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第4話 ヘルメス・ポスティング・システム

「芥川の桃太郎は、お団子を半分しかやらなかったらしいよ。その点、ペルセウスっていいやつだよねえ、もぐもぐ」


 野原にはが差し、まさに草上そうじょうの昼食日和びよりといったところでございました。



「うんうん、美味しいね、このお団子。ところでさーー」

「あ、僕、ペルセウスです」

「うん、知ってる。あ、そうそう」

「なんです?」


「敬語、やめてくれない? 慣れてないんだよね、僕」



 旅人の神ヘルメスと出会ったペルセウス。

 二人はともに、メドゥーサ退治へと向かうはずでありましたが……。






「ところでさ、僕の届けた地図と武器、あれはどこへやっちゃったの?」

「なんのことだい、ヘルメっち?」



 物分かりの良いペルセウスは、早速フランクな口調でき返しました。


 さらに物分かりの良いヘルメスしんは、いらぬツッコミを入れずに話し続けます。


「おっかしいなあ、僕はちゃんと、君のおっさんに預けたはずなんだけど」

「僕のおっ母さんはーー」

「うん、知ってる。パパが見つけて、さらっていった」

「パパ?」


「僕のパパでもあり、君のパパでもある、最高神ゼウス」



 なんと、ダナエをさらっていった貴族というのは、ペルセウスをはらませた張本人、ゼウスだったのでした。




「なんか、もう我慢できなかったらしいよ。ヘラ女神への当てつけってのもあるかもだけど」

「冗談キツイよ、ヘルメっちー」

「でもパパはさ、ちゃんと桃の実を残していってくれたって言ってたんだけどなあ……」

「も……、桃の実だって?」

「その中にちゃんと、大事な地図と武器とをしまっておいたはずなんだけど」



 マンマミーヤア。

 なんとあのとき、ダナエが波打ち際へ残していった桃の実が、そんなに大事なものだったとは……。ペルセウス、一生の不覚です。



「どうしよう なくしちゃったよ ヘルメっち  ペルセっちもう ダメかもしれない」

「うん、だろうね」

「ええーっ」






「嘘だよ、嘘。僕は嘘が大好きなんだ。こんなこともあろうかと、あの桃にはHPSエッチピーエスをつけといたんだ」

「HPS?」



 なにやら怪しげな言葉を、ペルセウスは疑問符をつけて復唱しました。


「HPSっていうのは、ヘルメス・ポスティング・システムの略。簡単に説明するとねーー」


 ヘルメスは羽のついた帽子ぼうしを持ち上げて、なにやら怪しげな装置を取り出しました。


「この装置を使えば、桃が今どこにあるか、わかるようになってるんだ」

「へーえ……。それがーー」

「ヘルメス・ポスティング・システム」



 こうして二人、正しく言いますと、一人と一神いっしんは、大事な地図と武器とを求めて、桃探しの旅へと出かけたのでありました。






 その頃、オリュンポス山の上、鍛治の神ヘファイストスの機械工場の窓から地上を眺めていた神は……、



「違ーうっ。HPSは、開発者であるオイラの名前をとって、ヘファイストス・ポスティング・システムなんだって、何回言ったらわかるんじゃいっ」






 はい。


 度々嘘を申してごめんなさい。次回こそは、冒険の旅へ出発です。

 まあ、桃探しの旅になりますが、ね。





「あ、そうそう。前書き欄と後書き欄は占領済みだからね。あはは」

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