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陰キャ、爆誕

まず最初に、なぜこのお話を書いたのかのご説明を読んで納得した方のみ読み進めてください。


簡単に言えば、SNSで色々言われ、うるさいな出来るよと思い、思いっきり挫折したお話になります。

最後の方は何書いてるか自分でもわかんなかった。


なので普段のお話が好きな方は読まないでください。


指摘された中でできた項目としては

タイトル(長い)

あらすじ(長い)

改行(無駄にいっぱいした)

更新(言われた通り我慢して最後まで書いた)

数字(漢数字使わない)

感嘆符(これは普段のもだいぶ崩して重ねても全角にしちゃってたけど)

ですかね。

半分ぐらいは守って書けたと思います。

1番やりたかった人気のジャンルは無理だった。

(異世界転生とか書ける方は本当に尊敬する)


普段のお話は学生の頃縦書きのコピー本を作っていた時の癖でゆるくだけど縦書きルールで書いているので、それが読みにくくてどうしても指摘したい方は全作品読まなくて大丈夫です。



というわけで苦労して書き上げたので載せますが、読まないでください。



どうしても読みたい方は自己責任でお願いします。




※このお話はフィクションです。実在のアプリやコード、人物や団体などとは関係ありません。

作者はHTMLは敵だと思っています。









 昼休みの教室は、いつも通りうるさかった。

 ワイワイと談笑するグループ、スマホを囲んで笑う女子たち。

 窓際の席でひとり、俺はその喧騒をBGMのように聞き流していた。


 相沢悠真(あいざわゆうま)。高校二年生。

 趣味:ラーメン食べ歩き。

 特技:プログラミング。


 そしてーー教室内評価:地味、空気、陰キャ。


「……うるせぇな。昼くらい静かに食えねーのか、リア充どもめ」


 独り言は誰にも届かない。

 むしろ届いたら困る。

 それに、俺にはもっと大事なことがある。


「ログイン完了。サーバー応答良好。バグなし……よし」


 俺はポケットに忍ばせていた小型ノートPCをそっと閉じた。

 ついに完成したのだ。俺が密かに開発していたアプリ、その名もーー


『ウラトモ』


 正式名称は「裏でも友達になれるアプリ」。

 ……名前のセンスは突っ込むな。ちゃんとコンセプトはある。


 これは学校限定SNSで、同じ学校の人間に匿名でメッセージを送れる。

 ログインには学校メールアドレスが必要。GPSで学校外は使用不可。


 つまり、匿名かつ、学校内限定の本音投稿アプリだ。


「愚痴、告白、秘密、噂……匿名なら吐けることもあるだろ。リアルじゃ言えないこと、たくさんあるしな」


 俺自身がそうだった。


 教室では空気みたいな存在で、本音なんて誰にも言えない。

 だけどネットの中なら、俺は少しだけ自由になれる。


 “ネットでは神”なんて言葉、俺には大げさかもしれない。

 でも、そこだけは確かに“俺の居場所”だった。


「さて……まずはテスト運用、っと」


 俺は画面を操作し、唯一のテストユーザーにアカウントを発行する。


 名前:黒川凛(くろかわりん)

 口が悪いけど、俺の唯一の友人。こいつにだけは話してある。


 ピロン、とLINEの通知が来た。


 凛:おっ、きたな。じゃ、まず俺がぶっ込むわw


 数分後、アプリに最初の投稿が現れた。


 匿名さん:

「うちのクラスの飯田、髪型変えたのに誰も気づいてなくて草」


「……お前、死ぬぞ」


 投稿はクラス内で即バズった。

 昼休みの終わり頃には、数人のスマホ画面に『ウラトモ』のアイコンが表示されていた。


「これ……拡散されてんのか!?」


 まさかの事態に心拍数が跳ね上がる。

 でも、まだ落ち着いていた。


 ユーザーは学内限定。

 ログは暗号化。

 サーバーは海外経由。

 絶対にバレないよう作り込んである。


 ……はずだった。


「ねえねえ、知ってる? なんか新しいアプリでてるらしいよ~、ウラトモってやつ!」


「お前も入れた? てか、これやばくね? 誰が投稿してんのか全然わかんねーし!」


「ちょ、見て! 『白石夏音は裏ではヤンデレ疑惑』って書いてあるww」


 ……うん、もう手遅れかもしれない。



          ***



 放課後、俺は校舎裏で凛と合流した。

 こいつは校内でも有名な問題児だが、俺にとっては唯一無二の理解者だ。


「お前、アホだな」


「うるせぇ。初日でここまで拡がるとは思ってなかったんだよ」


 凛は笑いながらポテチを頬張る。


「でも、面白いもん作ったじゃん。実際みんな夢中だし。あれが本音だと思うと笑えるな」


 本音。

 そう、それがこのアプリの目的だ。 


「……でもさ、怖いよな。あれ、悪用されそうじゃね?」


「だから、通報機能も付けてある。一定数超えたら投稿削除&アカ停止。IPごとBANだ」


「お、ちゃんと考えてる~。天才陰キャかよ」


 そのとき、凛のスマホが鳴った。

 画面を見ると、そこには一つの投稿が。


 匿名さん:

「白石夏音って、見た目完璧だけど、実は誰にも本音言えないっぽいよね」


 白石夏音(しらいしなつね。俺たちのクラスのアイドル的存在。

 成績優秀、スポーツ万能、誰にでも優しい。まさに“陽キャの象徴”。


 でもこの投稿、なんだか引っかかる。

 本音を言えない? まさか……本人が投稿してる?


「……見てみるか」


 管理者権限でログを辿る。もちろん誰にも見せない。

 セキュリティの関係で内容は暗号化されてるが、IP情報や投稿傾向で“個人推測”は可能だ。


 数分の分析。そして俺は凍りついた。


「……これ、白石夏音の投稿……だ」


 彼女の端末から、複数の投稿がされていた。

 しかもどれも、明るく快活な彼女からは想像もできないような“本音”ばかりだった。


 匿名さん:

「誰かに褒められても、私の“キャラ”が褒められてるだけ」


 匿名さん:

「たまには私も、誰かの前で泣いてみたい」


 ……何だよ、これ。

 あの夏音が……こんなこと思ってたなんて。

 そして、さらに驚く投稿が目に入る。


 匿名さん:

「ウラトモの中の人、誰なんだろう。ちょっとだけ……話してみたいな」


「……っ」


 心臓が跳ねた。

 誰にも言えない。絶対に、バレちゃいけない。

 だけど、たったひとつだけ、心の奥がざわついた。


 彼女に話してみたい、と思ってしまった自分がいた。



          ***



 次の日、教室はもはや“ウラトモ”の話題一色だった。

 アプリはクラスだけでなく、学年中に拡がっていた。


「ねぇねぇ、知ってる? 白石さん、ウラトモの中の人探してるんだって!」


「マジで!? なんで? 好きな人のこと知りたいとか?」


 その噂を聞いた瞬間、俺は背筋が凍った。

 彼女にバレたら終わる。


「さては……あなたが中の人?」


 唐突に背後から声をかけられる。

 心臓が止まりかけた。

 振り向くと、そこには笑顔の白石夏音。


「……冗談、だよ?」


 そう言ってウィンクする彼女の目は、どこか探るような光を宿していた。


 俺は知ってしまった。

 彼女の“裏”を。


 彼女は知らない。

 俺が“ウラトモ”の制作者であることを。


 バレたら終わる。


 でも、知ってほしい気もする。


 俺の、裏の顔を。

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