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はじめての戦闘4

「カイン大丈夫かい?」

右側から誰かが声を掛けてきた。


「うわぁーーー「ストーンバレット」」


「馬鹿野郎!あぶねぇじゃないか!」

声の主は、カインをひっぱたいた。


「えっ? クリス兄さま?」

そこには、土埃や魔物の体液にまみれたクリスが傍にいた。


「もう、初陣だから仕方がないけど兄に向かって【魔法】はないだろうに! 落ち着いたか?」

クリスがカインの頭を撫でていた。しかし、その腕からは血が流れていた。


「クリス兄さま、怪我を、怪我をされたのですか?」


「攻撃を受け損ねてね。このくらい止血をしておけば大丈夫」


「大丈夫じゃないです、今治します「・・・ヒール」 傷は塞がりました?」


「おっ、カインは【回復魔法】が使えるんだったね、まだMP持ちそうかな? そうだ、ウェイン隊長怪我人を集めてください」


それから、3番隊の怪我人を【回復魔法】で癒した。重症の隊員3名の一命は取り止められたが、戦闘には戻せそうになかった。ウェイン隊長は、2名を護衛に付けて後衛部隊に戻した。


「これからどうしますか?ウェイン隊長。もう戦場は乱戦となっていて、騎馬での突撃は味方を巻き込みます。我らも別隊と同じで上位種を探しに行きましょう」


「待て、アーサー殿。一度アーガイル騎士団長に合流し態勢を立て直す。それにベンジャミン殿の【魔力】の回復が必要だ。全員騎乗、戻るぞ」


ウェイン隊は、アーガイル騎士団長の所に向かった。戦場は味方とゴブリン達が乱戦を繰り返しているが、訓練の成果が出ているようで騎士団が押していた。ただ、一部の隊がオークと戦いを始めていた。


「団長、ウェイン隊戻りました。指示をお願いします」


「良く戻った、被害は?」

アーガイル騎士団長へ戦果と状況をウェイン隊長が報告している。アーガイル騎士団長の本陣には、まだ魔物達が迫っていない為、戦闘が開始されていないが負傷兵が運ばれてきており、手当をされていた。


「ベン兄さま、ベルトを外してください。あの人達に【回復魔法】を掛けさせてください」

20人程の負傷で手当てを受けている、兵士達を見つめてベンジャミンに懇願する。


「分かった、私も行こう。しかしまだ【魔力】は大丈夫なのか?」

カインの状態を見極めようと真剣な目で見つめるベンジャミンだった。


「大丈夫です、【魔力】はまだまだ、大量にあります」

カインも同じく真剣な目で見つめ返しながら答えた。


「よし、行こう」

カインとベンジャミンは、負傷兵の所へ走って行く。負傷兵たちは、止血や傷薬などを怪我の手当てをしていた。中にはかなり重症な兵士達もいるが回復が間に合っていないようであった。


「時間が無いので、まとめていきます」

カインは、”循環”を何時もの2倍の【魔力】の塊で行い、次々と【エリアヒール】を掛けていった。【エリアヒール】が掛かると負傷兵達の傷が回復していき、立ち上がれるまでに回復していった。


「ふう、何とか間に合った、他に怪我している人はいないですか。【回復魔法】を掛けるので僕の周りに集まってください!」

カインが呼びかけると、少し離れて休んでいた負傷兵や仲間に背負われながら他の負傷兵も集まってきた。カインが休みなく【回復魔法】を使った事により命の危険がある負傷兵はいなくなった。


「カイン大丈夫かい? 無理はしない。そろそろ兄上達の所へ戻るよ」

カインは、「はい」と返事をしてベンジャミンに付いてアーサー達の所に戻った。カインはリノールからのメッセージを思い出していた。『カインもこの【回復魔法】を使って他の人を救ってあげてね』


アーサー達の所に戻ると作戦会議を終えてカイン達を待っていた。

「負傷兵の回復感謝する、カイン殿。これから隊を再編しオーク共の殲滅を開始する。転進のラッパを鳴らせ」


アーガイル騎士団長の指示により転進のラッパが鳴らされて、騎士団が戻ってくる。騎士団の転進を弓隊が援護をし集合が出来た。


「いいか、これからが本番だ!あのオーク共を殲滅せよ! 上位種は必ず小隊単位で当たれ! 突撃!!」

アーガイル騎士団長の再度の”突撃”の掛け声と共に騎士団が再度”突撃”を開始した。


カイン達は、アーサー、クリス、ベンジャミンと3番隊から2名の兵士と小隊を組み”突撃”を行う。初手はベンジャミンとカインの【攻撃魔法】で先制しアーサーとクリスが切り込む。そのフォローを2名の兵士が行い次々とオークを倒していった。


アーサー達で10数体のオークを倒した時に、中央の戦場で叫び声が上がった。

「オークナイトがいる、一般兵は下がれ!! 各隊長、副隊長だけ戦闘に参加しろ!」


”ブウォー”とカイン達の前方から咆哮を上げて近付いてくる、黒い体表の一回り大きなオークが向かって来ていた。3番隊の兵士から「なんでオークナイトが複数いるんだ!」と声が上がった。


そうしている間に、オークナイトがクリスに近付き手に持っていた剣で攻撃をする。クリスは何とか盾で受け止めるが、攻撃が重いのか体勢を崩してしまう。次の攻撃をオークナイトが開始する寸前に、アーサーが槍で攻撃を加えた。オークナイトは、クリスへの攻撃を止めてアーサーの槍の攻撃を避けた。


『やばい、あの黒いオークは、素人の俺でもやばい感じがする。さっきから首筋が”ゾクゾク”しっぱなしだ。アーサーとクリスだけじゃ倒せない』

カインは、目の前で起こっている戦闘をみて立ちすくんでしまう。”ドカッ” 横から衝撃を受けた。


「カインしっかりしろ、【魔法】で援護をするんだ」

ベンジャミンが”激”を飛ばして来た。

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