目の前にしたときだ」
ディアーラがそう言うと、颯太の方へ飛んできた。そしてディアーラは鎌をもって颯太に斬りかかった。
ガキィィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
颯太は慌てて黒刀でディアーラの攻撃を受け止めた。しかしディアーラの斬撃があまりにも重く、颯太は弾き飛ばされた。
「私は‶破壊凰・ディアーラ〟、私にたてつくものは一人残らず殲滅させる! まずは手始めに君から行こうか? 雨宮颯太君……。‶殲滅の翼弾〟‼‼‼‼‼‼‼」
ディアーラは背中の翼から無数の黒いオーラをまとった羽根を銃弾の如く飛ばした。
颯太はその羽根がどのような効果を持っているのかわからなかったので、超速移動で全弾かわした。
黒い羽根はそのまま地面に落下していって彼らの真下にあった森林はまるで爆撃が降り注ぐかのように悲惨な状況になっていた。その羽根は森林の中で倒れている魔人たちも巻き込んで爆発した。
そして先ほどまでは緑が生い茂っていたはずの森林が一瞬にして荒野へと変わった。
「な、何だよ……これ……」
「君が私の攻撃をかわしたからこうなった。君がかわさなければ彼らも死ぬことはなかっただろうにな」
「何言ってんだよ! お前、下に仲間がいたらそもそもあんな技、撃たねえだろ!」
「仲間……? ハッハッハー! なかなか面白いことを言うねえ、君は! 彼らが私の仲間? そんなはずがないだろう! 彼らは私にとってはただの道具にしか過ぎないんだよ!」
ディアーラの人と思えぬ発言に颯太ははらわたが煮えくり返りそうになっていた。そんな中、ディアーラは颯太の真下にジェイソンを担いでいるリーナを発見した。ディアーラは薄ら笑いをしながら再び黒い羽根を飛ばそうとした。
(あれは……リーナ!?)
颯太は自分の真下にリーナがいることに気づき、その後にディアーラの方へ振り向いた。
「さあ! 今度はちゃんと当てるからね~! ‶殲滅の翼弾〟‼‼‼‼‼‼‼」
颯太はすぐに分かった。ディアーラは真下にリーナがいることと、彼がわざとらしくその技を撃とうとしていることに。
「やーめーろーーーーーー‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
颯太はそう叫んで超速移動をし、ディアーラの攻撃を止めようとして黒刀で彼を斬ろうとした。
しかしディアーラはそれが分かっていたのか、技の発動を止めて、鎌で反撃に転じた。
颯太は慌てて黒刀で鎌の攻撃を受け流したのだが、颯太の武器は1本に対して、ディアーラは2本。2人の斬り合いは明らかに颯太の方が分が悪い。
(グッ! こいつの斬撃、重いうえに隙が無い!)
颯太はディアーラの斬撃を黒刀で防ぎつつも反撃しているのだが、これも全部防がれている。
2人の武器が互いにぶつかり合ったとき、黒い稲妻と衝撃波が生じる。その衝撃波は下にいるリーナたちにも伝わってくる。
「何っ、この魔力!?」
リーナは爆風で武器飛ばされそうになるのを必死に踏ん張っていた。
2人の巨大な魔力によって意識を取り戻したジェイソンは颯太たちの戦いをじっと見つめていた。
「彼が雨宮颯太君ですか?」
「そ、そうだ!」
「すごいですね! あの代表と互角に戦っているとは! 本当に彼は何者なんでしょうかね?」
「互角? 颯太は‶最強冒険者〟なんだ! あんな奴くらい簡単に倒せるぞ!」
リーナはジェイソンの言葉にムキになった言い返した。
「いや、互角ですね。と言うかむしろ、彼の方が押されています」
「何!?」
リーナはジェイソンの言葉に衝撃を受けて再び颯太が戦っている上空を見上げた。すると颯太がディアーラの連続攻撃を必死に黒刀でガードしている光景が目に映った。
「そ、颯太……」
リーナはショックのあまり膝をついた。




