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閑話:現在メンテナンス中

ログボはありませんが、時系列はそのままです。

 私のやっているネトゲには、毎週水曜日にメンテナンスがある。


 新クエストの実装や武器の更新というよりは、バグの修正などの文字通り『メンテナンス』が主だ。


 まぁ、今日は火曜日なんだけど。


「ログボが無い、それはつまりログインができないってことなんだけど」


 そう、ゲームならメンテナンス中はログインができない。


 でも、先輩はログボが休みでも会えると言っていた。普通に学校には行くわけだし、当然といえば当然だけども。


 会う(ログイン)キスをする(ログインボーナス)、って今まで考えていたけど、前提が違っていたらしい。いや、こっちの世界は現実だからログインも何も無いんだけど。


「先輩にはログボが無いからキスするようになったわけだけど、冷静に考えると私にもログボって無いんだよね」


 というか全人類、基本的にログボなんて無いけど生きている。


 でも、ログボのおかげで私はとても幸せだ。……いや、怪しい宗教の勧誘とか広告みたいになってる。


 そんなログボが今日は無いわけだけど、どんな顔で先輩に会えば良いんだろう。昨日の電話したこととか話せば良いのかな。


 朝は会わないだろうし、一緒にお昼ご飯を食べられたら良いな。


―――――――――――――――――――――


「本っっっ……当にごめんねぇ!!」

「あ、いえ別に……。怒ってないよ」


 昼休み。


 今日はキスしないので、私たちもたまに利用している、二年生と三年生が共同で使っている空き教室でご飯を食べている。


「大事なことは、ちゃんと話し合ってから決めるねぇ」

「そうしてもらえると助かります。勿論、私もそうしますので」

「ログインさせてもらってる身で、ボクの方からお休みとか言って……本当にごめん」

「怒ってないし、解決したから謝るの禁止。わかりました?」

「う、うん」

「フライドポテト、ください」

「どうぞぉ」


 先輩が購買で買ってきたフライドポテトを、数本つまんで口に運ぶ。やや塩味の強いコンソメ味だ。


 学祭の時に反響が大きかったらしく、普段から取り扱うようになったそうだ。私は滅多に購買に寄らないから知らなかった。


「ありがとうございます。美味しいですね」

「ついつい買っちゃうんだけど、太ったりしたら困るよねぇ」

「先輩も、太るとか気にするんですね」


 いつもいっぱい食べているし、栄養は全て胸に吸収されるから平気なんだとばかり思っていた。


 趣味のコスプレも、太ったら衣装を着れなくなりそうではあるし、一応気にしているのかな。


「……太ったら、莎楼に嫌われそうじゃん」

「はぁー可愛い」


 そんなことありませんよ、どんな先輩でも素敵です。


「こ、心の声とセリフが逆じゃない?」

「あ、本当ですね。でも、そういうことを気にする先輩も可愛いですね」

「もぉ。割と本気なんだけど?」

「先輩の体重が今の倍になっても、突然顔が傷だらけになったとしても、スキンヘッドになったりしても変わらず好きですけど」

「ほ、本当?」

「うん。確かに先輩は美人でスタイルも良いし、そこに魅力を感じないと言うと嘘になりますけど。でも、それは先輩の魅力のほんの一部ですから」

「えぇ……好きぃ……」


 今の先輩も好きだけど、そこから変わったとしてもこの気持ちが変わることは無い。


 どんどん変わっていく私のことを、ずっと好きでいてくれる先輩となんら変わりは無いと思う。


「でも、先輩がそんなに気にするなら話は別ですね。先輩が太らないように、もう少しポテト貰っちゃお」

「莎楼は太るのとか気にならないのぉ?」

「めっちゃ気になりますよ。先輩と遊ぶようになってから、確実に増加傾向にありますし」

「でも、ボクも気にしないよ?」

「ふふっ、そうですね。先輩ならそう言うと思ってました」


 だからといって、それに甘えて太るつもりは無いけど。


 それにしてもポテト美味しいな。数本のつもりだったのに、手が止まらない。


「そんなにポテト気に入ったなら、今度から君の分も買ってこよっか?」

「あっすみません、食べすぎちゃいました」

「怒ってないから、謝るの禁止ぃ」

「先輩のそれ、久しぶりですね」

「あはぁ。そうだった?」

「それ、好きなので嬉しいです」


 会話の内容をちゃんと覚えていてくれているってことの証拠だから。

 かなり昔の会話とかも先輩なら引用できるけど、よく覚えているなぁと感心する。


「そろそろ昼休みも終わりだねぇ」

「えっ、もうそんな時間ですか」


 私はすぐに教室に戻れるけど、三年生の先輩はチャイムが鳴る前に戻った方が良い。


「ボクは先に戻るから、これあげる」


 そう言って、私にフライドポテトの残りを差し出す先輩。白い紙袋の中には、まだまだポテトが入っていた。結構食べたはずなんだけど。


「えっ、まだ結構残ってますけど」

「いいよぉ。気に入ったみたいだし」

「ありがとうございます。いただきます」

「それじゃ、またね」

「はい。また」


 空き教室を出る先輩の背に手を振り、残り時間を確認しつつポテトを食べる。


 もしかしてこれ、先輩なりのログインボーナスだったりするのかな。


 だとしたら、普通にポテトを貰うより嬉しいな。

しばらくこんな感じです。

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