表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/610

砦を作ろう

構成がまとまらず、一日開いての更新になります。お読み頂ければ幸いです。

翌日の朝食後、予定通り関係者がサンローゼ家の会議室に集められ、砦の作成について話し合いが始まった。カインが作成した模型に一同驚き、また有用性及び活用について話が脱線する場面もあった。ルークの、まずは”砦”から考えるとの指示の元色々な意見が交わされていた。


「ベンジャミン、カインの魔法で出来る事と出来ない事を知りたい。分かる範囲で説明を」

ルークがあれこれと”砦”の形や高さなどの意見を交わしている中でベンジャミンに説明を指示した。


「はい、今現在カインは、土壁と石壁を【土魔法】で作成が出来ます。大きさなどは、指定することで作成出来ます。ただし、確認出来ていませんが他の【魔法】のウォール系と同じで指定された地面の上に作成されるので、高い壁を1度に作成する場合は地面を掘り下げないと倒れる可能性があると考えています」


ベンジャミンはカインの【魔力】から何十mの高さであっても、土壁や石壁が作成が可能だと考えていたが、基礎が無いため高く作ると倒れると予測していた。


「それでは、地面を掘る所から始める必要があるのだな。どのくらいの幅で、そしてどのくらいの深さを掘る必要があると考えているんだ?ベンジャミン」


「私の見積もりですと、12mの高さの壁を考えているので3mあれば安心かと。それもカインが【土魔法】で行いますので大丈夫ですよ」


「「「えっ」」」一同がカインを見る。カインは小さく頷く。


「カイン様がいれば、わし達の仕事がなくなってしまうな、はっはっは」

石工ギルドのギルド長がそんな発言をする。


「ギルド長、そんなにはうまく行かないのです。事前確認では出現させた土壁や石壁を起点に再度出現させても、ブロックのように積まれるだけで固定は出来ないし融合する事も現時点は出来ないのです。だから、カインの作る砦や城壁作りにはギルド長達の力と技術が必要なのです」

ベンジャミンは、【魔法】が万能ではなく人間の技術が無いと完成しない事を説明した。


「そこまで期待されちゃ、石工ギルド総出でがんばりますぞ!」

石工ギルドのギルド長は少し嬉しそうだった。


「ベンジャミン様、基礎も石壁もカイン様の【土魔法】で作るとして何枚くらいの石壁で構成されるのですか?アーサー様のご提案では、石壁と石壁の間に砂の層を作って衝撃に強い城壁を作る案もあるとお聞きしたのですが、どの様にするのですか?」

整備局の局長がベンジャミンに質問してきた。


「それも、事前にカインと実験をしました。次の順番で作成を考えています、石壁+土壁+石壁で作成後、【サンド】の魔法で土壁を砂に変化させます。ただし、欠点があって先ほども説明したようにカインの【土魔法】では、出現させた土壁や石壁を融合出来ないので隙間が出来てしまいます。それを人間の手で埋める事を考えたのですが…


 それでも、雨水などが砂の層に溜まる事が予測されます。最悪水の影響で砂が流れ出し倒壊するおそれがあると考えています。アーサー兄様の案は画期的なのですが、現状かなり難しいかと」

ベンジャミンが少しすまなそうにアーサーを見る。


「石工ギルド長、実際はどうなのだ?技術的には無理なのか?」

ルークがフォローするようにギルド長に確認する。


「そうですなぁ、通常城壁は石を積んで粘土などで積み固める物ですので。アーサー様の案で施工する事は容易だと思います。もちろん多数の人力が必要ですが。ただ、カイン様の【土魔法】で作成する今回には向かないと判断します」

一同が少し暗い表情になる。


「我が領の技術者は、優秀ですね父様。短時間にこんなに意見が出てくるとは王都でも無いのではないですか?」

アーサーは自分の意見に固執するのではなく、自領の技術者を讃える懐の深さを見せた。そんなアーサーをみてカインは”かっこいい”と考えていた。


「そうだな、我が領の技術者は大きな声では叫べないが、王都の技術者より数倍も高い技術と強い気持ちを持っていると常日頃感じているぞ!!」

ルークがアーサーに続き、技術者たちを讃えると技術者達は静かに頭を下げた。


「それでは、砦の壁は幅6m、高さ12mの1枚の石壁としたいのですが、やはり壁のつなぎ目の問題が残ります。壁と壁の隙間は、0~10㎜位なのですが高さが12mなので意外に目立ちますし強度的に不安が残ります。何かその隙間を埋める案はないでしょうか」

ベンジャミンの言葉に一同”うーん”と悩んでしまった。


「ねぇねぇ、カイン。どうせなら全部1枚の石壁で作れないの?この模型みたいに?」

クリスが模型を見ながら、斜め上から攻めてきた。一同が”そうか”と言う表情でカインを見る。


「うーん、どうでしょう?イメージは出来るので出来そうですが…そうすると見張りの塔や狭間などは作れませんがどうします?」


「いえいえ、カイン様。そこまで作っていただければ、後は人の手でレンガでも石でも積んで作ります」

石工ギルド長がカインの疑問に答えた。


基礎の構想が固まると後は早く、内側の階段や門の高さや幅、門の素材、見張り塔の作り方など会議室に集まった専門家が次々と意見を出し合い、変更、修正を加えて最後にカインの模型で確認した。

そこには、かなり立派な砦が出来ており全員が満足な表情をしていた。


『さあ、実際に作ってみよう!』

カインは、模型を見ながらワクワクしていた。

いつも温かいご感想ありがとうございます。返信に少々お時間がかかっており申し訳ございません。少しずつ返信を行わせていただきますのでご了承お願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ