スキル2
※改訂しました。スキル取得時の反応を変更しました。ご指摘いただきありがとうございます。
「なんだこれ?」
道雄は、表示されたスキルに愕然とした。
表示されたスキル名は、
・土魔法
・魔力量無限
・魔法陣魔法
異世界転生すると、無限アイテムボックスとか、全属性魔法とか、錬金術とかで無双がテンプレなんじゃ。戦闘系でもなく、攻撃魔法系でもなく、生産系でもなく、これはちょっと苦労しそうだ。【魔力量無限】があるし工夫すればなんとかなるかな。
「幸運値があまり高くなかったようですね」
女神様もたらりと汗を流している。おもむろに女神様は手を叩くと
「このままでは、心配なので私の加護(小)を授けます。大地の女神なので土魔法に補正もかかりますしね。ああっ、そろそろ戻らないと」
女神様は急に慌て始めると、道雄を立たせ額に2本指で触ると指から力が流れ込んできた。
「これで良しとっ」女神様のタブレットの下に”ガーディアの加護(小)”と追加されていた。
「加護を授けましたので、頻繁には難しいですが教会で祈りを捧げてもらえばあなたのことを見つけられます。たまには近況の報告とかしてくださいね。 これからの人生が幸多からん事を」
女神様が言うと、辺りが暗くなり落ちる感覚があった。
「おおっ、スキルが3つも!!」
女司教様の声が聞こえた。道雄が目を開けるとそこは、元の教会の中だった。
そして、女司教様はある文字を見つけ声を失うのであった。
「カインは、どんなスキルを授かったのでしょうか?」
ルークが女司教様に静かに尋ねる。女司教様は、カインを見て頷き一つずつ読み上げた。
1.土魔法
2.魔法陣魔法
3.回復魔法(継承)
「そ、そうか、リノールがカインに回復魔法を継承させたのか」
少し涙ぐむルーク。
道雄はそれを聞いて「あれ?」と思った。魔力量無限のスキルはどこへ?
カインが首を傾げている姿を見ながら、女司教様は「それと」と続け
「女神ガーディア様の加護(小)を授かっています」
「どういうことですか?通常は教会に所属しないと加護は授からないと言われていたはず!!」
ルークは、慌てて顔を上げ女司教様を問いただす。
「お静かに願います、スキルの継承もかなり”レア”ケースです。もしかしたらそれに関連があるのかもしれません。しかし...」
女司教様は、考え込みながら深いため息をつく。
道雄は、???と思いながら、ルークと女司教様を交互に見た。
ルークは少し考え、静かな声で
「本件は、カインが成人するまで私に預からせていただけないでしょうか」
「分かりました、カイン様が成人されるまでこの事は黙っておきます。その代わり・・・」
「分かっております、必要な分の援助をお約束します。こちらも保証として契約の儀を行っていただきたいのですが」
ふうっと一息ついて、女司教様は「分かりました」と言った。
その後、中央に『カインに女神ガーディアの加護がある事をカインが成人するまで他言しない事』を明記した羊皮紙を置き、ルーク、カイン、女司教様で手を繋ぎ輪になる。女司教様が何かを唱えると羊皮紙が光り丸くなり閉じられる。同時に光が3人の体に入っていった。
「カイン、先ほども言ったように女神ガーディア様の加護を授かった事は成人するまで他言無用だ。お前はまだ幼いため、話そうとすると頭痛がするようにしてもらったから気を付ける様に」
ルークは、カインの両肩を捕まえ、まっすぐ目を見ながら言ってきた。
道雄は、『大丈夫ですよ』と思いながら魔力量無限のスキルがある事を女司教様が言わなかった事を気にしていた。ルークは、羊皮紙を女司教様から受け取りカインを連れてドアを開けた。
道雄は、すぐに「ステータス・オープン」と唱えた。
「これは?」




