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70日目:旅行の終わりに(中編)

終わらなかったので中編。

「こっちの服とか可愛いんじゃない?」

「いや、値段に可愛げがありませんね」


 お揃いの何かを買う、という漠然とした目的を達成するために、手当り次第にファッションやアクセサリーのお店を見て回っている。


 個人的には、手軽に身につけられるものとかが良いかな。お揃いの服とか、ちょっとまだ難易度が高い。


「次はここのアクセサリーショップを見てみよぉ」

「はい。イヤリングやヘアアクセサリー、指輪なんかもありますね」


 高価なものもあるけれど、どちらかというとリーズナブルで普段使いがしやすそうなデザインのものが多い。


「もぉ、指輪はまだ早いよぉ」

「ノーコメントで」

「久しぶりに辛辣ぅ」

「実際、まだ指輪は時期尚早と言えますし。こういう、ヘアアクセサリーとかどうですかね」


 お揃いで身に付けやすそうだし、値段も優しい。

 私は基本的に髪を縛らないし、先輩も体育の授業の時くらいしか縛らないけど。


「何かお探しですか?」

「あ。えっと、ヘアアクセサリーをちょっと」

「それでしたら、こちらの『ウィークリーセット』がオススメですよ」

「ウィークリーセット……?」

「ヘアピンやヘアゴム、シュシュ等が七種類入っているセットです」


 なるほど。毎日違うものを選べるってことか。

 店員さんが言うには、これと同じようなセットのイヤリングもあるらしい。流石にそれは指輪より難しいから買わないけど。


「毎日違うやつにできるってぇ、ボクたちにぴったりじゃない?」

「確かにそうですね。曜日を決めて選べるなんて、まるでログインボーナスみたい」

「あはぁ。それじゃ、これを買おっかぁ」

「そうしましょう」


 値段は二千円。さっき先輩が見ていた服よりゼロが一つ少ない。七種類も入っているし、見た目もとても可愛いし、これは買いの一択。


 会計を済ませて、次のお店を目指す。買ったアクセサリーは、先輩がキャリーバッグにまとめて入れてくれた。


 後はお土産を買えばおしまいかな。まだまだ時間に余裕はあるけど、新千歳空港まで行かないといけないから心の余裕も持っておきたい。


「あとは最初の階に戻って、お土産を買うだけだねぇ」

「そうだ。ニケさんやアラさんの好みを教えてほしいんですけど」

「いいよぉ。ニケは甘くないやつ、アラは甘いやつだと喜ぶと思うなぁ。センパイの好みはよくわかんない」

「あ、わかんないんだ」

「お酒とか煙草は買えないし、ボクはおつまみとか買おうかなぁ」

「あとはキツちゃんと一緒に食べれるものとか良いかもしれませんね」


 受け取ってもらえなかったガソリン代と朝食代でお土産を買うわけだから、沢山買っていかないと。


 何回もエスカレーターを下って、なんとか一階に戻ってきた。慣れない場所ということもあって、まるで迷路のようだった。


 まずは、大きなお土産屋さんに入る。

 北海道の有名なお菓子が所狭しと並んでいて、もうここで全部解決しそうな品揃えだ。


「生チョコとかおいしそうだねぇ。白いラングドシャにバームクーヘンに……ボクが食べるわけじゃないけど悩んじゃうなぁ」

「え、私は普通に生チョコ食べようと思ってるんですけど」

「そっか、別に食べてもいいんだ」

「お互いに違う味のやつを買って、食べ比べしましょうよ」

「天才じゃん」

「恐縮です」


 買い物カゴに生チョコの箱を入れて、お芋の硬いお菓子、ホワイトチョコの挟まったラングドシャのお菓子、なんかよくわかんないけど美味しそうなやつをどんどん入れる。


 お母さんには何を買おうかな。北海道土産鉄板の、有名どころを抑えておけば良いかな。


「そういえばさ、新千歳空港で売ってるものはここで買わなくてもいい気がするよねぇ。荷物になるし」

「天才じゃないですか」

「あはぁ。まぁ、なんだかんだで買うんだけどね」

「無かったら困りますもんね」


 カゴの中のお菓子たちを数える。うん、これだけ買えば足りるかな。

 自分たちで食べる分のお菓子も買ったし、これでもう目的は達成した。


 あとはお昼ご飯を食べて、空港に行くだけ。飛行機の時間は夜だから、まだ早いけど。


 先輩と一緒にレジに並んで、ほとんど同時に会計を済ませた。

 思ったより合計金額が高かったけど、ヒアさんがお金を受け取らなかったり、函館で赤川さんの車に乗せてもらったり、朝食ブッフェを付けなかったりしたおかげでなんとかなった。沢山の人に感謝しないと。


 お店を出て、手を繋ごうと先輩の方を見たら、キャリーバッグとお土産の入った袋で両手が塞がっていた。流石に全部はバッグに入り切らなかったらしい。


「荷物が多いと、手が繋げないのが残念ですね」

「かっ……可愛いことを言うねぇ……!」


 顔を赤らめて、小刻みに震え出す先輩。そっちの方が可愛いと思うけど。


 私の荷物があるロッカーの所まで手を繋がず歩き、ロッカーから荷物を取り出す。因みにお金が戻ってこないタイプのやつだ。

 これで無事に私の両手も塞がってしまった。


 この状態でご飯を食べて、夜まで荷物を持っていないといけないのか。宅配で自宅に送りたい気持ちをグッと堪え、外に出る。


「さて、ここからどうしましょうか」

「うーん、荷物を持って歩くのも大変だし。まだ空港に向かうには早いし」

「あ、カラオケに行くとかどうですかね。個室だから荷物を置いておけるし、時間も潰せますし」

「天才じゃん。でもお昼は北海道っぽいものが食べたいなぁ」

「恐縮です。それなら海鮮とか、お寿司とか食べたいかな」

「おっ、いいねぇ。じゃあお寿司にしよぉ。北海道の回転寿司ってぇ、すごいレベル高いらしいよぉ」

「それはそれは、楽しみです」


 結局、荷物を持ったまま入店しないといけないわけだけど、まぁそこは観光客なんだから遠慮なんてしないで堂々としていれば良いか。


 旅の恥はかき捨て、なんて昔の人は良いことを言うもんだ。

次回はしっかり北海道編が完結します。すぐ書きます。

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