土魔法を使おう4
カインが目覚めると、夕日が窓の隙間から差し込む時間だった。
「うーん、良く寝た。なんかいつもより”魔力”を感じるな?」
自身から漏れてきそうなほどの量の”魔力”を感じていた。
ステータスボードでMPを確認すると2100/(∞)となっていた。
「よし、全回復しているな。今まで1/100のMPしかなかったから慣れてないだけか。でもこれは、テンプレだよね。何も考えずに”魔法”を使うと暴発するやつ? ちゃんとコントロールしなくちゃ」
暗くなり始めていたが、”魔法”を試そうと庭に出た。
「あれ? まだ、さっきの”ホール”が残ってる。時間が経っても元に戻らないんだ。”ホール”って永続効果の”魔法”なんだな。気を付けないと誰かが落ちて怪我しちゃうね」
カインが、消す方法が無いか考えていると頭に”デリート”と思い浮かんだ。
『なんだろう?試すか。『デリート』』
”デリート”と考えた一呼吸後、”ホール”が消え元の地面に戻る。そして”ホール”の時に使用した2倍のMPが消費されていた。
『”魔法”の事象を”デリート”するのは、2倍のMPを使うのか。MPが多い魔法使いじゃないと使えないね』
その後、カインは暗くなって見えなくなるまで”ホール”&”デリート”を続けた。
結果、色々事が分かった。
”循環”を使う前提で
・特に何も考えずに呪文を唱えると、マンホールくらいで10㎝の深さの穴が開く。
・深さをイメージすると、イメージした深さで穴が開くがその分穴の広さが小さくなる。
・同一体積で穴が開くようだ。
・穴を開けた後、穴の底をイメージすると穴の底を起点で穴が開く。=>穴が深くなる。
・”循環”を2倍多めで行うと開けられる体積が2倍になる。
・”循環”を3倍多めで行うと開けられる体積が3倍になる。
・穴の壁面は、少し固めたくらいで強めに石とかで叩くと崩れる。
『この”ホール”俺の無限の魔力で使うと”地下室”とか簡単に作れそうだな。それよりも井戸とか簡単に掘れそうだ。【土魔法】やっぱりチートなんじゃない?』
次の日は、”ストーン”を試してみた。
「わが、いしにしたがい、けんげんせよ ”ストーン”」
ドン、と1辺 10㎝の石のブロックが現れた。”ストーン”についても色々試した。
・イメージにより1辺の長さを変える事が出来るが、体積は変わらない。
・イメージで四角以外の形をイメージしたが、四角以外にはならない。
・”循環”を使うと、1辺の長さが15㎝になった。
・”循環”を2倍多めで行うと、1辺の長さ19㎝になった。
・”循環”を3倍多めで行うと、1辺の長さ21㎝になった。
・数を増やす場合は、数を明確にイメージして呪文を唱えるか、”2つ”とか”3つ”とかを呪文の中に入れると増えた。
・土に”魔力”を流しながら唱えると、MPの消費が少なくなる。”魔力”を石に変換するより”土”を石に変換の方が”魔力”の消費が少なくなる。
『”ストーン”は、人間石製造機になった気分だ。同じ大きさの石が出せるから大量に作って石畳の道とか簡単に作れそうだな』
それから、カインは毎日午前中は”循環”の訓練、午後は【土魔法】を使う生活を6ヶ月間続けた。




