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土魔法を使おう2

カインは、ふらつく頭でこれからの事を考えていた。

『次は、どの呪文を唱えてみようかなぁ』


ベンジャミンと共に屋敷に戻り、食堂に用意されていた朝食を食べた。日本の様に新年の挨拶とかはないが、ルークとリディアから新年に毎年貰える”砂糖菓子”を貰った。(お年玉の様な物?である)MPを失った頭に栄養が回る為か、いつもより美味しく感じた。


「カインは、もう【魔法】の発動が出来るようになったのか」

ベンジャミンからの報告を聞いた、ルークが吃驚していた。


「【魔法】ってそんなに簡単に使えるものなの?ベン兄ぃ?」

それを聞いていた、アリスがベンジャミンに尋ねる。


「うーん、普通はもう少し苦労するんだけど。カインは【土魔法】と相性がいいのかもしれないね。所謂”土の属性”ってやつかな?」


「なんですか?”土の属性”って?」


「【魔法】スキルを持っている人に、稀にいるんだけど。その人の魔力が決まった属性を持つ場合があってその属性の【魔法】を使うときに発動しやすかったり、”魔力”の消費が少なかったりすることがあるんだ」

ベンジャミンは、ルークの方をチラ見する。


「ベン兄ぃは、持っているの?」


「いや、残念ながら私は持っていない。長く【魔法】を使っていると属性を持つことがあるとも言われているから検証中なんだ」


『へぇー』と思いながらカインは話を聞いていた。


---

朝食後、ベンジャミンの部屋でカインは、【魔法】について講義を受けていた。


「カイン、まず【魔法】の発動おめでとう。学院の生徒でさえ【魔法操作】が出来た直ぐ後に、【魔法】を発動出来るのは、ほとんどいない。【土魔法】であるのが本当に残念だね」

また、先ほどの言葉をベンジャミンが繰り返した。


「なぜ、【土魔法】が残念なのですか? 『そりゃ、地味目な魔法が多いと思うけど』」


「【土魔法】には、あまり攻撃的な【魔法】が少ないって言われているんだ。だから、【土魔法】使いで騎士団に入る人がいなくてね。まあ、高レベルな【土魔法】使いも少なく研究がされていないというのもあるけど」


「騎士団に入れないから、残念と言われたのですね。ほかの理由があるのか心配しました」


「あれ、カインは騎士団に興味がないのかい?」


「はい、ないです」


「そ、そんなにはっきり言わなくても。アーサー兄さんとクリスが悲しむよ」

少し、ため息をつきながらベンジャミンが言った。


「まだ、6歳だし将来は分からないか。これから訓練すれば他の【魔法】スキルも取得できるかもしれないしね。それじゃ、始めようか」

ベンジャミンは座り直し話を切り替えた。


「これから話す内容は、まだ私が研究途中の内容だからそのつもりで聞いてほしい。カインには、【魔法】の才能があるし理解力も普通の6歳児に比べて格段にあるようなので教えるね」


「私の主な研究は、”なぜ、【魔法】を発動させるには、【魔力操作】スキルが必要か”って事なんだ。体験しているから理解しているかもしれないけど。それぞれの【魔法】スキルがあれば、Lvに合わせた呪文が頭の中に浮かび上がる。だけど、呪文を唱える事が出来ても【魔力操作】スキルがないと魔力を消費するが発動しないで、最悪”暴発”をする」


カインは、自分の両手を見てうなずきながら聞いている。


「逆に【魔力操作】だけあっても、呪文を知らないので唱える事が出来なくて【魔法】として発動はできない。これは、学院にいる生徒で検証した結果だ。だけど、【魔力操作】訓練で行ったように”魔力”を放出する事は可能」


『確かに、確かに』と思いながら引き続きカインは聞いている。


「次に、呪文だけどさっきの”アイスウォール”も”ストーンバレット”も呪文的には唱えるのは難しい内容でもない。でも【魔法】スキルが無い人が聞くとただの音としてしか聞こえないらしく、また使える人が唱えている内容を、唱えてもただの言葉として聞こえるらしいんだ」


カインは、『あれ?』と思いながら最後まで話を聞く。


「その、表情だと気付いたかな? 私の結論は、【魔力操作】は、呪文を変換し【魔法】を発動させる変換機能を持ったスキルだと。なので、カインに私の考えた【魔力操作】訓練を行って通常はできない魔法の拡大を体験させたんだ」


「【魔法】は、拡大や縮小って普通出来ないんですか?」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] この説明を聞く限り魔力操作を持っているなら魔法スキルを持ってなくても呪文さえ知っていれば魔法を発動できるように聞こえるんだけどどうなんだろう?
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