表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
12歳から

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/63

ヴィクティアの問いかけ

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


ヴィクティアは、アルシュの中にあるレッドリーレスに色々と質問する。


 オッス、オラ、アルシュ、十二歳の誕生日パーティーでアルテナとルシェルがケンカしたぞ。

 そして、その結果が…。


 アルシュは街を歩く、とあるモノの買い物の為だ。

 アルシュの左には、アルシュの左手を握って嬉しそうにするルシェルがいる。


 まあ…許嫁だから、良しとしよう…。


 だが…右手は、アルテナががっしりと握って離さない。

 

 なんだこの状況は?

 アルシュには疑問しか浮かばない。


 アルシュの状態、右手にアルテナ、左手にルシェルと両手に花のような、端から見れば羨ましい状況であるが…アルシュ自身、全く理解出来ない。


 数日前に、アルテナとルシュルはケンカした。

 そうなったら、余計に仲が悪くなるはずが…どうしてか知らないが、意気投合している。


 なぜだ?とアルシュには理解出来なかった。


 女心って分からん…。


 それしか、アルシュには思い浮かばなかった。


 ルシェルが

「アルシュ、あっちに行こう!」

 アルシュを引っ張る。


 アルテナが

「ダメよ。目的があるんでしょう! 先にそっちを終わらせないと!」


 アルシュを左へ右へ二人が引っ張る。

 大岡越前の、親子裁判状態になるアルシュ。

「二人とも…腕、痛い」


「ごめんなさい」と…二人は謝るが、手は離さない。


 アルシュが渋い顔をして

「まずは、目的が終わった後、色々と回ろう…」


「うん」とルシェルが肯き

「まあ…そうね」とアルテナは同意した。


 その光景を、一緒に来たノルンとカタリナ、付き添い保護者のアリアの三人が見て。

「微笑ましいですね」

とアリアが告げる。


 ノルンが腕を後頭部で組んで乗せ

「アルシュ…面倒な事に巻き込まれているなぁ…」


 カタリナがニヤリと笑み

「ノルン、羨ましいだろう!」


 ノルンは皮肉な笑みをして

「別に…思わないよ。あんだけ面倒だとね」


 全員が向かっている場所は、ゴーレムの部品が置いてあるショップだ。


 十二歳になった彼らは、家の生業であるゴーレム製造を勉強する為に、ゴーレムの部品を買いに来た。


 大きなレンガビルの店舗に入り、そこにあるゴーレムの部品を見て回る。


 代表的なゴーレムは、大体、三メータ前後のナイツクラスで、後のギガント級とキングス級は…ほぼ、見かける事は無い。

 ギガントは、まあ…大きな建築現場とか、製造所。

 キングスは、ほぼ、兵器でしかない。


 ゴーレムの構造は単純だ。骨組みとなる骨格に、様々な駆動用のアクチュエーターが備わり、胸部に人が乗る操縦席がある。

 人型のパワーショベルだ。


 アルシュ達は、ゴーレムのアクチュエーターを物色する。

 ノルンが、これが、何とかモデルとか…最新バージョンとか、色々と知っている。


 アルシュが

「軍用もここで仕入れるのか?」

 

 ノルンが

「いいや、軍用のゴーレムは、ここにある物で作られていないよ」


 アルシュが渋い顔をして

「屋台骨の骨組みにアクチュエーターを付けて動かすんじゃないのか?」


 ノルンが肩を竦め

「何れ、どうやって作るか…教えて貰えるから。今は…ここの一般部品で、遊んでおけって事だよ」


 アルシュがノルンを見つめ

「ノルン、お前は知っているのか?」


 ノルンは渋そうな顔で

「ちょっとね。黙って製造工場に忍び込んで…ね。怒られたけどね」


 アルシュが鋭い顔で

「何か…マズイ技術とか…」


 ノルンは、んん…と顔を渋くさせ

「そうじゃない。まあ、おいおい分かるからね」


「ああ…」とアルシュは自分を納得させる。

 まあ、アルシュのメルカバー家もゴーレムを作る一角だ、何れ知るだろう。


 とにかく、部品を調達、後日、アルシュの家の屋敷に配達して貰う。



 そして、6人は適当なウィンドショップを楽しむ。


 そうして、アルテナの家、正妃の城へ行き、ノンビリと過ごしていると、正妃ヴィクティアがアルシュを呼んだ。

 ヴィクティアの執務室に入ると、ヴィクティアが机の前で立っている。

 

 アルシュはお辞儀して

「どうも…どのような事でしょうか?」


 ヴィクティアがアルシュの元へ来て

「こちらに来なさい」


と、となりの部屋のソファー席に座らせ、その対面にヴィクティアが座り

「アルシュ、貴方の持っているレッドリーレスの力について詳しく聞きたいのですが…」


 アルシュが渋い顔をして

「その…ぼく自身もよく分からない事があるので…」


 ヴィクティアが

「未知の力なのですね」


 アルシュは頭を掻いて

「ぼくより、詳しいヤツがいるから呼びましょう。レッドリーレス!」


 アルシュの背後から、赤いドラゴンのオーラが出て

”なんだ?”

と、全体に響く音声を出した。


 ヴィクティアが驚きつつ

「もしかして、会話が出来るのですか? 貴方の力と…」


 アルシュは「まあ…」と頷き

「ねぇ、ヴィクティア様の問いに答えて貰って良い?」


”構わない”

と、レッドリーレスのオーラが答える。


 ヴィクティアが

「レッドリーレス、貴方は、アルシュを器としている力なのですか?」


 出て来たレッドリーレスが沈黙する。

 アルシュが

「どうしたの?」


 レッドリーレスが

”それはどういう趣旨で言っている。宿主の力の事を示しているのか? 

 それとも…質問に答える自分の事を尋ねているのか?”


 アルシュとヴィクティアは驚きを見せ、アルシュが

「いや、お前自身がレッドリーレスなんだろう?」


 答えるレッドリーレスが

”私は、このアルシュ・メギドス・メルカバーに宿る、ドッラークレス…超位存在の力の行く末を見守るトレーサーだ”


 ヴィクティアが

「つまり、アルシュの力を監視する存在なのですか?」


”肯定する”


 えええええええええええ!

 アルシュは内心で驚き固まる。

 今まで、レッドリーレスの力=質問に答えるコイツと思っていて、レッドリーレスの力の先のバージョンが、レアドであった全長十キロの巨大存在、ドッラークレス(超龍)だと思っていたからだ。


 アルシュが

「じゃあ、お前は…オレの力を監視する為に、取り憑いているだけなの」


 レッドリーレスが渋い顔をして

”その通りだが…。さっきからそう言っている”


 ヴィクティアが

「では、なぜ…そのようにアルシュを監視しているのですか?」


 レッドリーレスが

”もし、本来の力、ドッラークレスが発動していたら。

 このワールストリアにとって深刻なダメージが及ぼされる。

 そうならない為の、安全装置 兼 訓練装置でありドッラークレスの力を使いこなす知識を与えるシステムが我だ”


 ヴィクティアが

「貴方を作り出した者は誰ですか?」


 レッドリーレスは

”それは答えられない。だが…我を創造した者は、このワールストリアの発展を願っている。

 実際、ワールストリアにはアルシュ・メギドス・メルカバーのような者が何度も降臨している。

 その都度、我らがその者に入り込み、現在のように活動している”


 アルシュが真剣な顔で

「じゃあ、ジェネシス帝国や、七大連合の…」


 レッドリーレスは

”無論、我とは違うが、同じシステムが宿って、監視をしている”


 ヴィクティアは、今までの話を総合して考える。

 つまり、アルシュのような存在は、幾度もこの世界の来ている。

 そして、何らかは知らないが、この世界の発展を望む者が、アルシュのような者達に、このようなトレーサーを植え付けて、行く末を見守っている。

 当面の危険はないだろうが…さっき、創造主については、聞き出せなかった。

 おそらく、聞き出せないような事が多くあるかもしれない。


 ヴィクティアが

「アルシュが持っている力とは、どのようなモノなのですか?」


 レッドリーレスが

”超高次元、超位存在、事象観測変異エネルギー存在、次元ゲート接続存在”


 アルシュもヴィクティアも思った。

 何を言ってるのか全く分からない。


 アルシュが額を押さえ

「何が出来るの?」


”お前次第だ”


「いや、だから…具体的に…」


”お前次第だ”


 ………………


 全く、話が通じない。

 

 ヴィクティアが額を抱えつつ

「では、聞きましょう。アルシュの力は遺伝するのですか?」


”肯定する”


「では、どのように遺伝するのですか?」


”この者が、生殖によって子孫を残し、その子孫達に仮パスのような状態で遺伝する。

 そして、この者が死亡した場合には、この者が持っている記憶と知識…魂という存在が仮パスを持っている子孫達、よりこの者に近い子孫に譲渡される。

 そうして、子々孫々までの継承が続く。


 アルシュとヴィクティアは察する。

 考え方によっては、ヴィクタリア帝国の皇族が継承するドラゴニックフォースと似た所があるんだな…と。


 アルシュが

「じゃあ、ぼくと同じ者達が昔にもいたって事は…。その力を子々孫々まで伝えている一族がいるよね」


”残念ながら、現在では途絶えてしまった。

 確かに、子孫を残した者もいたが…子孫達は、様々な人による愚かな厄災に巻き込まれて途絶した。

 他にも、その力を恐れた者達によって、アルシュと同じく来た者も殺され途絶した”


 アルシュは、顔を渋くさせる。

 それは、まるで自分が将来、起こる運命を見たような感じだった。

 要するに、その力を恐れた者達によって尽く滅ぼされたのだ。

 人の性だ。自分より恐ろしい力を持つ者を信用出来ない。

 どんな凄い力があっても、それを生かす場がなければ意味がないのは当然なのに…。

 人は、己が以上の存在を恐れる。まさに人の業である。


 ヴィクティアがそれを聞いて眉間を寄せる。

 ショックであると同時に、アルシュと同じ人の愚かさを思った。


 ヴィクティアが

「では、アルシュに遺伝するであろうドラゴニックフォースは、どうなりましたか?」


”その因子は、アルシュの中で休眠封印されている。ドッラークレスがある限り、復活する事は無い”


「そうですか…」とヴィクティアは頷いた後…。

「では、そのドッラークレスとドラゴニックフォースの二つを持って存在する者は、誕生しないのですね」


”それは、アルシュの今後の生殖活動による、子孫によって決まる”

 

 ヴィクティアとアルシュは訝しい顔をして、ヴィクティアは

「どういう事ですか?」


”ドラゴニックフォースを覚醒した者と、アルシュとの間に儲けられた子孫は、ドッラークレスとドラゴニックフォースの両方を持った者として誕生する。

 現時点での、交配の性質として、アルシュと結ばれる者、子孫を残す異性の配偶者が持つ性質を、アルシュは自身のドッラークレスと配偶者が持っている力の性質の、両方持った子供が、最初の世代に誕生する。

 ただし、現時点では…その次の世代が同じ事をしても、結ばれた異性の能力を受け継ぐ確率は低い。

 これは、アルシュ自身が柔軟性がある因子の保有能力を有しているから、起こる”


 ヴィクティアが固い顔で

「では…もし、アルテナとアルシュとの間に子孫が誕生した場合は…

 その子供は、アルシュのドッラークレスとアルテナのドラゴニックフォースを受け継いだ両方を持った子孫として誕生するのですね」


 アルシュはそれを聞いて顔を渋くさせる。

 何を言っているんだ? アルテナとは兄姉だ。結ばれる訳が無い。


 レッドリーレスは

”それは現時点で不可能だ。倫理的という問題の為に、アルシュとアルテナは結ばれない。

 あり得ない可能性だ”


 ヴィクティアが

「もしも…話です」


 レッドリーレスが淡々と

”もしもの可能性なら、汝の言った通り、アルシュのドッラークレスと、アルテナのドラゴニックフォースの力の、両方を持った子孫が誕生するだろう”

 

 ヴィクティアは肯き

「そうですか。では、他にも二・三質問に答えてください」


 レッドリーレスより、色々と聞いた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ