表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
11歳から

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/63

アルシュとヴァルハラ

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


アルシュは、同じくレッドリーレスを発動するヴァルハラの後を追う。

 オラ、アルシュ、なんか、宝石が人を取り込んで巨大な双頭のドラゴンになったり、事態が訳の分からない事になったぞ。



 アルシュは、レッドリーレスで、ヴァルハラの青いレッドリーレスを追随する。

 ヴァルハラが追っている双頭のドラゴンは、夜景が輝く町に下りた。


 町は大混乱である。

 三十メータの双頭のドラゴンが咆吼を放ち、町の建物を破壊する。

 それにヴァルハラは、低空飛行で接近、懐に突貫を食らわせる。

 

 双頭のドラゴンの巨体が浮き上がり、背後にあった河川に落ちる。


 双頭のドラゴンが、河川を荒らしながら起き上がり、双頭の顎門を開いて、光線のブレスを吐く。

 それが、地面を這って町の方へ向かう。


「チィ!」

 ヴァルハラは舌打ちして、その光線のブレスの前に立ち、町への被害を防ぐ。


 ヴァルハラが盾として展開する青いレッドリーレス。

 それの前面に光線のブレスが衝突して、霧散する。


 このままでは埒が明かない。


 そこへ、アルシュのレッドリーレスの突進が双頭のドラゴンの脇から入り、双頭のドラゴンが転がる。


 光線のブレスが止まり、ヴァルハラは

「ナイス」

と、アルシュのアシストを喜び、倒れた双頭のドラゴンへ疾走。


 双頭のドラゴンの胸部へ、ヴァルハラは再び突貫して、自身が纏う青いレッドリーレスを両手に持つ、大型拳銃に集中。

「全く、バカなヤツだったぜ」

 

 大型拳銃の引き金を引くと、圧縮した青いレッドリーレスの力が双頭のドラゴンの胸部を粉砕し、双頭のドラゴンは息絶えて、河川へ沈んだ。


 倒れた双頭のドラゴンの上にアルシュが着地すると、双頭のドラゴンの体が光を放って分解していき、消えていく。

 消えた双頭のドラゴンの光が、最後の一欠片になると、あの艦橋を襲った男が握っていた宝石が出現、それをヴァルハラは回収した。


 アルシュはそれを見つめ

「終わったの?」


 ヴァルハラは無言で肯き

「助かった…」


 アルシュは首を横に振り

「いいよ。それより、これから面倒な事になるから…」

 

 アルシュは、河川の道路を覆い尽くす警察である治安隊の車両を見つめた。


 そう、双頭のドラゴンの事で、大量に駆け付けた。


『動くな! 手を上げろ!』

 治安隊が、銃剣を構えてアルシュとヴァルハラに向ける。

 ヴァルハラはその場に座り


「後の事は、任せろ」


 アルシュも同じく座り

「うん。何とかしてね」

 

 二人は捕まった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆


 アルシュは治安隊の客室にいた。


 アルシュの身分は、ハッキリしている。

 ヴィクタリア帝国、皇帝の庶子で、それが信用を…いや、まあ…国の打算で、丁重に扱うとされ、お菓子と紅茶まで付けてくれる好待遇だ。

 

 アルシュはお菓子と紅茶を食べながら

「ここ…どこだろう?」


 そう、呟いていると、部屋のドアが開き。


「どうも…アルシュくん」

 ニコニコと営業スマイルの男、スーツではない。制服で、胸元に階級を示すバッチと、勲章がぶら下がっている。

 この国の軍関係の人だろう。


「どうも…アルシュ・メギドス・メルカバーです」


 自己紹介して置いた方が無難だ。


 男性は肯き

「礼儀正しいなぁ。私は、この国…インダルネシア連邦国の軍に所属する。

 トルーティだ」


 アルシュはトルーティを見つめ

「ぼくは、どうなるんですか?」


 トルーティは微笑み

「心配ない。君と一緒にいた者達が迎えに来ている。直ぐに会えるだろう」


 アルシュはちょっとホッとして

「そうですか…」


 トルーティが

「だが、君にお願いがある。今晩、あった事は秘密にして欲しい」


 アルシュは「ああ…」と唸り

「はい。どういう風に、みんなにお話をすればいいですか?」

 

 トルーティはニヤリと怪しい笑みをする。

 アルシュの察しの良さに、歓心する。

 アルシュは、皇帝の妾腹という事で、国でも色々と苦労があり、そのように察する力が付いたのだろう…と、理解出来た。


 トルーティは告げる。

「今回の事は、偶々、飛翔船に小型のドラゴン型ウェフォルが衝突、それに巻き込まれた。

 その対処をしたのは、我が軍の特別な力を持つ部隊によって処理された…と」


 アルシュは肯き

「分かりました。じゃあ、ぼくは…」


 トルーティが

「ああ…まだ、君と話がしたい人がいてね。いいかね」


「はい」


 トルーティがドアへ行き、その人物達を入れる。

 ヴァルハラと、金髪の美女だ。


 アルシュは、ヴァルハラは知っているとして、金髪の美女を見つめる。

「あの…貴女様は…」


 金髪の美女は微笑み

「わたしは、七大連合国を纏める組織、ミッドガルの総統括

 フレア・オーディンよ」


 アルシュは察した。

 そう、ミッドガルのトップだ。

 ヴァルハラを見て

「ぼくにどんな…」


 フレアは、左にいるヴァルハラの頬を抓み

「ごめんね。コイツの所為で、面倒に巻き込んで…」


 ヴァルハラは、されるがままだ。


 フレアが

「君に秘密にして貰う代わりに、本当の事を教えるわ。まあ、ヴァルハラが、色々と喋ってしまった所為だけどね」


 ヴァルハラがアルシュを見つめる。

 警戒ではない。どこか…見守るような柔からさがある。


 フレアが告げる。

「今回、とある新型魔導兵器の強奪があったの。それはまだ…未完成で危険な代物だった。

 ヴァルハラは、それの奪還を遂行していた。

 だけど、その兵器が発動した。君が見た通り、人がドラゴンに変身した。

 でも、本来はそういう兵器じゃあない。未完成だけど、使い所があったから強奪され

 君がそれに遭遇した」


 アルシュは「はぁ…」と溜息を漏らし

「分かりました。この事は胸にしまって置きます。ですが…父上や、正妃様達に問い詰められた場合は…」


 フレアは

「問題ないわ。きっと公にしないでしょうし…一・二年後の完成した場合には…多くの国が知るでしょう。それまでの間、広まらなければいいわ」


 アルシュは納得して肯き

「分かりました。では…そういう事で…」


 フレアは微笑み

「ヴァルハラの言う通りね。君は物わかりがいい。ヴァルハラと同じ輪廻(サン)転生(サーラ)だけはあるわ」


 アルシュはヴァルハラを見つめ、二人の視線が交わる。


 アルシュが

「ぼくは、日本で死にました」


 ヴァルハラが

「オレは、中東のインダス川中流域だ」


 アルシュとヴァルハラは無言になる。


 フレアがヴァルハラを見つめ

「二人にしか分からない事?」


 アルシュは俯き、ヴァルハラは左を向く。


 フレアが立ち上がり

「そういう事だから、よろしくね。アルシュくん」


 フレア達が居なくなった後、ノアドとユースに二人が来てくれた。


 ノアドが

「全く! お前は!」

 怒っていた。


 こうして、二人に連れられて、アルテナ達が宿泊するホテルへ行った。

 明日、ヴィクタリア帝国へ行く飛翔船の手配がしてあり、直ぐに行けるらしい。


 ホテルに行くと、心配したアルテナがアルシュに抱き付き、それにルシェルが嫉妬して、離そうとしたり、ノルンとカタリナが微笑ましく、その取り合いを見つめる。


 寝るとき、右にアルテナ、左にルシェルと抱き付いているベッドにアルシュは


 寝返りが打てない…。


 上を向いて寝るしかない。


 アルシュは目を閉じながら思う。

 自分以外に、同じように、このワールストリアの転生した者がいた。

 きっとヴァルハラ以外にも…。

 考えて混乱してき。


 休もう…とアルシュは目を閉じて眠った。



 ◆◇◆◇◆◇◆


 ヴァルハラは、ミッドガルが投資して建造した、アーコロジー(完全環境都市)の特別待遇室にいた。

 アーコロジーの外側にある夜景を見つめるヴァルハラに、バスローブ姿のフレアが近付き

「あのアルシュって子、並大抵ではないわねぇ…」


 ヴァルハラは目を細め

「当然だ。オレと同じなら…そうだろう」


 フレアがヴァルハラの肩により掛かり

「そうね。アナタも子供の頃から並大抵じゃあなかったわ。私達の味方になると思う?」


 ヴァルハラは真剣な目で

「それは分からない。アイツが取り巻く環境によって変わる」


 フレアは肩を竦め

「そう…じゃあ、わたし…ベッドで待っているから…」


 フレアが去った後、ヴァルハラはシャワーを浴びに行きながら

「まあ、敵同士になると…世界が潰れるわなぁ…」


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ