辺境拍が来たぁ~4
「いやー、今夜の料理はどれも素晴らしかった。特にあの甘いオムレツは最高じゃった。アイシャにも食べさせてやりたかった」
満足げな表情の後に、残念そうな顔をした。
「そんなに満足していただいたなら、本日の”レシピ”をお渡しいたします。ぜひアイシャ様と召し上がってください」
ルークが事前決定していた”レシピ”の事を言うと、シールズ辺境伯が少し驚きながらも満面の笑みで感謝していた。
「それでは、先ほどの続きをご説明させていただきます」
ルークが少し和らいだ場を察し、話を始める。
「先ほどもご説明させて頂きました様に、”石畳”はカインが【土魔法】で施工したものです。大体、サンローゼ家の”本通り”の施工で1月半の時間がかかっています。施工時に通りの通行を止めなければならないので時間がかかります。一時的にでも長い時間通行が止める事が出来れば時間の短縮は可能になります。
また、施工前に先ほどご覧いただいた模型が必要です。大きな理由は……」
ルークは、”石畳”化のメリットとデメリットを説明し排水処理の施設も説明をした。
「そうなると、数か月はカイン達には我が領に滞在が必要だが良いか?」
シールズ辺境伯がカインをみて聞いてくる。
「大丈夫ですわ、お父様。その際は私も同行しますしね」
シールズ辺境伯の心配事を解消するように言った。
「そうか、それなら安心だな。色々調整が必要だから年が明けてからで頼む。それ以外の条件は文官達と協議が必要じゃから、結果は我が領に来てから話す。しかしじゃ、説明の為に実際の施工の方法を視察したいのだが、可能かの?」
「はい、明日になりますがバザールの広場を”石畳”化致しますので、それを視察して頂ければと思います」
ルークが想定要求に対しても淀みなく回答をした。
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バザールの広場は、朝から市も開かれていないのに賑わっていた。理由は、カインが”石畳”化する事が知らされていたためだ。”本通り”施工を見られなかった者もそうでない者も集まっているようで、市が開かれているような賑わいになっていた。
兵士達が見学人を整理したが、広場から全員を出す事が出来ず、結果的に半分ずつ行う変更を余儀なくされてしまった。【魔法】を半分ずつかければいいのだが、デザインがずれないようにするためにイメージを固める為、模型で練習を3回程行ってから実施する事になった。
バザールの中央部分に、シールズ辺境伯とサンローゼ家とカインが集まり、実施の内容を再度説明後カインが呪文の詠唱を始めた。そして力ある言葉と共に両手を地に付けると地面が発光しデザイン通りに”石畳”化していく。
見学人からは、歓声が上がり拍手が沸き起こった。その後見学人を移動させもう半分も”石畳”化する。先ほどよりも大きな歓声と拍手が沸き起こりお祭りのような賑わいになってしまった。
「これはすごい。想像の遥か上であったぞ。こんな短時間に出来上がってしまうとは。それにこの領民達の反応。これは一日でも早く行わなければ」
うんうんと頷きながらシールズ辺境伯は、満足げにつぶやいていた。
カインは、領民の反応を見てとても嬉しく、また『人の役に立てた』と達成感を感じていた。
シールズ辺境伯は、次の日に「年明けの再会を楽しみにしている」と言って帰っていった。
シールズ辺境伯が屋敷の門を過ぎて見えなくなると、サンローゼ家の緊張の糸が切れた。ルークは家人の者を労い、夕食まで休みを取る様に指示し、自身も自室にこもった。
『ルーク、お疲れ様。さすがに疲れたね。俺も夕食まで寝よう』
カインも自室に戻り夕食まで眠った。




