ステータス4
「なぜ、私が落ち込むんですか?」
道雄は、不思議に思い質問した。
ルークは、カインの目を真っ直ぐ見て話し出す。
「我が家を含め、貴族社会では”洗礼の儀”で授かった【スキル】によりほぼ将来が決まる。戦闘系の【スキル】を授かった者は、騎士学院に入学し王国や領家の騎士団に入る。魔法系(戦闘系)【スキル】を授かった者は、魔法士学院に入学しこちらも王国や領家の騎士団に入る。その他の政治系【スキル】を授かった者は、王立学院に入学し王国や領家の文官になるのが一般的だ」
道雄は、「ふ~ん」てな感じで話を聞いている。
「それ以外の者は、家を出て自分で仕事を探す。ほとんどが冒険者になると言うが大成する者は少数だ」
ルークは、辛そうにカインを見つめる。
「カイン、お前は4男であり家を継ぐ事は無い。騎士団や文官になれそうな【スキル】も授からなかった。でも、私はお前を見捨てない。成人の15歳まで色々な事を学び有用な【スキル】を身に付けるのだ」
リディアは、カインの将来を想像し涙を流していた。
『ええっ?そんなにハズレ【スキル】でもないと思うんだけど?』
道雄は、困ったなと思いながら少し考え。
「父さま、カインは大丈夫です。【土魔法】だって極めれば色々な事が出来ると思います。ダメだったら【土魔法】を使って畑を作ればいいし。それにリノール母さまから貰った【回復魔法】を極めれば領民を癒す事もできます。だから大丈夫です」
ルークとリディアは、吃驚しながらカインを見つめた。
「なので、お願いがあります。【土魔法】を使うためには【魔力操作】スキルが必要なので【魔力操作】スキルを覚えたいのですが、覚える方法を知っていたら教えてほしいです。それか、家の図書室に入る許可を貰えますか?自分で調べてみます」
そう言って、カインはにっこりと笑い2人を見つめた。
固まっていたルークが再起動し
「そっ、そうだな。【土魔法】だってまだ可能性が残っているかもしれないし。よしベンジャミンに手紙を書いて今度の休みには、家に帰ってくるように言おう。ベンジャミンなら【魔力操作】スキルの取得方法を知っていると思われるし。【魔法陣魔法】スキルについても、魔法士学院で調べて貰おう」
「そうです、親の私達があきらめちゃダメね。一緒に頑張りましょう、カイン」
リディアは、カインを抱きしめて言った。
ベンジャミンとは、2男の事で現在14歳で魔法士学院に通っている。確か【火魔法】と【氷魔法】を授かっていたと”洗礼の儀”に向かう馬車の中でアリス姉さんが教えてくれたっけ。
せっかくの2回目の人生で【魔法】が使える世界なのだから、色々可能性を試してみなくちゃ。
まだ5歳。この世界基準で50年もあるんだから楽しもう‼
一人決意表明をする、道雄であった。
目覚め編 終了です。次回からは、スキルを覚えて色々始めます。引き続きお願いします。




