155話 『ジェイソンの根性』
リーナとジェイソンの衝突の後、会場全体に土煙が覆いかぶさった。そしてその土煙から姿を現したのはリーナと右腕を失ったジェイソンだった。
ジェイソンはリーナの‶雷神の槍〟を巨大な土の拳で防ごうとしたのだが、リーナの槍型の雷の威力に押されて土の拳はそれをまとっていた右腕ごと消し飛ばされてしまったのだ。
「ハァ……ハァ……まさか俺の攻撃が防がれてしまうなんてな……」
ジェイソンは左手で失った右腕を抑えながらしゃべり始めた。
「お前のその姿、想像以上の強さだった! 完敗だ! さあ! とどめを刺すんだ!」
ジェイソンが満足そうな表情をしてそう言うと、
「ジェイソン! 負けんじゃねえ!」
「お前はまだやれる!」
「諦めないで!」
と観客の方から声援が聞こえた。
しかしジェイソンの体は限界寸前。彼は立っているのもやっとだった。
リーナはこの声援にとても腹が立っていた。リーナはジェイソンと戦っていくうちに彼のことを見直していたのだった。しかしこの観客たちはジェイソンが苦しんでいるのにも関わらず、まだ戦いを強要している。リーナはそんな観客にいら立っていた。
「どうやら俺はまだファンたちに見かねられていないようだな! だから俺はファンたちのためにも戦う! 行くぞ!」
ジェイソンはそう言い放つと、超速移動でリーナに接近して、彼女の鳩尾に左拳で鋭い正拳突きをお見舞いした。
「グハッ!?」
リーナは超速移動の勢いを加えた正拳突きをまともにくらって血反吐を吐きながら吹っ飛ばされた。
ズドーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼
リーナはそのまま観客の方まで吹っ飛ばされた。
「ガハッ、ガハッ! 貴様にまだそんな力が残っていたのか?」
「俺はこいつらがいる限り何回でも立ち上がって見せる! 俺は無敵のヒーローなんだ!」
ジェイソンがそう啖呵を切ると、観客がドッと歓声を上げた。
「いいぞー! ジェイソーン!」
「もっと戦え~!」
リーナは観客の声が次第にジェイソンを苦しめていることに気が付いた。
(ジェイソンは観客の応援で立ち上がることが出来る。だがそれはレオメタルみたいに体が再生しているわけではない! ジェイソンには私から受けたダメージが蓄積されているはずだ! だからこれ以上戦うと奴の体は……)
リーナはそう思うとサーベルに電気を流してジェイソンに斬りかかった。
「このひどい戦いはすぐにでも終わらせてやる!」
「ひどいだと!? そんなことはない! この真剣勝負のどこにひどい要素なんてあるか?」
ジェイソンはそう言うと、左腕に炎をまとわせてリーナのサーベルを受け止めた。
「まだわからないのか! 貴様はファンの言葉によって苦しめられているんだぞ! 貴様の体は党に限界を超えているんだ! だから私が貴様の敵として責任をもってこの勝負を終わらせる義務があるんだ!」
リーナはそう言うと鋭い剣さばきでジェイソンを圧倒した。
「ぐう! 確かにこのまま戦いが長引いても俺が不利な状況は変わらないか! だったら俺もこの戦いに決着をつけてやる!」
ジェイソンはそう言ってリーナのサーベルを左手でガシっと掴んだ。ジェイソンは感電しつつも気合でリーナごと真上に投げ飛ばした。
「何!?」
「空中じゃあ態勢を整えることはできまい! これで終わりにしてやる!」
ジェイソンは全身から魔力を放出して口から青白い閃光を生成した。
「前にも同じような場面に遭遇したことがある……だからこの程度では私は翻弄されない!」
リーナはそう言うと、彼女も全身から魔力を放出して雷神の化身を創り出した。
「いくぞ! よきライバルよ! ‶魔獣砲〟‼‼‼‼」
ジェイソンはそう言うと口から巨大な青白い閃光を発射した。
「望むところだ! ‶雷神の一撃〟‼‼‼‼‼‼」
リーナも雷神の口から巨大な稲光の光線を発射した。




