105話 『第三王女のパワーアップ』
「おい! 私の商品を返せ!」
武器商人は店に置いてある高級武器をどんどんと袋に詰めている魔獣に剣で斬りかかった。
しかし所詮はただの武器商人。兵士でもなければ冒険者でもない。武器商人は簡単にその魔獣に返り討ちにされた。
「ガハッ、ガハッ、ゲホゲホ! 貴様らこの武器で一体何をするつもりなんだ!」
ボコボコに殴られた武器商人は意識をもうろうとさせながらそう問いただしていた。
しかし魔獣たちは全く効く耳を持たず、武器を大きな袋に投げ入れていた。
「仕方ねえなー! 教えてやるよ! 俺たちは魔獣界に帰れなくなってしまったんだ! だから再び魔獣軍が侵攻してくるまで絶対に生き延びてやる!」
一体の魔獣がそう言うと、ほかの魔獣を率いて店を立ち去った。
魔獣たちが店を出たら、目の前に魔導神装をしたリーナがレイピアを構えて待ち伏せをしていた。
「おい嬢ちゃん、痛い目にあいたくなければそこをどきな!」
「それはこっちのセリフよ! さっさと武器を手放しなさい!」
リーナとその魔獣の集団のボスがお互いにらみ合っていた。
「この俺を誰だと思う? 俺は危険度19の〝幹部補佐候補〟だ!」
「フーン……その程度でねぇ……」
ボスの魔獣が自分の強さをアピールしようとしたのだが、あとからやってきた颯太がそのボスの魔獣を挑発した。
「その程度だと……てめえのその生意気な口を塞いでやる!」
「〝疾風螺旋拳〟‼‼‼」
ズドーーーーーーン‼‼‼‼‼‼‼
颯太は超速移動でボスの魔獣に接近して風をまとった拳で鳩尾を思いっきり殴った。
そして魔獣は思いっきり殴られて腹部を貫通させながら吹っ飛ばされた。その魔獣から漂っていた魔力が一瞬で消滅した。
「さあ、次はてめえらの番だ!」
颯太は赤色に染まった拳を他の魔獣たちに見せると、魔獣たちは大声でわめきながら逃げ出した。
しかしそれをリーナが許さず、
「あんたたちを逃がすわけないでしょ! ‶雷槍の流星群〟‼‼‼」
と上空に無数の雷でできたや槍を生成させて魔獣たちに雷槍の雨を降らせた。
ズドドドドドド-----ン‼‼‼‼‼‼‼‼‼
平均危険度12か13ぐらいの魔獣の群れは雷槍の雨に打たれて全滅した。
リーナが‶魔導神装〟を解除したら、リーナの視界には口を開けて唖然としている颯太が映った。
「どうしたの? 口を開けて」
「あ、いや……お前いつの間にあんなに強くなっていたんだ?」
「そうだな……魔獣界の魔獣と戦っているうちに自然に強くなっていたんだよ。それに私、今校内ランキング第4位だし」
(自然と強くなっていただと!? そんなレベルの話じゃないだろ! 最初出会ったときよりも魔力が倍になっているじゃないか!)
颯太はパワーアップしたリーナを見て驚きと同時にもっと強くなるのではないかという期待を寄せた。




