107話『謎の黒ローブ集団』
歓迎会は夜まで続いた。酒を飲みすぎた颯太はべろべろの状態で自分の部屋のベッドにダイブした。
「あのおっさん酒強すぎるだろうが! ウィィ~、吐きそう」
颯太はそのまま1分もかからずに爆睡してしまった。
颯太が爆睡してから1時間ほどたって日付が変わるころ、レーフェル王国の外門に謎の黒ローブの集団がやってきた。
ウトウトと寝ぼけていた門番は彼らの足音で目が覚めて黒ローブの男に槍を向けた。
「何者だ? こんな夜遅くにやってくるなんて怪しいな」
「門を開けろ。二度は言わない」
「はぁ? 素性も分からないような奴に開けるわけないだろ!」
門番は黒ローブの発言に呆れていた。
黒ローブの男はなかなか門を開けない門番に対して魔力の圧力をかけた。
門番はその圧力を受けて顔面もろとも地面に叩きつけられて気を失った。
「俺が門を開けろと言ったら貴様は二つ返事ではいと言うんだ」
黒ローブの男はそう言って閉ざされた巨大な門に左手の人差し指と中指を向けた。
その先端から青白い閃光が生成されて、黒ローブの男はその閃光を発射した。
ズドーーーーーーーーーーーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
発射された青白い閃光は分厚い巨大な門に大きな風穴を開けてそのまま門周辺の町を焼け野原にしてしまった。
そして黒ローブの集団は門にできた穴をくぐり抜けて王都に侵入した。
「ラーハッハッハー! 相変わらずスゲー‶魔獣砲〟だな! グラン!」
「しゃべっている余裕はないぞ! ガロガイ!」
グランと呼ばれる男はガロガイと呼ばれている黒ローブの大男にそう警告した。
「お前ら、作戦は頭に入っているか?」
「「「「「おう!」」」」」
「1時間で終わらせる。その間にできるだけ奴らの戦力を減らすんだ! いいな?」
「「「「「おう!」」」」」
「いくぞ!」
グランの命令に黒ローブの集団はローブを脱いで全員が別の方向へ超速移動を始めた。
――レーフェル王国王宮
リーナは外門が破壊された音にいち早く気づいて、寝室のカーテンを開けて外の様子を覗いた。
すると外門に巨大な風穴があいていて町が焼け野原になっている光景を見て驚愕した。
「な、何なんだ!? あれは……」
リーナは直ちにエルドに知らせて王宮に召集させた。
「なぜです! なぜ現場に向かわせてくれないのですか!?」
リーナはここで待機しろと言ったエルドに文句を言った。
「今‶ペガサスナイツ〟が上空から様子をうかがっている! それで敵の人数が明白になってから反撃をする!」
「でもその間にも何百人の人たちが犠牲になっていきます!」
エルドの考えにロゼも反論した。
「だが、君たちはあくまでレオメタルの残党退治でここに来たんだ! この事件に巻き込むわけにはいかない!」
「そんなこと言っている場合じゃないでしょ! この国は今少しでも戦力が必要なんじゃないの!?」
リーナの言葉にエルドは頭を悩ませたそのとき、宮殿の門を破壊する音が聞こえた。
「今度は何だ!?」
「はっ! 襲撃者が宮殿の門を破壊して進行してきました!」
王宮へボロボロの状態で入ってきた兵士がそう報告した。
「守りを固めろ! 絶対に客人に手を出させるな!」
「まだそんなことを言っているの~! 私達だって戦うよ~!」
エルドの命令に静香も反発した。
しかし兵士は侵入者になすすべなく、どんどんと進行を許してしまった。
そしてついに王宮の門まで破壊された。
王宮に現れた男は銀髪のワイルドツーブロックの美形で整った顔をしていて、凄まじい魔力を放っていた。
「な、なんて魔力なの!?」
リーナはその男の魔力の高さに恐怖して額から汗が止まらなかった。
「き、貴様……何者だ!?」
「私の名はグランベルク・ツヴァイハート、‶魔人〟だ!」
「「「「‶魔人〟!?」」」」
リーナたちは襲撃してきたのが今話題になっていた‶魔人〟だったということに驚嘆していた。
「俺の要求はただ一つ、国土をよこせ! それだけだ!」
エルドはこの国の国王、当然そんな要求を呑むはずがない。
「貴様らなんかに大切な国土を渡せるわけが無いだろ!」
「俺は国土をよこせと言ったら貴様は二つ返事ではいと言うんだ!」
グランベルクはそう言って超速移動してエルドに殴りかかったそのとき、
ガキーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!
突然雨宮颯太が窓ガラスを突き破って黒刀でグランベルクの拳を受け止めた。
「この要求に従うんじゃねぇぞ! 国王さま!」
颯太はそう言って黒いオーラを全開にした。




