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チートで怠惰な聖女様のために、私は召喚されたそうです。〜テンプレ大好き女子が異世界転移した場合〜  作者: 櫻月そら
【第1章】異世界ものは大好きですが、フィクションで間に合ってます。
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第90話 ロードの食堂 4

ずいぶんと間が空いてしまいましたが、何とか再開できそうです。

「どうされたんですか?」


 手紙の中身が良い内容か悪いものなのかを推測するように、アリアはアーヴィンに声をかけた。


「サラマンダーの居場所が分かるかもしれない」


「え!? どうして……」


「この手紙に、『倉庫の中には古い生薬や危険な薬品があるから、火の気など取り扱いには注意するように』と書かれている」


「火の気……。つまり、アルコールや匂いが独特の薬がたくさんあるかもしれないってことですね?」


「そうだ。火薬の可能性もあるが……。とにかく行ってみよう。当たりでも外れでも、食堂の建設は急ぐ必要があるから」


 マーリンがアーヴィンの言葉に頷くと、自身の足元に転移魔法の陣を展開させた。


「では殿下、倉庫で合流しましょう。私が先に様子を見てきます」


「頼んだ。……くれぐれも『取り扱いには注意』だからな?」


「そう何度もおっしゃらなくても、承知してますってば」


 マーリンは一瞬ふてくされたような表情をしたが、すぐに真剣な顔付きに戻ると、魔法陣とともに静かに姿を消した。


「俺たちも向かおう」


 アーヴィンはエスコートするようにアリアの手を取り、足早で歩き出した。


「えっ?」

 

 手を繋ぐことが当然とでもいうような、自然な動作にアリアは一瞬困惑する。

 そして、メリッサにも手を引かれながら温室を歩いたことを、ふと思い出した。

 その時のメリッサも、何のためらいもなく手を繋いできた。


(似たもの親子?)


 気持ちがはやると、手を引く癖でもあるのだろうか。


(いや、迷子防止とか危機回避のためかも……)


 どれにしても、深い理由はないのかもしれない。

 それでも、滑らかで柔らかいメリッサの手には安心感を覚えたが、アーヴィンの骨張った大きな手に強く握られると、どうしても落ち着かなくなる。


(あー、もう! 大変な時なんだから、しっかりしないと! 後ろも何か気になるけど……)


 アリアは緊張感を保つように自身を律しつつ、スズとリラの生温かい視線にも気づかないふりをした。




 城内の階段をいくつか上がり、隠されているかのような小さなドアを開けると、入口からは想像もできないほどの広い空間が広がっていた。


「すごい。図書室の下に、こんな場所があったなんて……」


「天井、たっか!」


 アリアだけではなく、スズも相当驚いているようだ。


(わたくし)も殿下とアレクと一緒によく城内で遊んでいましたが、この場所は初めて知りました。アレクは知ってた? 空間の規模をご存知だったということは、殿下は入られたことがあるんですよね?」


 リラの問いかけに、アーヴィンとアレクはお互いの顔をチラリと見てから軽く頷いた。


「幼い頃、アレクと二人で探検して遊んでいた時に偶然見つけたんだ。でも、暗くて中に何があるかまでは確認できなかった。まさか、薬品が収納されていたなんてな……。特に気になる匂いは感じなかったように思うが……。ただ、十年以上前のことだから、正しい記憶かどうかあまり自信はないな」


「私もアルフォンス様に入室を禁じられた記憶のほうが鮮明ですね。その後、二度と入れませんでしたし」


 当時、アルフォンスにひどく叱責されたのか、二人とも苦い表情をしている。

 そんな二人を見てアリアは苦笑しつつ、やんちゃそうな幼いアーヴィンとアレクを想像すると微笑ましくも感じた。


「当時から危険な薬品が保管されていたのだとしたら、きっと、お二人をご心配されたんでしょうね」


「んー、まぁ、そうなんだろうな」


 緊急事態で背に腹は代えられないのかもしれないが、この空間を食堂として造り替える許可を出したということは、倉庫の中身をアーヴィンに任せても良いとアルフォンスは判断したのだろう。


 おそらく王太子としての資質や手腕を試されつつも、信用され始めているのだろうとアリアは感じた。


(アルフォンス様に認められてきたって、殿下は気づいてるのかな?)


 昔話や情報共有をしていると、ゆっくりと木材がきしむような音が聞こえてきた。

 音がしたほうへ視線を向けると、奥の部屋に続く扉の前でマーリンが腕を組みながら立っている。


「ちょっと皆さん、そんな所で立ち止まらないでくださいよ」


「あ、あぁ、すまない。奥はどうだった?」


「予想以上でした」


「団長は、どんな予想をしてたんですか?」


 スズがマーリンのことを“団長”と自然に呼ぶ様子から、魔導師の塔に馴染んでいることがうかがえて、アリアは少し安心した。


「んー、ただ古い薬剤が放置させれてるのだろうと思っていたんですけどね。まぁ、直接見ていただいたほうが早いと思います。こちらへ――」


 そう言うと、マーリンはローブを翻しながら奥の部屋へと踵を返した。

お読みくださり、ありがとうございました。


コロナや複数の感染症の後遺症で文章がまとまらない上に、0か100の思考に陥ってしまい、なかなか更新できずにいました(泣)


しかし、完璧を求めて燻っていても前には進めないので、多少綻びがあったとしても投稿しようと決断しました。


まだ改稿も途中で、のろのろと進みますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
どんな状態でも投稿しようとするその姿勢に脱帽です。 わたしゃ今やある程度確認せんと無理かなぁ誤字脱字ばっか目にしちゃうんで(;゜Д゜)
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