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道を作ろう7

「よし、成功!」

カインの前には、土で出来たサンローゼの領街が先程広げた地図と同じ大きさで再現されていた。


それを見た他の3人は、びっくりし過ぎて固まっていた。


「やっぱり、今日見て回った所以外は、想像で作ったからイマイチだね。今度、ゆっくり見て回って正確に作りたいなぁ」

カインの独り言に、ランドルフは目眩を覚えていた。地図があるとは言え、ほとんど街に出た事の無いカインが街を再現していた。


便利とかの話では無く、他家や王家に知れたら大問題である。何せ地図と、街を数時間見て回ったら、街攻めの戦略を検討出来る立体模型を作り上げてしまったのだから。


「次は、会議室に運べる大きさにするね」

3人の返答を待たずに、呪文を唱え始め気付いた時には、先程の約半分の模型が隣に出来上がっていた。


「ガーディ、ランドルフ。これを会議室に運んでもらえるかな? そこの板に乗せてそっとね」

カインに話しかけられて、漸く再起動した2人は無言で出来上がった立体模型を運ぶのであった。ノエルはみんなが居なくなって暫くして、気付いたらしく地図を抱えて会議室に遅れて入ってきた。


4人で改めて街の立体模型を眺める。カインが皆の意見を聞きながら所々【魔法】で修正をしていく。

「こう見ると、”本通り”は、城門に向かって緩やかに下っているんだね、これなら側溝を作れば水が溜まらなくなっていいね」


「カイン様、側溝とは何ですか?」

ガーディが初めて聞く言葉に反応して質問をしてくる。


「側溝はね、道の端に作る溝で、道に降った雨などを溝に流して水溜まりを作らないようにするんだ」

説明しながら、カインは【魔法】を使って側溝を作っていく。


「カイン様、側溝に流れた水はどうするんですか?」

今度は、ノエルが質問をしてきた。


「普通は、下水道に流して処理するんだけど、下水道が無いから農耕地に溜池を作って貯める? でも何を流されるか分からないからな。ノエル、今は街の排水処理はどうしているの?」

カインは、街に漂う臭いを思い出していた。


「下水道がどう言う物か、とても気になりますが。現状街の排水はその辺に流していると思います」


『なんだ、その不衛生な処理方法は。良くそれで伝染病とか蔓延しないものだ』

カインは、頭を抱えた。


「もう少し大きな街だと、城壁外へ排出して溜池に貯めて、スライム処理でしょうか?」


『何そのファンタジーな処理方法。そもそも、スライムはどこからか捕まえてくるの?』

カイン以外は、「うんうん」とうなずきながらノエルの説明を聞いていた。


「スライムは、ゴミや汚れた水を見つけるとどこからともなく集まってきて、汚れをきれいにしてくれるんです。汚れというよりは、水以外を取り込んで溶かすが正しいですね」

ノエルがドヤ顔で説明してくる。


カインは、あまり納得できてないが半分諦めて

「ランドルフ、城壁外へ通じる穴とか開けてもいいかな?城壁内にスライムを引き込む事は出来ないし。駄目かな?」


「どの様に作るかによりますね。防衛に影響が出なければ可能だと思いますが…何せ前例がありませんからね」

珍しくランドルフが考え込んでいた。


「ノエル、溜池は城壁からどのくらい離れて作れば安全?1㎞くらいかな?少し近い?」


「そんなに離さなくても大丈夫です、スライム自体弱い魔物ですし下級冒険者が退治してたりするので」


『ますます、そのファンタジーな感覚が理解できないけど。あまり考えない様にしよう。処理方法に目途が立ったし良いか』

カインは、深く考えるのをやめた。












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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公には一目見ただけで街の構造を正確に記憶出来る超記憶力があると思っていいのかな?
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