143話 『見えざる暗殺者』
その後もユマはにおいがついて場所が特定されているペロンチェを殴ったり蹴り飛ばしたりしていた。
彼女は2年前に颯太から戦い方を教わっていたので、肉弾戦はかなり強い。だからペロンチェはユマの猛攻をなかなか止めることが出来なかった。
そしてユマは杖をバットのように大振りをしてペロンチェの顔面にヒットさせてペロンチェは吹っ飛ばされ大木にめり込んだ。
「グフ!? てめえ見た目に反してかなり凶悪だな!」
「そうですか~? 私いつも通り悪者を滅多打ちにしていたからわかんないで~す!」
そう、ユマは戦いのときだけ性格が豹変して相手に敬語は使うもののかなりとげのある口調になってしまうのである。
そしてユマはポケットに入れていた‶危険レベルチェッカー〟を起動させてボコボコにされているペロンチェの危険度を調べた。
「フーン……この程度の実力で危険度23もあるんですね。私がただ強すぎただけなのか、この機械が故障しているかのどちらかですね!」
彼女の戦闘に関しての才能は素晴らしいものだった。
彼女は‶魔導神装〟もしていない状態で危険度23の魔獣を圧倒していたので、彼女の今の実力はコカトリスと戦っていたころの雨宮颯太よりも上になる。
ユマは倒れているペロンチェに近づいて、
「あなたの危険度が高い理由ってもしかして透明になれるからなのですかね? 魔人や魔獣の危険度は実力に比例してませんもんね! 特に魔人とかは厄介な能力ほど危険度も高く設定されていますから! だからあなたの恐ろしいところはただ透明になれるということだけであってあなたの強さに関しての脅威は全くありません!」
と強く罵倒した。ペロンチェはその言葉が癇に障ったのか、はらわたが煮えくり返って、魔力が爆発的に上がった。
「今てめえが発したその言葉、絶対に忘れねえからな! 後悔しても知らねえぞ!」
ペロンチェはそう言うと剣を腰から抜いてその剣を立てて詠唱を始めた。
「視覚を潰せ、見えざる獣よ! そして獲物を一撃で仕留めよ! カメレオス!」
ペロンチェは詠唱し終えると、ペロンチェの体が光り始めて、姿が変わっていった。
その姿は人間からカメレオンに近い形に変わっていってペロンチェの体はカメレオンの特徴でもある長い尾と下にとろんとした目になっていた。
しかしそのふざけた見た目とは裏腹に凄まじい魔力がペロンチェから垂れ流しになっていた。
「しかしそんなに重い魔力を垂れ流しにしていたら透明人間になってもすぐにバレてしまいますね!」
「ペロロロー! そう思うか?」
ユマはペロンチェを挑発したのだが、ペロンチェは全く動じておらず再び透明になった。
するとペロンチェは姿だけではなく莫大な魔力も一瞬で消失した。




