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ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
13歳から

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49/63

アルシュの海外入学

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


アルシュは、日光国が管理する学園都市戦艦ムツにて、学生として暮らし始めるが…


 オス、オラ、アルシュ。なんとライトノベルにあった学園都市戦艦に入学するぞ!

 ちょっと、期待してもいいよね!


 アルシュは、寮の個室にいた。そこは、一人では生活するには広い位の空間で、2階建て、正面の大きな窓があり、そこから日が差して、2階建てのロフト付きベッドの場所と一階のリビングを照らす。

 一階には大きなリビングと、その奥にキッチン、勿論、トイレとユニットバスが付いている。

 マジで、数人で暮らせるレベルの2階建て豪華な部屋に、アルシュは満足だった。


 アルシュは、身支度をする。ネクタイの学生服に身を包み、今日は、この学園都市戦艦の入学式だ。

 学園都市戦艦の名は、ムツ、地球時代に聞いた陸奥という昔の戦艦と同じ名前だ。

 

 この学園都市戦艦ムツで、新たな生活が始まる。

 期待に胸を膨らませて、ドアを開けた先に

「やあ!」

と、手を上げる16くらいの少年と、同じ年齢の少女がいた。

 

 アルシュは首を傾げ

「え…どちら様で…」


 高等部の生徒の少年はちょっと悲しげな顔で

「ぼくの事、忘れたの?」


 ジーとアルシュは、少年を見つめると

「は! もしかして…インドラさんの…」


 少年は微笑み

「そう、ジェネシス帝国、黒の将軍(ブラックジェネラル)、インドラの長男ロディーだよ」


 ロディーの隣にいる少女は微笑み

「私は初めましてね。お父様から色々と聞いているわよ。私の父は白の将軍(ホワイトジェネラル)のラエリオンよ」


 えええええええええ!

 アルシュは言葉にならない驚きを、心の中で放つ。


 ラエリオンの娘は胸を張り

「私は、ラエリオン・オルタルス・ギャラルフォルンの長女

 マリテージア・オルタルス・ギャラルフォルン。

 よろしくね」

と、アルシュに握手を向ける。


「ああ…どうも」

と、アルシュはマリテージアと握手する。


 そして、アルシュは二人を見て

「なぜ…お二人が…ここに?」


 ロディーとマリテージアが視線を合わせて首を傾げ合い、ロディーが

「あれ? 聞いてない?。ぼくとマリーはこの学園で勉強していて、君の世話を頼まれたんだけど…」


 アルシュは額を押さえて考える。

 ええ? 聞いていないぞ! 聞いていたら、拒否を…は!

 それを見越していて…ワザと…。

 

 アルシュは、二人を見て

「多分、聞いたら断るかもしれないのを、予測されて…」


 ロディーとマリテージアは驚きの顔の後

『ぷ、はははははははは』

と、二人して爆笑した。


 そう、ロディーの父インドラと、マリテージアの父ラエリオンは、アルシュの行動を予測していたのだ。


 ロディーが

「で、じゃあ、こんな状況だけど、断る?」


 アルシュは顔を引き攣らせ

「それを断れる程、ぼくは外道じゃないですよ」


 マリテージアが微笑み

「じゃあ、決まり。よろしくね、アルシュくん」


 アルシュは肯き

「はい、まあ…」


 こうして、アルシュは、保護者みたいな二人が付いての学園都市戦艦デビューであった。



 ◇◆◇◆◇◆◇


 アルシュは、ロディーとマリテージアに連れられながら

「あの…お二人は…この学園都市戦艦で…」

 

 ロディーは肯き

「ああ…中等部からの編入だよ」


 マリテージアはロディーの右隣にいて

「ロディーと私も、中等部に入りたての頃は、こうして、お世話になった人がいるわよ」


 ロディーが

「マリーの親戚のお姉さんとお兄さんでね。もう、卒業してしまったけど…」


「へぇ…」とアルシュは頷くと、ロディーとマリテージアの二人を見て

「お二人は…どのようなご関係で?」


 マリテージアが、ロディーを指差し

「両親が決めた許婚同士よ」


 ロディーが

「小さい頃からずっと一緒だよ」


 アルシュは、二人を再び見つめる。

 インドラはそれなりに大きな力を持つ新興財団のトップであり、新参者の貴族階級者。ラエリオンは、古くからある大貴族の家系、無論、ギャラルフォルン財団がバックにある。


 まあ…良くある、貴族同士の繋がりを強める政略結婚の許婚と思うが…。

 二人の仲が良い感じに、後ろめたさはない。


 アルシュが不意に

「仲が良いんですね」


 ロディーとマリテージアが、目を見開き、マリテージアが

「仲が良い? ロディーがおっとぼけだから、仕方なく世話を焼いているのよ」


 ロディーはフッと笑むだけで何も言わない。


 マリテージアが胸を張り

「だって、今回の君の事だって、ロディーだけじゃあ、心配だもん! 私がしっかりしないと…」


 アルシュは、ロディーを見つめる。ロディーはそれを聞いて微笑むだけだ。

 そんな折りに、ロディーは

「まあ、ぼくは…マリーの事が好きだけどね」


 マリーは面を食らったような顔をして「もう!」とロディーの胸を軽く叩く。

 それをロディーは優しげに見つめる。


 アルシュは思った。

 ああ…仲がおよろしい事で、ごちそうさま。



 ◇◆◇◆◇◆◇


 アルシュは、大きなホールに来る。その規模は、東京ドームクラスのホールで何万人という学園の生徒がイスに座って中央の台座を見つめていた。

 そこには、学園都市戦艦ムツの学園長である女性が話をしている。

 所謂、校長先生の話だ。立って聞くではなく、座って聞くのでムリはない。


 そして、入学式 兼 始業式の大きな式典は終わり、各々のクラスへ割り振られる。


 アルシュは端末にある案内を見ながら、クラスへ向かっていると…。

「そこの貴方…」

 女の子の声だ。しかもちょっと高慢な感じだ。


 嫌な感じがしてアルシュは振り向くと、金髪でツインテールのいかにもお嬢様っていうキレイな女の子が、お付きのような二人を伴っていた。


 アルシュは距離を取りながら

「なんでしょう?」


 もう…なんか、金髪の女の子ってアルテナの所為で気の強い子しかいないイメージがアルシュに植え付けられていた。


 そのツインテール金髪の女の子が胸を張り

「わたくしから挨拶をしているのよ! 名乗りなさい」


 アルシュは、え?と思う。

 声を掛けられたのに、名乗れって…どういう事だ?

 アルシュは、背を向けて無視して歩き出す。

 これ以上、関わるとヤバそうな感じだった。


 そのツインテール金髪の女の子が

「待ちなさい!」

と、止める。

 そして、お付きの二人がアルシュの前に来て止める。


 アルシュは渋々、後ろのツインテール金髪の女の子を見て

「何? あの…知らない人には名乗らないようにって、教わったよね?」


 アルシュの行き先を塞いだ二人が

「お嬢様のお名前を知らないって、なんて不敬なの!」


 アルシュは顔を渋め

 いや、知らんものは知らんがな!


 ツインテール金髪の女の子が胸を張り偉そうに

「さあ、名乗りなさい!」


 アルシュが困っていると、そこへ女性教師が来て

「何をしているんですか。もう、ホームルームが始まりますよ」


 アルシュはダッシュして、女性教師の下へ行き

「先生、この人達、おかしいです」

と、三人を指差した。


 ツインテール金髪の女の子が激怒して

「卑怯者! 男らしく名乗りなさいよーーーー」


 女性教師は、訝しい顔で三人を見て

「どういう事情で、この子ともめているんですか…」


 ツインテール金髪の女の子が胸に手を置き

「先生、黙っていてください。コレは、ロディオン家の面子に関わる問題です」


 女性教師が目を鋭くさせ

「クレティア・ハーベルト・ロディオンですね。それと…二人は、クリティア・ルフ・ロディオンに、クロリア・レフル・ロディオン…ですね」


 ツインテール金髪の女の子、クレティアは胸を張り

「そうですわ。ルクセオン共和国の大家、ロディオン家の嫡女。クレティア・ハーベルト・ロディオンですわ」


 アルシュは納得した。

 ルクセオン共和国の関係者か…。


 アルシュが前に出て

「ごめん、先生。彼女達は…ぼくに関係する人だった」

 そして

「失礼をした。自分はアルシュ・メギドス・メルカバー・ルー・ヴィクタリアです」


 それを聞いて女性教師が

「待った! とにかく、ここでの話は無しです。アルシュくん。行きましょう」


 クレティアが

「一介の教師に、わたくし達を止める権利はありませんわ!」


 女性教師が

「では、名乗りましょう。私は日光国皇族、南勝家の長女、アキコ内親王です」


 え!と女性教師こと、日光国皇族、アキコ内親王に全員が固まる。


 クレティアが困惑を見せ

「ええ…そんな皇族なんて…」


 女性教師ことアキコ内親王が毅然と

「ルクセオン共和国、ロディオン家嫡女、クレティア・ハーベルト・ロディオン。

 ヴィクタリア帝国、皇太子、アルシュ殿に何の謂われがあって、攻めているのですか!

 この学園都市戦艦ムツでは、国同士の問題を持ち出すのは禁止ですよ。

 幾ら大家の娘とはいえ、罰せられ、あまつさ…ヴィクタリア帝国とルクセオン共和国との外交問題に発展しますよ!」


 クレティアはグッと縮んだ後、「行くわよ!」とお供の二人を連れて去った。


 アルシュは、アキコ内親王へ

「ありがとうございます。アキコ内親王様…」


 アキコ内親王は、微笑み教師の顔で

「いいんですよ。私は、大切な私のクラスの生徒を助けたのですから」


「え!」とアルシュは戸惑いを見せる。

 

 アキコ先生は、アルシュの肩を持ち

「さあ、アルシュくん。クラスに行きましょう」


「はい」とアルシュは連れて貰う。


 


 クレティアは

「クソ、クソ、憶えてなさい! アルシュめ…」

と恨めしそうだった。

 彼女がアルシュに突っかかる理由は分かっている。

 先の、戦争についてだった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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