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チートで怠惰な聖女様のために、私は召喚されたそうです。〜テンプレ大好き女子が異世界転移した場合〜  作者: 櫻月そら
【第1章】異世界ものは大好きですが、フィクションで間に合ってます。
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第78話 巫女の温室をレンタル 1


 翌朝、侍女長がやって来て、リラが発熱したため、今日は休ませるいう旨を伝えられた。


「容態は?」


「症状は重くはないのですが、もともとが丈夫な()ですので寝込むこと自体が珍しく、かえって心配で……。念のために休ませることにいたしました。アリア様にはご不便をおかけいたします」


「いえ、私は大丈夫ですので。ゆっくり休んで、とお伝えください」


(体調不良の原因は、たぶん昨日のことだし)


「ありがとうございます。――ニーナ、こちらへ」


 侍女長に呼ばれ、三十代くらいの長身の美女がアリアの前で優雅に礼をとった。


「リラが復帰するまで、アリア様のお世話をさせていただくニーナと申します。至らぬ点があるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


(別にひとりでも大丈夫なんだけどな。……あぁ、でも、今は食事とかが厄介なのか)


「ニーナは王妃殿下付きの侍女ですので、ある程度のことには対応できるかと存じます。何なりとお申し付けください」


「え、それでは、メリッサ様がお困りになるのでは……」


「ただいま、メリッサ様は外交にお出になられており、侍女が三人と女性騎士が付いております。他の侍女は王宮で待機しておりましたので、その点についてはご安心くださいませ。むしろ、もっと多くの侍女を……と考えておりましたが、かえってアリア様の負担になるから、とアーヴィン王太子殿下に止められてしまい……」


 今はアーヴィンの名前を聞きたくないと思う反面で、自分の生活スタイルや気持ちを分かってくれていることが嬉しいと感じてしまった。


「…………そうでしたか。お気遣いくださりありがとうございます、と殿下にもお伝えください。ちなみに、殿下の本日のご予定は?」


「本日は、会議がいくつも入っているようですね。マーリン様にアレク様、近衛騎士団の団長様、副団長様もご一緒のようです」


(いつものメンバーに、副団長がプラスか……。動き出してるな)


 会議が続く日は、だいたいアーヴィンはアリアの部屋を訪ねてこないため、アリアは少しホッとした。


「皆さん、お忙しいですね」


「左様でございますね。……お心細いですか? リラもおりませんし」


「いえ、ニーナさんが付いてくださいますので大丈夫です!」


「それでしたら、よろしいのですが……。何かございましたら、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。では、このあとはニーナが引き継ぎますので、(わたくし)は失礼いたします」


「ありがとうございます。あ! アルフォンス様にも、お礼をお伝えしておいてください」


 侍女長はわずかに驚いた表情を見せたあと、「承知いたしました」と言って退室した。


(あれ? 何となく、アルフォンス様の(はか)らいだと思ったけど違った?)


 首を傾げたアリアに、ニーナが補足するように答えた。


「お気づきの通り、アリア様にお仕えするようにとアルフォンス様からの(めい)がございました。それから、アリア様がお困りの際はお手伝いさせていただくようにと、ご出立(しゅったつ)前にメリッサ様からも……」


「そうだったんですね」


(メリッサ様は、何か予感がしてたのかなぁ……)


「今朝早くに、『アリア様には、夕食が終わるまで温室でお過ごしいだくように。お部屋に戻られてからも、お水やお茶などは、すべて魔導師の塔から運ぶように』と、私への言伝(ことづて)がアルフォンス様宛に届いたようです。いかがいたしましょうか? アルフォンス様からは、アリア様のお気持ちを最優先するようにと仰せつかっております」


(メリッサ様に、早馬か何かで城の状況が伝わったのかな)


「せっかくのご厚意なので、温室をお借りします」


「かしこまりました。外出のご準備が整いましたら、お声がけくださいませ。ご朝食も温室でご用意いたしますので」


「分かりました」


 この部屋以外で長時間過ごすのは初めてかもしれない。今から夕食が終わるまでとなると、半日以上だ。


(えっと、貴重品と常備薬、ハンカチ……。面倒くさいな。鞄ごと持って行こ)


 久しぶりに鞄を肩にかけたことで、ふと気づいた。


(私、どこから転移したんだっけ?)


 どこで何をしている時に異世界転移したのか、記憶がない。靴を履いて、服装は外出着。鞄も持っていることから、おそらく屋外だろう。転落事故や交通事故に遭った覚えはない。


(いや、記憶がないんだから、事故に遭ってても分からないか……。でも、どこも怪我はしてなかったし。あとは、玄関に魔法陣が現れて……っていうマンガは読んだことあるな。……うーん、まぁ、覚えてないことを悩んでも仕方ないか。今は考えることがいっぱいあるし)


 アリアは鞄をしっかりと持ち直して、ニーナのもとに向かった。

お読みくださり、ありがとうございました(ꈍᴗꈍ)


アーヴィンの間接的な気遣いはありましたが、直接のフォローはなしの回です。

王太子としての仕事も忙しそうですしね。


まぁ、こういう間接的な優しさも時には必要かな、とは思います。冷却期間も。


次話もどうぞよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] おいおいおい(;'∀') アリアちゃんもアリアちゃんで記憶があやふやになる処置されてんじゃねぇの(;'∀')
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