Lvアップ
年越しの晩餐会の翌日は、年の始まり元旦だ。この異世界に”元旦”という言葉があるか分からないが、一年の始まりである。カインは、初日の出を見て、この世界に転生させてくれた女神ガーディア様に転生のお礼と一年の健康をお祈りした。
「初日の出も見れて、今年は良い一年になりそうだ。昨日我慢した”ステータス”の確認をしよう」
誰もいない庭で、一人ぶつぶつとつぶやきながら”ステータスボード”を確認した。
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名前:カイン=サンローゼ
年齢: 5 → 6
レベル: 1 → 2
称号:なし(地球からの転生者 土田 道雄)
HP: 5/5 → 7/7
MP: 1800/1800(∞) → 20/2100(∞)
STR:5 → 6
VIT:5 → 8
AGI:5 → 7
DEX:5 → 7
INT:60 → 65
LUC:8 → 11
スキル:【土魔法:1】、【魔法陣魔法:1】、【回復魔法:1】、【魔力量無限:-】(偽装;成人まで非表示にします ガーディア)、new【魔力操作:1】
加護:女神ガーディアの加護(小)
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『お、Lvが上がっている?もしかして、年齢が上がるとLvが上がるのか? たまたま? 後でベンジャミンに聞いてみよう』
ステータスボードを見ながら、Lvが上がり各ステータスの変化を考察する。
『しかし、相変わらずMPが壊れているな。制限が掛かっても2000オーバーはね。この魔力で”循環”をやって”放出”したら、俺もサ〇ヤ人になれるね』
ベンジャミンの”放出”を見せてくれた時の姿を自分に重ねた。
『INT以外は、大体2~3upだな。1Lv.あがるとステータスの上がりはこんなものなのかな? ステータスのカンストっていくつなんだろう?』
カインのゲーム脳が、うずく。
「カイン、おはよう。相変わらず朝が早いね」
ベンジャミンが少し上ってきた朝日を眩しそうにしながら、話しかけてきた。
「おはようございます。ベン兄さま。気持ちの良い年明けですね」
カインは、ステータスボードを見るのを中断してベンジャミンに挨拶を返した。
「んっ? カイン、腕の”魔吸器”をちょっと見せて」
ベンジャミンが何かに気付きカインの”魔吸器”を見せるように言う。
言われたままに、カインは”魔吸器”の着いている腕をベンジャミンに見せる。”魔吸器”に付いている石が、蒼色ではなく、赤色に光っていた。
「カイン、もしかしてLvが上がったかい?」
”魔吸器”を見ながらベンジャミンが確かめてくる。
「良く分かりましたね。さっき確認したらLvが上がっていました。Lvって年を取ったら上がるのですか?」
さっき考えていた質問を加えて聞いてみた。
「Lvは、年を取ったくらいじゃ上がらないよ。カインの場合【魔力操作】のスキルを取得するほどの修練を行ったから上がったんじゃないかな? ところで今のMPは、20のままかい?」
「はい、MPは20でした」
何を聞いて来るのかと思いながら答える。
「やっぱり、Lvが上がってMPが増えて”魔石”がMPを吸収できなくなったんだね。だから予定よりも早く赤く光ったんだね。一瞬壊れたかと思って吃驚したよ」
安心したようにベンジャミンが言い、”魔吸器”をカインの腕から外し何かごそごそした後、カインの腕に戻した。”魔吸器”の石はまた蒼く光った。
「これで、よし。それじゃ朝ごはん前だけど、魔法を使ってみようか」
カインが一番聞きたかった言葉をベンジャミンが言った。




