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106話『双子の王女』

 王宮に向かう前に残党たちを討伐した颯太たちはペガサスに乗って急いで王宮に向っていた。


「やべー! 電話をかってに切った後に寄り道してしまったから国王激怒してんじゃねえか?」


「そんなことないだろ! 私たちは人助けのための寄り道だからきっと国王も許してくれるはずだ!」


 焦っている颯太をリーナはなだめていた。実は彼らはその倒した魔獣たちが大したことなさ過ぎてレオメタルの残党たちだということに気づいていないのである。





 ――レーフェル王国王宮


「雨宮君たちちょっと遅くないか? 私は結構速度の速い優秀なペガサスを貸し出したんだがなぁ……」


 レーフェル王国の国王、エルドはいつまでたっても来ない颯太たちを不思議に思った。

 するとそこへ兵士がものすごい勢いでエルドの前に現れた。


「どうした? そんなに急いで」


「ご、ご報告いたします! たった今入った情報で南の商店街で出現したレオメタルの残党を‶プラチナランク冒険者〟とその一行が討伐したとのことです!」


「ええーーーーーーーーーーー!?」


 エルドはあまりの驚きで顎が外れそうになった。


「しかしまさかそんなにも早く仕事を済ませるとはたまげたなあ!」


 エルドは颯太たちの出来の良さに笑うしかなかった。


「そして雨宮氏がもうすぐ王宮に到着するそうです!」



「うむ、では歓迎と大いに祝福してやろうではないか!」


 エルドはそう言って部下やメイド達に食事の準備をするよう命じた。


 宮殿の前までやってきた颯太は不安に駆られて頭を悩ましていた。


「これで国王がブチ切れてマリアネス王国と外交問題になったらどうしようかなぁ……」


「大丈夫だよ〜! 事情を話したらきっと許してくれるよ〜! ……多分」


 静香の根拠の無い言葉が颯太を余計に不安の重圧で押し潰した。

 颯太たちが宮殿の前でもたもたしていたら、兵士がやって来て、


「雨宮氏でしょうか? 国王様が歓迎会を開いておりますので、急いで中へお入りください!」


と言って颯太たちを王宮へ案内した。

 颯太たちは兵士に連れられて王宮の中へ入ると国王や

 貴族達が歓迎ムードで出迎えていた。


「こ、これは一体……」


「雨宮君、ようこそ! レーフェル王国へ! そしてレオメタルの残党から国民を守ってくれてありがとう!」


 颯太はエルドの言葉に驚愕した。その理由は颯太たちが簡単に倒してしまった魔獣たちがレオメタルの残党だったからだ。


「じゃあもう依頼は完了したってことでいいのか?」


「も、もちろん後で支払うぞ!」


 エルドがそう言っていたら、後ろから2人の女の子がやってきた。その女の子達の姿が瓜二つで、髪型と髪色はセミロングヘアに薄目の茶色であり、唯一違うところは目つきである。


「お父様いつまで喋っているの! 私も颯太さんとお話がしたい!」


 2人の女の子のうち少しタレ目の女の子の方がエルドを責め立てた。

 タレ目の女の子はエルドを退かして颯太の前に立つと、緊張しているのか颯太の顔を見ず、下を向きながらモジモジとしていた。


「お、お久しぶりです! わ、私のこと覚えてくれていますか?」


 タレ目の女の子が勇気を振り絞って颯太に話しかけた。


「もちろん覚えているぜ! マユちゃんだろ?」


「ちーがーいーまーすー! 私はユマです!」


「あれっ? お前がユマだっけ? ユマはお姉ちゃんの方だろ?」


「私は妹の方です! 颯太さん全然覚えてないじゃないですか!」


「いやー悪い悪い! 顔似すぎていて全然わかんねーや!」


「ほんと! 颯太さんにはデリカシーというものがないのですか?」


 2人の楽しげな会話を聞いていたリーナとロゼの様子が少々おかしかった。

 しかしそんなことお構い無しに颯太は会話を続けていた。

 すると双子のうちのつり目の方の女の子がしびれを切らして、


「ユマに下心丸出しにしてんじゃねえ! ケダモノ!」


 と颯太に威勢よく言い放った。


「ししし下心丸出しだと! そんなわけあるか! 俺は至って健全だ!」


「嘘つけ! 女子風呂に侵入したやつの言葉を信用出来るわけないだろ」


「まさかの他国までにその話が広まっていたのか! 一体誰がそんな話を言いふらしたんだ? ……あのレージス(ジジイ)か!?」


「え!? 颯太さん、そんなことをしていたんですか?」


「ち、違うぞ! これは不可抗力というものであってな……」


 颯太の周りいる人たちが突如として敵に変わり、颯太はかなり動揺していた。

 特に颯太の後ろにいる2人からおぞましい程の殺気がただ流れているため、颯太は後ろを振り向くことが出来なかった。


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