第34話 火縄銃改試し撃ち
ドォーン
ドォーン
ドォーン
今、俺は安土城下から少し離れた平原に来ている。
連れてこられた。
もちろん織田信長に。
いくら暇だからって朝いきなり呼び出されるのは困る。
しかし、断る訳にもいかず、先日、届いたばかりの馬に跨りついてきた。
乗馬は平成の世界でも、鹿島神宮奉納流鏑馬をしていた経験から問題なく乗れた。
陣幕で仕切られ、周りから見えないようになっている場所に連れてこられた。
陣幕の中では使い古した甲冑が着せられた藁人形が何体も設置されており、火縄銃を持った甲冑を着た足軽が30人ほどいた。
「常陸が言ったように改良した弾の試射をする」
弾の形状変化。
丸い弾から流線形の形状にした弾。
小さな弾が火薬と一緒に油紙に包まれた弾。
銃身の筒の穴にライフリングと言う筋が刻まれた火縄銃。
引鉄のある持ち手を形状を変更した、持ち手を大きくし肩にしっかりと当てて撃てるようにした火縄銃。
火縄の変わりに火打し石を着火に利用する火打し石式銃。
が、用意された。
流石にぶっつけ本番の試射会ではないらしく、弾の形状変化した銃は、次々と藁人形の甲冑を撃ち抜いていた。
ライフリングと流線形弾は飛距離、威力が増していた。
さらに、肩で固定して撃つため命中率が向上したとのこと。
散弾式火縄銃も細かい弾が飛び出て、近くに設置された板に弾痕を残した。
戦場では、密集接近団体戦のため散弾式火縄銃は有効な手段だと織田信長は大いに喜んだ。
一発で何人も傷つける弾と殺す為の一発の能力、威力より多数に怪我人を出せる所が気に入ったようだった。
ただ、火打し石式は5回に3回は失敗していてまだまだ改良の余地がありそうだった。
「常陸、この新式火縄銃を使って春になったら毛利を攻めるぞ」
「え?羽柴秀吉が屈服させたのでは?」
「足利義昭を渡せと言ったら難色を示してきた」
「なるほど、では、征夷大将軍討伐の為の勅命を朝廷にいただくべきです」
「勅命を朝廷に出させるのか?」
「はい、大義名分は大切です。勅命で征夷大将軍を討ち滅ぼすなら主家殺しにはなりません」
「ふはははははは、小賢しい手を考えよるわ常陸は」
織田信長は勅命を朝廷に出させるべく動き出した。




