127話 『龍魔人の魔獣砲』
あたり一帯に砂ぼこりが舞い、その砂ぼこりが消えると斬撃が直撃した場所は底が見えないくらい地面が陥没していた。
しかし颯太は陥没した地面のすぐ横で無傷の状態でいた。
彼は‶雷霆覇斬〟が直撃する前に‶疾風脚で間一髪回避することが出来たのだ。
「ほーう! 今の斬撃をかわすとは少し見直したぞ!」
「あの斬撃を撃っても魔力が全く下がっていねえ!? こいつ、マジで化け物だ!」
今までどんな敵とも真正面からぶつかってきた颯太が珍しく弱音を吐いていた。
「だったら貴様がこれ以上ちょこまか逃げ回ることが出来ないようにしてやるか!」
グランベルクはそう言うと、高い建物の屋根の上に着地して、刀を屋根に突き刺し、颯太の方に中指と人差し指を指した。
「‶魔獣砲〟か? そんなの簡単によけられるぜ!」
「だったらよけてみな! よけられるのならな」
「言われなくても軽くよけてやるさ!」
ズキューーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
颯太の左肩に直径2センチメートルほどのレーザー光線が貫通した。
「ぐあああああ‼‼‼‼‼‼‼‼」
颯太は撃ち抜かれた肩を抑えてもがいていた。
「俺が今貴様撃ち抜いたレーザーは‶圧縮魔獣砲〟と言う。こいつは広範囲を攻撃する‶魔獣砲〟を何十分の一までに圧縮して放つ魔法だ! それによって従来の魔獣砲よりも速度と貫通性能がはるかに高くなる!」
グランベルクはそう言うと、再び颯太に向かって‶圧縮魔獣砲〟を発射した。
ズキューーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
今度は右わき腹を打ち抜かれた。
「こういう特殊な‶魔獣砲〟を使うことが出来るのは‶龍魔人〟と呼ばれる魔人だけだ!」
グランベルクは説明を続けながら颯太に‶圧縮魔獣砲〟を撃ち続けた。
そしてついに颯太は両太ももを打ち抜かれて膝をついてしまった。
「そろそろ限界か? 俺もそこまで鬼じゃあないからさっさと殺してやるよ!」
グランベルクはそう言うと、人差し指と中指から青白い閃光ではなくワインレッドの閃光が生成されていた。
「ま、まさかそれは……」
「貴様もよく知っているだろ? この‶魔獣砲〟を……‶龍魔人は他の魔人とは出来が違うんだ!」
ワインレッドの閃光はみるみると体積が増していき、その凄まじい魔力によって地面が揺れ始めた。
「さあ! チェックメイトだ! ‶紅王の魔獣砲〟‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
ワインレッドの閃光は勢いよく発射された。
「クソ! 俺の足……動けええ‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
颯太は撃ち抜かれた足を無理やり動かして立ち上がった。
そして黒刀に最大まで魔力を溜め、
「死んでたまるかあああ‼‼‼‼‼‼‼‼ 紫電一閃・魔旋風列斬〟‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」
と濃色の光の斬撃を放った。




