とある短い会話
今回はかなり短くなってしまいました。
「あの子凄いですね。どうしますか?」
「当然合格だろう。あんな人材を捨てるなんてそれこそおかしいだろう?」
「ですね。きっと我らプロダクションの救世主となってくれると確信しています」
となりに居る若い男性がステージ上に立っている少女を見つめながらそう言う。この男の言っていることは間違いではない。絶対に凄い大物になるとこの時から俺は確信していた。
我らスターズプロダクションは一見するとアイドル界隈の大手で栄華を極めていると思われがちだが、新たなる事務所の台頭や会社の経済的成長ができずに伸び悩んでいて低迷期へ突入してしまっている。
それを打開するための新プロジェクトの発足。最初はここまで高い審査基準でのオーディションで受かる人間が現れるのかと懸念していたがどうやらいらぬ心配だったようだ。
このステージで拍手喝さいを受けている彼女以外にも優秀な人物はそれなりに居た。だが、彼女が最終的には我々の注目を全て奪っていってしまったと言っても過言ではなかった。我々の興味はあの金色の女の子にくぎ付けとなっていた。
「――これから忙しくなるな」
「ええ、まずは写真撮影からですね。そのあとは小さい会場ですが公演そして次には……」
「ああ、かなり大きな場所での発表になるな」
「――大丈夫でしょうか? あの発表は今回のより人が集まりますよ?」
「それを見越してのこのオーディションだ。あの子を筆頭に上手く切り抜けてくれるさ」
「……だといいですが」
隣に座っている彼は心配そうな表情をするが俺はそうは思えなかった。きっと、彼女らなら大きなことを成し遂げてくれる。そんな希望に満ち溢れていた。
短かったですが読んでくださりありがとうございました。ブクマや評価も本当に感謝しております。
さて、次回からはやっとのことで本編に入ります。お待たせしてしましたね。さっそく今から執筆頑張っていこうと思います!




