第一話 Star
短い一生を謳歌するかのごとくやかましく鳴き続けるセミが、八月初旬の茹だるような暑さを増幅させる。
初ヶ谷の駅前は人出でごった返していた。
汗をかき、虚ろな目、あるいは険しい顔をしながら、それでも人々はショッピングやレジャーを決して諦めない。そのバイタリティには、少し気圧されてしまいそうだ。ひょっとすると、彼らの放つ熱気も暑さの一因なんじゃないか。
俺はどちらかといえば、夏は冷房の効いた部屋でダラダラ過ごしたい。今も少しでも涼しい場所を求め、大きな街路樹の木陰に立っているくらいだ。
そもそも夏休みなんて暑すぎるから設けられてるものじゃないか。熱射病を恐れながら外を出歩くより、室内に篭もるのが正しい過ごし方ではなかろうか。
そんなインドア派の俺こと花澤両太郎が、こうして朝から駅前広場の端に突っ立っているのには理由があった。
俺や優が熱中しているゲーム、ビーハンこと《ビーストハンター5》を光も始めるというので、優と二人でレクチャーがてらソフトやハード一式の購入に付き合うのだ。
と言っても、光は家の用事があるとかで待ち合わせは午後になった。午前中は優とゲームセンター巡りの予定だ。
あの海合宿でのシスター・ポプレとの戦いから一週間が経った。
螢との離別や、五つ目のエレメントストーンがいつの間にか《組織》の手に渡っていたこと、そして今のところ桃だけが到達したフェアリズムの新たな力・エレメンタルボンド。俺たちは今、沢山の課題を抱えている。
だからこそ逆に、俺達はなるべくいつも通りの日常生活を保つことにした。
緊張感や集中力というものは決して長くは続かない。無理に持続させようとすれば、それは張り詰めた糸のように脆さまでも内包することになる。いつ訪れるか知れない戦いにベストコンディションで望むためには、怠けすぎてはいけないが、気負いすぎてもいけないのだ。
しかし厳密に言えば、俺の生活の方は「いつも通りの日常」とはかけ離れている。
三日前には渚と遊園地に行き、昨日は桃と買い物。今日は優と光と一緒にゲーム。生天目道場での稽古が無い日も、なんだかんだで毎日フェアリズムの面々とどこかに出かけていることになる。
妹である桃は除くとしても、世の高校生男子にとってこんなに年下の女の子とばかり交流を重ねる夏休みというのは、普通とは言い難いのではないだろうか。
別にフェアリズムたちと一緒にいることは決して嫌ではないが、まるで俺に同年代・同性の友人がいないみたいで、ちょっと気にしている。
梶のヤツが塾の夏期集中講座とやらで不在なのも、この状況に一役買っているのだ。変態野郎のくせに勉強は得意なんだよな、アイツ。
-†-
「……にーさま?」
街路樹に寄りかかってボーっとしていると、突然背後から聞き慣れた声がした。
「んっ、その声……麻美?」
声の方を振り向く。麻美の身長を考慮に入れ、目線を少し低めにしてざっと見回す。
しかし、麻美の姿は見当たらない。もうその先は車の行き交う車道だ。
とうとう暑さのせいで幻聴が聞こえてきたかと困惑しつつ、念のためしゃがんで目を凝らし、街路樹の根本をくまなく探しながらもう一度「麻美~?」と呼びかけてみる。
「……にーさま、こっち」
再び麻美の声がした。今度は少し怒ったような声色だ。
声の方を見れば、すぐ近くに停められた真っ白い車の後部座席の窓から、麻美がいつもの無表情でこっちを見下ろしていた。
「……にーさま、もしかして、麻美を小人かアリか何かだと思ってる……?」
一見すると表情に変化が見られないのに、明らかに不機嫌なのが伝わってくる。俺もずいぶん麻美の心情を察するのが得意になったものだ。
「い、いやそんなことはないぞ! ほんのジョークだ!」
慌てて誤魔化したものの、麻美はジーっと疑り深い目で俺を睨んでいる。
「……少し、待ってて」
車内に向かってそう言うと、麻美はドアを開けて車から降りてきた。
麻美はレースのフリルがあしらわれた真っ白なサマードレスを着ている。色素の薄い髪に整った面立ち、長い睫毛、なんていうか絵本の中から抜け出してきたお姫様みたいに見える。
「……こんなとこで、どうしたの」
ドアを開ける所作までもが浮世離れしていて、ピカピカに磨かれた高級そうな真っ白い車はさしずめ白馬といったところか。
麻美は車から降りるなり陽光に顔をしかめ、木陰に――俺の隣にススッと移動してきた。どうやら麻美も、夏はなるべく涼しく過ごしたい側の人間らしい。
「いやー、優と待ち合わせしてたんだけどさ。さっきメールが来て、少し遅れるって」
「優ちゃんと?」
麻美が問い返してきた。すぐ隣にいるものだから目線の関係で表情は読み取れないが、声色は少しだけ不機嫌そうにも思える。
「……なんかにーさま、毎日遊び歩いてるね……」
「あ、ああ……成り行きでそんなことに。いや、《組織》との戦いのことだってちゃんと考えてるぞ?」
批難されているのかと思い、念のため弁解しておく。
しかし麻美は俺の脇腹にぽすっと軽く裏拳を当ててきた。
「……別にそこは疑ってないから、大丈夫。逆に、安心した。……色々、落ち込んでるかと思ってたから……」
ゆっくりと、言葉を選ぶように麻美が言う。
そりゃ、落ち込んでないと言ったら嘘になる。先日の海合宿の時、俺は螢のことで色々と画策していた。それがまさかの途中ゲームオーバーを食らったんだからな。
「そりゃ落ち込んでるけどさ、落ち込んでるだけじゃどうにもならないからな。戦いに備えなきゃいけない」
「……うん」
「一人ひとりが身近な人を大切に思うことで世界が繋がっていく、それがフェアリズムの力の根源だったんだ。戦いの重苦しさに飲まれてしまったら、きっとその繋がりを見失ってしまう。それじゃダメなんだ。フェアリズムのみんなに――いや俺達に必要なのは、身近な人達と繋がってるこの日常生活を大事にすること。この世界に生きてるごく普通の人間として、毎日を生きること。きっとそれがフェアリズムを支えてくれる力に変わる」
麻美は黙って俺の言葉を聞いていた。
それから、少し間を置いて、
「……それって別に、毎日遊び歩く理由には、なってないよね」
とても鋭い指摘を口にしたのだった。
「ま、まあそうだけどさ……。でも今の俺にとって一番身近な繋がりって、家族を除けばフェアリズムのみんななんだよ。だからみんなと過ごす時間も大事にしたいなーなんて、な」
「……ふうん」
かなり言い訳っぽくなってしまったが、一応俺の偽りのない気持ちだ。
しかし麻美はまだ何か引っかかっているらしい。
「……にーさま」
「うん?」
「……それは、麻美と過ごす時間も、含まれるの?」
ジッと探るような目で麻美が俺の顔を見上げてきた。
なるほど、みんなと過ごす時間……と言いつつ、確かに夏休みに入ってから一度も麻美と二人で遊んだりはしていない。別にヤキモチとかそういうのじゃないんだろうけど、やっぱり自分が蔑ろにされてると思ったら嫌だよなあ。
いつもさり気なくみんなをサポートしてくれる麻美だからこそ、たまにはサポート役じゃなく主役になって目一杯遊ぶ日があってもいいはずだ。俺がそれを叶えられるんだったら、多少の苦労は厭わないつもりだ。
「ああ、もちろんだ。麻美さえ良ければ今度どこかに行くか? 行き先は任せるよ」
俺の返答に、麻美は目を細めて、
「……考えとく」
ほんの少しだけ口許を緩めながら言った。
俺はその表情に思わずドキッとしてしまう。
今の、笑った……んだよな?
合宿の時にも思ったけど、いつも無表情な麻美が時々見せる感情の乗った笑顔には、なんとも恐ろしい破壊力がある。もう一度この笑顔を見るためならば、何だってしてしまいかねない。渚が生まれついての女王様ならば、麻美はお姫様だ。
なんて惚けていると、
「こんにちは、娘のお友達かな」
いつの間にか目の前に人影があった。
会釈してきたのは、恰幅のいい壮年の男性だ。整えられた髪、銀縁の眼鏡に豊かにたくわえられた髭、顔だけ見ても身なりの良い紳士といった風情が伝わってくる。
見れば車の助手席のドアが開けっ放しになっていた。助手席の空間越しに運転席まで目に入り、そこに見覚えのある若い女性が座っているのが見えた。以前お世話になったことのある金元家の運転手、高垣さんだ。
つまりこの男性はついさっきまであの車の助手席に座っていて、そして麻美を娘と呼んだということは――身なりがいいのも当然だ。麻美の父親、金元氏だったのだ。
俺は慌てて金元氏に向き直って会釈を返し、
「初めまして、花澤両太郎といいます。麻美さんとは仲良くさせていただいております」
思いつく限り丁寧に名乗った。
すると金元氏は僅かに眉を顰め、
「ああ、きみが識名博士の息子さんか。私は金元比呂志だ。いつも娘が世話になっているようだね」
丁寧な、しかしどこか冷淡な口調でそう言った。
識名博士の息子――そう言ったということは、比呂志さんは俺の素性を調べていたということだろう。なんだか似たような流れがつい三日前にもあったばかりな気がする。名家の当主というものは、娘に近づく男の素性を調べずにいられない生き物なのだろうか……。
「きみとは一度話してみたいと思っていた。私たちは今から家に戻るところだが、よかったら後でうちに来てくれないかな? 昼食でもご一緒してもらいたい」
比呂志さんは眼鏡をくいっと動かしながら値踏みするような目を俺に向けてきた。
その口調は友好的で、柔和な表情と相まって温厚な印象を作っている。しかし視線にはどこかピリピリとした緊張感も含まれていた。
今の言いぶりといい、車のドアを開けっ放しにしている点といい、暗に麻美に「さっさと車に戻れ」と促している。それはつまり、麻美が俺と話しているのをあまり快く思っていないということだろう。それなのに食事に誘うとは、一体どういうことだろうか?
「すみません。せっかくのお誘いですが、人と待ち合わせをしている最中でして」
「おお、それは失礼。それならまたの機会に――」
「や、リョウくんおまたせー!」
比呂志さんの言葉を遮って、真横から元気のいい声が響いた。
「ごめんごめん、出掛けに兄上に捕まっちゃってさー」
振り向くと、待ち合わせ相手である優が、肩で息をしながら屈託のない笑みを浮かべていた。どうやら結構な距離を走ってきたらしい。短い前髪が束になって額に張り付き、首筋には玉のような汗が伝っている。
優の服装はTシャツの上からグレーのカーディガン、下はデニムパンツ。ユニセックスで飾り気の無い、どこか少年じみた印象を受ける。
「せっかくぼくなりに可愛いコーディネイトをしたつもりだったのにさ。うっかりリョウくんと遊びに行くって言っちゃったら、無理やり着替えさせられたんだよー。こんなことなら麻美と遊ぶとでも言えば良かった」
優は頬を膨らまして不満を漏らす。
彼女の三人の兄たちは歳の離れた妹である優を極度に溺愛していて、女の子らしい格好をさせたがらないらしい。俺が直接会ったことがあるのは三男の翔さんだけだが、確かにちょっとあのシスコンぶりは常軌を逸している。
「……麻美を勝手に口実に使わないで」
「あはは、ごめん。でも麻美や渚と遊ぶって言えば兄上たちも納得――って、あれ、麻美!?」
ようやく麻美の存在に気づいて驚く優に、麻美は呆れ顔だ。
「なんだ、両太郎くんの待ち合わせ相手は優ちゃんだったのか。こんにちは」
「あ、比呂志おじさんも。ども、こんにちはー」
比呂志さんはにこやかに優と挨拶を交わす。なんだか俺に対しての剣呑な雰囲気とずいぶん違うような……。
「ちょうど、うちで昼食でもどうかと両太郎くんを誘っていたんだ」
「え、リョウくんも比呂志おじさんと面識あったんだ?」
「いやいや、初対面だよ。だから少し話をしてみたくてね。人と待ち合わせだと言うから断念したところだったが、優ちゃんなら話は別だ。二人とも一緒にどうだい? 他にもあと一人二人なら来てもらっても平気だ」
比呂志さんは妙にグイグイと押してくる。あまり俺をよく思っていない様子だが、その一方で昼食には呼びたがっている素振りだ。一体どういうことだろう。
優は「どうしよう?」と視線で俺に問いかけてくる。まあ、光との約束は午後からだし、特に都合の悪いことは無いんだけどな。
「それじゃあ、せっかくだしお言葉に甘えようか、優?」
「うん、リョウくんがいいならそれで。麻美んちのご飯、凄く美味しいしね!」
優の遠慮のない物言いに、比呂志さんは愉快そうに笑った。やっぱり優に対しては態度が柔らかい。
「それじゃあ私たちは先に帰って準備をしておくよ。十二時前くらいにお越しいただこう。さ、麻美」
比呂志さんは麻美を促し、車に戻って行く。
麻美も促されるままに車に戻ると、窓を開けてチラと俺達に物言いたげな視線を送ってきた。
「……また後でね」
そう言って手を振る麻美を乗せ、鋼鉄の白馬はあっという間にスピードを上げて去って行った。
-†-
「……さて、どうしよっか」
金元家の車が見えなくなった頃、優が言った。
「麻美んちに十二時前だと、あと一時間くらいしたら向かい始めたほうがいいね」
「そうだなぁ。……となるとゲーセンでしっかり遊ぶにはちょっと足りないな。家にお邪魔するとなると、軽くおみやげくらい持っていったほうがいいだろうし、見繕う時間も必要だな」
「え、リョウくんそういうのちゃんと気にするんだ?」
優が慌てたように言う。その様子じゃ、優はいつも手ブラで遊びに行ってるんだろう。まあ優の場合は小学校からの幼馴染だし、いちいち遊びに行く度に手土産を持参するほうが不自然だろう。
「優は別にいいと思うけどさ、なんとなく比呂志さんって俺に対して刺々しかった気がするからな。極力失礼のないようにしとかないと」
「あー……」
優は何か思い当たるフシがあるのか、苦笑いを浮かべた。
「それ、ぼくの兄上たちに近いかもね」
「優のお兄さんと? それってひょっとして……」
「そ。麻美に近づく男は許さんぞー! ……っていうアレ」
「うへえ……」
まあ確かに。俺のこと、識名両信の息子って知ってたもんな。
隆史さん――渚のお父さんもそうだったけど、娘とその友人たちと一緒に得体の知れない男が行動を共にしてると思って、いろいろ調べたんだろうな。
それに金元家には合宿の際に別荘や車も提供してもらったのに、直接その御礼や挨拶もしてなかったし、俺に対する心証が悪いのかもしれない。
仕方ない、多少のマイナス印象スタートは受け入れた上で、昼に会った時にはしっかり謝ろう。
別に好印象まで持って貰う必要は無いけど、俺の印象が悪いせいで麻美がフェアリズムとして行動しにくくなったら申し訳ない。一緒に行動することくらい認めてもらえるように、信頼を勝ち取らなきゃな。
あ、そうだ。
「優、優は比呂志さんとは結構親しいのか?」
「ん? まあぼくは小一の頃から家族ぐるみで付き合いあるからね」
「じゃあ悪いけど、昼は優からもフォロー頼むよ。少しでも比呂志さんの信頼を得たい」
優のことだから二つ返事で快諾してくれるだろう。そう思って頼んだのだが、しかし予想に反して優は不機嫌そうに口先を尖らせた。
「まあ、いいけどさー」
全然よくなさそうな顔でそんなこと言われてもな……。
「な、なんだよ優。言いたいことがあるなら言ってくれ」
「別にー。ぼくとのゲーセン巡りが潰れたのに、リョウくんってば麻美のことばっかり気にするんだなーなんて、全然思ってないよ」
いや、それ思ってるって言ってるようなもんじゃないか。
はあ、麻美の次は優か……。
でもまあ確かに、先日渚と遊園地に言った時には諸事情により優にも我慢させちゃったしな。それに、いつもつかみ所のない風みたいな優が雨雲みたいにどんよりしてる様も、なんだか気の毒だ。
「埋め合わせは今度ちゃんとするよ、一日じっくりゲーセン巡りしよう」
ぴくっと優の耳が動く。心なしか頬も緩んだ気がする。
しかし優はそれでも口を尖らせたまま、
「それだけ? ぼく、リョウくんとゲーセンに行くために、暑いの我慢して家から走ってきたんだけどなー」
と、さらなる譲歩を引き出そうとしてくる。
優とは妙に気が合うというか、いつもツーカーのやりとりばっかりだから、こんな風に甘えられるのはなんだか悪い気はしない。
ひょっとすると実の兄たちと折り合いが悪い分、俺のことを仲の良い兄みたいに思ってくれてるのかもしれない。そう思うと、少しは甘やかしてやりたい気も湧いてくるというものだ。
「わかったわかった、その辺の店で飲み物くらい奢るよ」
「ホント?」
優のふくれっ面はあっという間にニカッとした笑顔に変わる。現金なヤツだ。
「だったら駅ナカのコンセプトカフェがいいな! 今やってる『†緋色ノ血ノ宿命†』フェア、凄く評判が良くてね」
「なんだそのカフェとは思えない物騒なフェアは……」
「飲み物も食べ物もヴァンパイアをテーマに統一されてるんだよ! オススメはブラッド・コーヒーっていう赤味がかった琥珀色のコーヒーと、闇の供物っていう真っ黒いチーズケーキらしいよ!」
「それ、名前聞いてるだけで食欲減衰しそうなんだけど……」
「せっかく麻美んちでごちそうになるんだし、チーズケーキは一つだけにして二人で半分こにしようか!」
人の話を聞かずに楽しそうにはしゃぐ優。どうやらそのナントカフェア、あらゆる意味で現役の中学二年生である優の琴線にがっつり触れているらしい。そもそも俺は飲み物を奢るとは言ったけど、チーズケーキまで許した覚えは無いんだけどな……。まあ優がやたら楽しそうだし、いいか。
そんなわけで俺たちは金元家に向かうまでの時間をコンセプトカフェで過ごすことにした。
真っ黒いチーズケーキは見た目こそ酷いものだったが、味は見事なものだった。流石に評判になるだけはある。思わずもう一つ頼んで、結局一人一切れ相当を平らげてしまったくらいだ。
美しくも妖しい女吸血鬼に扮した店員さんに尋ねたところ、黒いチーズケーキはこのカフェの創作というわけではなく、フランス南部辺りのお菓子をアレンジしたものだそうだ。テイクアウトも可能だったので、ホールで一つ購入した。裕福な金元家にどんなおみやげを持っていけば喜ばれるか本気で悩んでいたので、この黒いチーズケーキは渡りに船だ。たまには優の中二病も役立つらしい。
こうして手土産も確保した俺たちは、金元家へと向かった。
次話は月末くらいになりそうです。




