何を作ろう?
カインとウェインは、ミルクを2Lx2本を追加で貰い宿屋に戻る事にした。ミルクの容器はカインが【クリエイトクレイ】と【アースプレス】で作成した。一応トニー達には、サンローゼ領街に来ないかと打診はしている。ただ、カインには決定権が無いため明日責任者と一緒に来ると言って帰って来た。
「カイン様本当にそのミルク? でしたか?そんなに凄い食材なのですか?」
ウェインにはあの不思議な白い飲み物が、すごい可能性を持った食材とは思えなかった。
「そうだね、どう説明すれば伝わるかな?うーん、美味しいお菓子があのミルクがあれば10数種類増えると言えば伝わる?」
「えっ、お菓子が10数種類増えるのですか! ぜひあの二人をサンローゼ領街に連れて行きましょう。お菓子が増えれば…ふっふっふ」
ウェインは妄想の世界に入ってしまった様だ。
「ウェイン、僕の護衛なんだから戻って来てほしいんだけど?」
「はっ、申し訳ございません。カイン様、何卒お菓子を作られたときは私にも食べる機会を頂けませんでしょうか?」
「うん、いいけど。ウェインが食べたいんじゃないでしょう? いいよ、いいよ全部言わなくても」
意味深な笑みを浮かべながら、了承をした。
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宿屋に戻ると丁度夕食の時間だった。食事はリディア達の部屋に用意されていた。今夜の夕食はパンとスープと鶏肉の塩焼きの様だった。結構色々あるなぁとカインは用意されていた食事を見ながら座った。
そして、食事が始まる。
「カイン、村の散策はどうだった?何か面白い物があったかしら?」
リディアが鶏肉を小さく切り分けながら今日の散策の成果を聞いて来た。
「はい、雑貨屋にいって面白い物を見つけました。あとは、カウカウブルのミルクを手に入れました」
「カイン、それはどんな食べ物なの?」
「アリス姉さま、何で食べ物って分かったんですか?すごいですね」
「だって、最近カインは美味しい物を沢山作ってくれるから。カンよ、カン」
「それで、どんな食べ物なの?」
リディアも興味津々で尋ねてくる。
「はい、一つはバニラビーンズで香辛料の一種ですね。もう一つはミルクです。これがあれば新しいお菓子や料理が沢山作れますよ」
「「なんですって!! 新しいお菓子ですって!!!」」
二人の声がハモり、食事中だというのに身を乗り出して聞き返して来た。
「は、はい。落ち着いてください、食事中です。それでリディア母さまにお願いがあります。屋敷でカウカウブルの...」
「いいわよ。許可するわ」
「えっ、最後まで説明できてないのですが?」
「大丈夫、新しいお菓子の為であれば多少は目を瞑ります。それに新しいお菓子や料理があれば、より領内に活気が増えて豊かになりますからね」
何故か、うっとりした目でリディアが許可を出した理由を言った。
「それであれば、ありがとうございます。明日の出発前に食材を提供してくれる、2人に会っていただけますでしょうか?お願いします」
リディアは「もちろんよ」と快諾してくれた。
「それでは、食事後に試食をしていただくので楽しみにしておいてください」
「「楽しみにしているわ」」
カイン、アリス、リディアは笑顔で食事を続けた。
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「さてと、ミルクを使って何か簡単に出来る物はっと」
カインは宿屋の厨房にある材料を見て呟いた。リディアの熱い交渉により宿屋の厨房の使用許可を貰っていた。まだ、厨房には野菜や肉といった食材が並んでいた。
「よし、あれにしよう。これと、これと、後はこれかな? ララ、馬車からお砂糖を少し持ってきてもらえる?」
カインは、小麦粉と玉子、そしてリンゴを食材から選び一緒に厨房に来ていたララに砂糖を持ってきてもらうようにお願いした。
カインは、小麦粉と玉子(浄化済み)とミルクをかきまぜる。そこにララが持ってきた砂糖を入れてクレープの生地を完成させた。クレープを焼くのは、ララに説明をして作ってもらう。リンゴは皮を剥き芯を取り薄切りにして、フライパンで砂糖を少し加え焼きリンゴを作る。最後に皿に焼いたクレープの生地をのせて焼きリンゴを挟み”焼きリンゴのクレープ”の完成。
「お待たせしました、ミルクを使った新しいお菓子です、多分。”クレープ”と言います。知ってますか?」
最後は何やら変な口調になりながら、クレープをリディアとアリスの前に並べた。ちなみにリディアとアリス以外は事前に試食済み。かなりの好評だった。
「そして、こちらが香茶にミルクを入れてみました。あとは、ミルクを温めてハチミツを入れた物です。お召し上がりください」
カインの説明が終わると、2人はすぐに食べ始めた。
「「ううん!! 美味しい!!」」
目を見開いて美味しさを表現してくれた。「良かった、良かった」とカインも笑顔で返す。
2人共凄いスピードで食べてしまったので、あっという間に食べ終わってしまった。
「カイン、凄くおいしかったわ。それに、ミルクを入れた香茶もとても美味しいわ」
「私は、この温かい方が甘くて好き」
リディアもアリスもすごく喜んでくれた。
「「絶対に、このミルクを提供してくれる人物を離さないようにしなくては!」」
リディアとアリスは力強くうなずきながら宣言をした。
「ありがとうございます、よろしくお願いいたします」
一安心したカインだった。
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