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はじめての戦闘2

え、俺も戦場に出ていいの?


「ベンジャミン、待ちなさい。なぜカインが戦場に出なければならないの!」

リディアが少しパニックになりながらベンジャミンを問いただす。


「母様、説明しますのでこちらに。ランドルフすまない、カインに鎧をつけてあげてくれる?」


「畏まりました。さあ、カイン坊ちゃん時間がありません。急ぎますよ」

ランドルフは、カインを抱えて会議を出て行った。


---

「母様、まず落ち着いて下さい。これは、父様から依頼されていた事なのです」

ベンジャミンがリディアをなだめながら説明をする。


「お気付きかと思いますが、カインは”洗礼の儀”の後から少し変わった様に思います。何かしらの【スキル】のせいか?知識が増えたせいか?かなり大人びています」


リディアも思い当たるのか黙って話を聞いている。


「その反面、自分の事を俯瞰し見ている様に感じます。だから、【魔法】を暴発させても【魔法】を習おうとするのです。普通10歳にも満たない子供が、いくら好奇心があっても両手にポーションを使わなければ治らない程の怪我をして、痛みを感じたら【魔法】から遠ざかります」


ベンジャミンはその様な学院生を何人も知っていると付け加えた。


「なので、父様は私達の滞在中にカインに”命の危険”を体験させて、自分を守る事を教えて欲しいと言われました。


父様では、甘やかしてしまい無理だとも」


「でも、なぜ今なのです。危険すぎます」


「危険すぎるからこそです。戦いに参加させず終わったら、何も感じず"このくらい大した事ない"と考えてしまうのです。私達の誰かが死んだりしない限り」


リディアが息を飲む。


「安心してください。私達3人は大丈夫です。それにカインもしっかり守って見せます。ただし、ギリギリまでの危険を体験させますので、帰って来たら優しくして上げて下さい」

ベンジャミンは、"パチリ"とウィンクをした。


リディアは覚悟を決めたのか、いつものリディアに戻り、静かに礼をしながら

「全員無事に帰って来るのですよ、ご武運を」

とベンジャミンを見送る。


---

その頃、カインはランドルフに皮鎧を着させて貰っていた。子供用なのか体にフィットしていい感じだったが、かなり臭いがした。


「ねえ、ランドルフ?これ誰のお下がり?凄く臭うよ!」


「どなたのだったでしょうか? 臭いくらいご辛抱下さい。死ぬよりましです」


「カイン、準備はいいか?」

アーサー達がフル装備で立っていた。アーサーは、フルプレートの鎧に槍を担ぎ、ベンジャミンは、皮で出来た黒いローブ、クリスはハーフプレート鎧に剣と盾を持っていた。


「良くお似合いですよ、坊ちゃん達」


「「「だから、"坊ちゃん"は止めて」」」

またもハモり場を和ませる。


「くれぐれもお気をつけて、ご武運を」


「おう」「ありがとう」「大丈夫」

3人が口ぐちに答えた。


それから、3番隊の隊長であるウェインの所に向かった。城壁の門の前に準備を整えた兵士達が集まっていた。それぞれ、装備の点検や連携を確認している。少し離れた所にウェイン隊長はいた。


「遅くなりすみません、ウェイン隊長」

アーサーが謝って頭を下げていた。


「おやめください、アーサー様」

ウェイン隊長が慌てて、止めに入る。


「軍隊において隊長は絶対です。我等はただの一兵としてお使い下さい。ただ、父の前でも言いましたが、連携が出来ませんので、殿に配置願います」

隊全体から「えっ!?」と声が上がった。


殿は、遊撃隊にとって2番目に危険で重要である。そこを志願して来るなんてと思うのは当たり前である。


「お役に立ちます故、お願い致します」

そう言うと再び頭を下げた。


「分かりました。活躍を期待しています。いや、活躍を期待している。馬は乗れるな?騎士団の馬を使うように。3番隊、騎乗して待機」

ウェインが3番隊の全員に騎乗を指示し、待機させる。


アーサー達は、騎士団の馬番の所で3頭の馬を借り受け騎乗した。カインは、まだ馬に乗れない為 ベンジャミンと一緒に乗る。カインは、落ちない様にベンジャミンとベルトで繋がれていた。


「カイン、”循環”を絶対に切らさない様に。今朝行っていた複数の【魔力】の塊を”循環”させる方法で10個くらい”循環”をさせるんだ。出来るだろ?」


また、難題をさらっと言うなと思いながらカインは、指示通りに始める。【魔力】の塊を作るのに少し苦労したが、電車をイメージしたら”循環”はスムーズに出来た。


「戦闘では、呪文が間に合わなければ、”放出”を使用して攻撃するんだ。良いね」


「はい、兄さま達が怪我されたら、カインが治しますね」


「調子に乗るな!お前の様に一度も戦いを経験していない者は、自分の身を守る事と仲間の邪魔にならない事をまず第一に考えろ。余裕があれば、私の指示通りに動く様に! 返事は!」


「はい!」

『そんなに怒鳴らなくても、魔物って言ってもゴブリンやオークくらいでしょう? 漸くレベルが上げられるね』








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