新しい一歩
リノールからのメッセージを受け取ったカインは、”多くの人を救う”という壮大な目的の為に早速行動を開始した。と言ってもまだ6歳児。日本では小学校1年生だ。やっとランドセルを背負って、いや背負われて学校に通い始めた様な少年に、大きな事は肉体的に無理だ。道雄の記憶があるので精神的には大丈夫だが、いかんせん身体がついてこない。なのでまずは体力作りとそれぞれの【スキル】のレベルアップを行う。
~カインの1日~(時間はカインのイメージ)
・6 am : 起床
・朝ご飯まで、”循環”を行いながらランニング(約1時間)
・8 am:朝ご飯
・9 am:お昼ご飯までアリス姉さまとソフィア先生の授業を受ける。
・0 pm:昼ご飯
・2 pm:昼の食休み後 訓練場で【土魔法】と【魔力操作】の練習(約2時間)
・4 pm:書庫にて”勇者様の書”や他の本を読んで勉強 勉強しながら【魔力インク】を作製する。
・6 pm:夕食
・7 pm:湯あみ
・8 pm:就寝
※【回復魔法】は、1日20回を目標に使用する。
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これを実施して3か月後 【土魔法】と【回復魔法】と【魔力操作】のレベルが上がった。
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名前:カイン=サンローゼ
年齢: 6
レベル: 2
称号:なし(地球からの転生者 土田 道雄)
中略
スキル:up【土魔法:3】、【魔法陣魔法:1】、up【回復魔法:2】、【魔力量無限:-】up【魔力操作:3】
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早速、【土魔法】は何が使えるようになったのか確認する。
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【土魔法】
・Lv.3;サンド 〈縦1mx横1mx深さ50㎝の範囲の地面を砂に変化させる〉 MP:20
マッド 〈縦1mx横1mx深さ50㎝の範囲の地面を泥に変化させる〉 MP:20
ドライ 〈縦30㎝x横30㎝x深さ30㎝の範囲の土、泥、砂から水分を10%蒸発させる〉MP:30
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「これは、どう使う? 少し考えないとな。【回復魔法】も見てみよう」
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【回復魔法】
・Lv.2;エリアヒール 〈直径3mの範囲 生物を小回復、怪我や傷を癒す。欠損部や失った
血液は回復できない〉MP:30
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「1つだけか。でも範囲回復はいいね。一度に沢山の人を回復させることが出来るからな。【土魔法】も【回復魔法】まだ低レベルだからこんなものか」
ちょっとがっかりなカインだった。レベルが上がればもっとゲームの様に役に立つ【魔法】が使えると考えていたからだ。
「さて、書庫に行く前に”サツマ”の畑でも見てこようかな。そろそろ苗が大分育った頃だろうし」
カインは、菜園の方に向かった。菜園では、ガーディが雑草を抜いていた。
「ガーディ! お疲れ様”サツマ”の様子はどう?」
「カイン様、私が植えた畑も順調ですし、それにカイン様の畑はもっとすごいですよ」
そう言って、カインの”サツマ”畑を指さす。指さす方向の畑には、畝に沿って苗が青々とした葉を沢山生やしていた。
「あの畝と苗から植えた”サツマ”は凄いですね。ほぼ全部が根を張った様です。こちらの畑も何時もよりは、根付きがいいですがカイン様の畑には及びません」
ガーディが感心していた。
「来年は、こっちの畑の”サツマ”も苗からにしてみるともっと凄い事になりそうだね」
畑いっぱいの鈴生りの”サツマ”を思い浮かべて思わず笑顔になる。
「楽しみですね」
ガーディも笑う。
「さてとカイン様。私は屋敷の方に戻りますがいかがしますか?もう少し畑の様子を見ますか?」
「ううん、一緒に帰るよ」
カインとガーディは、屋敷の方へ戻る。屋敷の正面玄関に近づくとガーディの表情が曇る。屋敷の門から玄関まで続いている道が泥だらけでところどころに”水たまり”が出来ていた。
「あー、昨日の雨のせいで道が泥だらけだ。少し砂を入れないと旦那様が帰ってこられる時に轍が出来て馬車が進まなくなってしまうかもだな。 カイン様申し訳ございません、ちょっと裏に戻って砂を持ってきますので、お一人でお戻りいただけますか?」
「うん、わかった・・・あっ、ちょっと待って」
カインは、覚えたばかりの【魔法】を思い出していた。




