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ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
13歳から

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アルシュのブチ切れ

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


アルシュは、学園都市戦艦ムツの反省部屋にいた。その理由は…


 オラ、アルシュ…今、もの凄く殺風景な部屋にいるぞ。机と窓、簡単なバストイレ、そしてベッド。そう、反省部屋にいます。学園都市戦艦ムツの反省部屋に閉じ込められています。


 その理由、数時間前



 アルシュはブチ切れて、全長十メートルのレッドリーレスを発動、切れた原因のクレティアに迫っていたそこへ

「何をしているんですか!」


 アルシュがレッドリーレスから放った海原の大爆発の衝撃波の突風を受けて、担任のアキコが入って来た入口で耐えていた。

 その後ろには、同じく教師達の面々がいる。


 その声はアルシュにも届いているが…開いた顎門の光線の集束を止める事無く、クレティアに放った。

 腰を抜かすクレティアの右に光線が当たり爆発、クレティアが不様に転がる。


 クレティアは、恐怖で怯えて震えが止まらない。


「外した」とアルシュをコアにするレッドリーレスが、その鋭い眼光をクレティアに向けた瞬間、クレティアは…スカートを汚してしまった。

 恐怖からの正常な反応だ。


 担任のアキコが、クレティアを守るように盾になり

「アルシュくん。君は…そんなに残酷な子だったの?」


 地響きをさせ、アキコに近付くとアルシュは見下ろす。


 レッドリーレスの胸部コアにいるアルシュの眼は、信じられない程に冷たかった。


 アキコは怯えて足が震えていると、アルシュが眼を閉じ

「もういいです」

と、レッドリーレスを解除して、周囲に赤いロゼッタストーンをバラ撒いた。


 その後、アルシュを教師達が囲んで、運んで行く。

 その先がこの反省部屋だ。

 アルシュは反省部屋のベッドに座りながら考えている。


 さて…この先…どうなるやら…退学かなぁ…。

 いいか、退学覚悟でやったし、そうしたら…また、ルシェルやアルテナやノルンやカタリナの皆と過ごす日々に戻れるかもなぁ…。

 ああ…もしかして、根性治すって言われて、大変な学校に…。

 悲観したって仕方ないか…。


と、考えていると反省部屋のドアが開き、アキコがいて

「アルシュくん。ちょっと話を…」


 アルシュが連れてこられたのは、大きな講義堂だった。

 そこにはクレティアと今回の事に関わった連中がいた。

 周囲には、多くの教師と、学園都市戦艦ムツの生徒会の生徒達もいた。


 クレティアが断罪者の如く告げる。

「わたしは、コイツに襲われました。本当にヒドいヤツです! 処罰をお願いします」


 生徒会長の男子生徒が

「アルシュくん。クレティア・ハーベルト・ロディオンの話では、君を仲間に誘ったら襲われたと…」


 アルシュが鋭い眼を向ける。

 その威圧は、十四歳前の子供ではない。強烈な大人の威圧だ。


「う…」と生徒会長は下がるも、副会長の女子生徒が

「そんな眼をするという事は事実ですね」


「あ”あ”」とアルシュは濁音の苛立ちを漏らし

「出来上がっている状況で、俺が説明しても、誰も聞かないだろう」


 副会長の女子生徒が苛立ち

「何ですか! その態度は!」


 アルシュは呆れで顔を横に振り

「俺の結論は一つ、退学。それだけですよ」


 アキコが心配げに

「アルシュくん。本当の事を言って欲しいわ」


 アルシュがあの威圧の眼を向けフッと嘲笑を見せ

「本当の事? 真実なんて大いにして自分がそうだと、信じたい事だけですから。本当の事を言っても、誰も信用しないなら、意味ないでしょう」


 まるで斜視に構えた大人の言葉が並ぶ。


 生徒会長が

「自分達は、本当の事を知りたいんだ…。だから…」


 アルシュは嘲笑を向ける。14歳の子供がする顔ではない。

「本当の事? そんな事を言うヤツに限って、自分がスッキリする結論しか求めてない。だから、その結論を早く言ってやりますよ。

 俺が、このバカ女を襲った。被害が出た。俺は退学か? 公安か司法機関に突き出しますか? 犯罪者として…」


 アキコがアルシュを真っ直ぐと見詰め

「私達を信じて欲しい」


 アルシュが頭を振り

「信じる程、信用を構築なんてしていませんから」


 副会長が

「本当に犯罪者として突き出しますよ」


 アルシュは肩を竦め

「最初から、そうでしょう。真実なんて必要ない。その結論あきりで進んでいるですから。その証明に、今、この場がそうだ」


 講義堂のドアが開きそこからエネシスが出てくる。

「全く、アナタは…問題を起こす」


 アルシュは忌々しい相手を見て

「なんですか? 説教をする為に来たんですか? エセ司教様」


 エネシスは顔を顰め

「口汚い…そんな子供には天罰が下りますよ」


 クレティアがアルシュを指さし

「司教様! この愚か者に罰を与えてください!」

と興奮気味に叫ぶ。


 エネシスがアルシュに近付き

「私の前ではウソは通じませんよ」


 アルシュは面倒な顔をして「誰が呼んだ…」と告げようとした次に、エネシスが出て来たドアの向こうに、ロディーとマリテージアがいた。

 恐らく、急いで呼んだのだろう。エネシスはどうやら、ロディーかマリテージアの二人の父親のどちらか一方が知り合いらしい。


 アルシュはエネシスから顔を背けながら「あの子に…」と自分を誘った女子のクラスメイトを指差し

「ぼくは、あの子にゴーレムの愛好会があるって聞いて、誘われて、付いていったら…この行動にいるクレティア・ハーベルト・ロディオンの一団がいて、クレティア・ハーベルト・ロディオンに土下座しろとか、言われて精霊を取り出されて、脅されてブチ切れました」


 クレティアが顔を怒りに染め

「デタラメよーーーーーー」


 他の生徒達は黙っている。


 エネシスは懐からアルテナの時と同じく、ジャッジメント テリス(審判の女神)を取り出し

「では、この真実を見抜く聖遺物で…暴きましょう」

 エネシスの背後に黄金の審判女神が出現する。


 エネシスが、アルシュの指差した女子クラスメイトを指差し

「アナタに尋ねます。アルシュを誘いましたね」


 女子クラスメイトは怯えて口に出来ない。

 審判の女神の右手が下がる。真実だ。


 エネシスは続ける。

「では、アルシュを誘ったのは…アルシュが言う通り、愛好会の徒に誘う為ですね」

 女神の左手が下がったウソだ。


 質問される女子クラスメイトが

「はい、そう…うああああああ」

 右手にアルテナの時にウソを吐くと激痛が走る呪印が浮かぶ。

 激痛に悶える女子生徒を見る一同。

 エネシスが冷淡に続ける。別のクレティアの仲間だった男子生徒を指差し

「アナタは、アルシュを、愛好会の徒に誘う為にいましたね」

 女神の天秤は左。

 質問された男子生徒は

「はい、その…ぎあああああああああああ」

 右手にウソを吐くと激痛の呪印が浮かぶ。

 痛みに苦悶する二人を見て仲間の一人が

「本当は、アルシュくんを…嵌める為に…みんなで…」


 アキコが青ざめて

「枢秘卿様、ここは私達が」

 エネシスが鋭い目を向け

「真実が明らかになるまで、止められません」


 アルシュは呆れて事態を見詰める。


 そこへ、クレティアの配下の女子生徒の二人、クリティアとクロリアが

「私が計画しました」

と、クリティアが

「いいえ、私が発案者です」

とクロリアが


 アルシュは、クレティアを睨み見ている。

 クレティアは、その目を見て苦悶する。

 卑怯者が…他人に責任をなすり付けて嬉しいか?

 そんな風に思えたクレティアが、二人を押しのけ

「そうです。全てはこの、クレティア・ハーベルト・ロディオンが、計画しました。我が祖国ルクセオン共和国を貶めた大罪人、アルシュ・メギドス・メルカバー・ルー・ヴィクタリアを…断罪する為に」


 アルシュがエネシスの隣に来て

「エネシス様、ぼくが質問しても…」

 エネシスは肯き

「ええ…効力は同じです」


 アルシュはクレティアを指差し

「では、尋ねる・クレティア・ハーベルト・ロディオン。お前は、ルクセオン共和国の為に、ぼくを断罪しようとした」


 クレティアは胸を張り

「ええ! そうです。ぐあああああああああ」

 クレティアの右手にウソだという呪印の激痛が走る。


 国も関係ない。ただの個人的な何かだ。


 クレティアが激痛の右手を押さえて「違う、違う、国の、ぐああああああああああ」と痛みで蹲る。

 クロリアとクリティアが来て『クレティア様』と案じる。


 その三人の前にアルシュが来て

「本当の事を言え。そうしないと終わらないぞ」

 冷淡なアルシュをクロリアとクリティアは睨むも、アルシュは平然と冷たい眼を向ける。


 クレティアが食いしばった顔をして

「お前の所為で、わたくしの大好きな叔父様に名誉が穢されたからよ!」

 呪印の痛みが引いた。

 クレティアはフフ…と悲しげに笑み

「ええ…わたくしの叔父様は、あの大戦の時に…指揮官をしていたわ。遠方で十万のキングス級ゴーレムの指揮をしていた。でも、アンタの所為で、十万の部隊が全滅、後方で指揮をしていた叔父様は無事だった。でもでも、アンタが! 犠牲になった兵士達家族の援助なんてしたから! 叔父様は国を救えなかった愚か者として国で…」

 クレティアがその場に伏して

「うあああああああああ」

 大泣きを始めた。

 その背を優しくクロリアとクリティアが背を撫でる。


 全ての真実が顕わになった後、ジャッジメント テリス(審判の女神)は役目を終えて自然と消えた。


 周囲の審判する生徒会の者達や教師達は、どうしようと考えあぐねていると、エネシスが

「まあ、事が事ですから…両者の保護者を交えた話し合いが必要でしょうね」

と、アルシュの肩を叩く。


 教師達や生徒会の者達もそれしかないとして、そういう事になった。


 アルシュの両親がヴィクタリア帝国、つまり、父親が来る。

 それはクレティアの両親、ルクセオン共和国からもだ。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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