表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
11歳から

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/63

ヴァルハラの襲撃

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


ヴァルハラの襲撃事件にアルシュは巻き込まれ


 オラ、アルシュ。突然の銃撃で、アルテナを背負って逃げているけど…飛翔船が傾いて来た。このままだと…。


 アルシュは、廊下をアルテナを背負って走る。

 早く、ユースとノアド達と接触した方が無難だと判断して…。

 その走る廊下は少し傾いていた。

 そう、乗っている飛翔船が、降下しているのだ。


 アルシュが背負うアルテナが怯えて、アルシュに必死にしがみつく。

 何とかして、アルテナを守らないと…気概を背負いユースとノアドのいる客室に来て

「ユースさん、ノアドさん!」

 ドアを開けると、二人が窓から外を見ていた。


 ユースがアルシュ達に駆け付け

「大丈夫かい?」

 

 そう、二人は事態が悪化しているのを察していた。


 ノアドが窓の外を見ると「マズイ…」と漏らす。

 アルシュは、ユースに「アルテナを…」と渡そうとするも

「イヤ!」

 アルテナは、背中から下りようとしない。

 手間取っている間に

「ユース兄さん、ノアド兄さん」

とルシェルに、ノルンとカタリナの三人が来た。


 アルシュを見つけた三人は、事態が悪い方向へ向かっていると察する。

 

 アルシュは仕方なく、アルテナを背負ったまま窓の外を見るノアドの元へ来て

「どうなってます?」


 ノアドが地上を顎で示す。

 アルシュは見つめると、夜景の明かりが迫っていた。


 ノアドが渋い顔をして

「まだ、ここは陸地の真ん中だ。このまま降下すると地面へ不時着か…激突して」


 アルシュはこうなっている原因を考える。

 まず、思った事は、アルテナの部屋の隣であった襲撃だ。

 そして、逃げる者と、それを狩る者。

 恐らくだが…逃げる者が狩る者から逃れる為に、飛翔船の艦橋に行き、この飛翔船を降下させているだろう。


 どうする? 自分のレッドリーレスを使えば、ここにいる全員は助けられるが…。

 

 そう考えていると、ドアの向こうで小さな子供を抱えている母親が

「何かあったの?」

と、必死に事態を知ろうと奔走して、幼子が必死に母親に抱き付いている。


 アルシュは「はぁ…」と集中する溜息をして

「アルテナ…」

と、背中から下りようとしないアルテナに呼ぶ掛ける。


「怖い、このままで居させて!」

 アルテナが叫ぶ。

 

 アルシュは渋い顔をしてノアドにアルテナがいる背中を向け

「ノアドさん」


 ノアドは自分にアルテナを預けようとする、アルシュを察して

「分かった…」

 アルテナを無理矢理にアルシュから引き剥がす。


「いやあああああああああ」

 怯え怒るアルテナを、ノアドは抱えて


「お前は…どうする?」


 その問いにアルシュは

「この原因を探ります。もしもの場合は…全員に渡したブラードダイヤの力で、脱出できる筈」


 ノアドは厳しい顔をして

「止めろと言っても行くんだな」


「はい」


「分かった。オレとユースに任せろ」


 ルシェルが心配げな顔で

「大丈夫なの…?」


 アルシュは微笑み

「ヤバくなったら逃げてくるから」

 そう言い残して、部屋から出て行った。




 飛翔船の操縦をする艦橋では、ヴァルハラから逃れた男が、数人乗員を魔法の力で出来た弾丸を発射する杖と銃が合体した銃剣を手に、操縦出来る乗員を無理矢理従わせて、飛翔船を降下させていた。

 

 操縦する乗員が

「このままだと、市街地に落ちて大惨事になるぞ!」


 脅す男が

「うるせーーー 言われた通りにすればいいんだ!」

 男は怯えていた。

 まさか、アイツが…ヴァルハラ・ヴォルスングが来るとは思わなかった。

 三人して、とある場所から盗んだコレが、飛んでも無い事は知っていた。

 コレを、コピー出来る工場で量産すれば、間違いなく大儲け出来る。

 外国へ逃げれば、追っ手も来ないと予想していたが…結果は、こうして危機を迎えていた。

 男は懐のポケットから、盗んだとある宝石を取り出して

「これだけは…」

と、握り閉めた瞬間、ドン!と艦橋と廊下を繋げるドアが激しく叩かれる。


 

 ドアの向こうには、ヴァルハラがいた。


 ヴァルハラは、三十センチオーバーの大型拳銃を持ち、強烈なカスール弾頭で、目の前にある鋼鉄のドアを破壊しようとしたが…凹んだ程度だった。


「チィ」とヴァルハラは舌打ちして

「さて…どうしたモノか…」


 ドアの向こうから

「来るなーーーー ここには、まだ! 人質がいるんだぞ!」

 男が叫ぶ。


 ヴァルハラは呆れた顔をして

「それで? そいつを殺しても、オレは飛翔船を運転出来る。

 お前がその人質を殺しても、オレの予定は変わらない。

 オレはお前を殺す。そして物を回収する。終わりだ」


 ヴァルハラは、残りの大型弾頭カスールを確認する。

 あと…15発。

 問題なく、ドアを止めている蝶番を破壊して、ターゲットを殺してもお釣りが来る。

「さて…」

 あと、三発で蝶番が破壊され鋼鉄のドアが開く。


 艦橋にいる男は、周囲の物を倒して、大きなバリケードを築き

「クソ、クソ、クソ」

と身を潜める。


 


 ヴァルハラが蝶番に狙いを定めていると、その背に

「何をやっているの?」

 アルシュが来た。


 ヴァルハラはアルシュを横見して

「お前には関係ない。下がれ…」


 アルシュは苛立った顔をして

「関係ある。こっちは巻き込まれたんだから」


 ヴァルハラは無視して、大型拳銃の引き金を引いた。

 轟音と共に、鋼鉄のドアに穴が開いた。


 あと…一発でドアのロックは役立たずになる。


 アルシュが、その照準の前に立ち

「ちょっと、こっちの話を聞いてくれ!」


 ヴァルハラが威嚇の顔で

「どけ! ガキ!」


 アルシュは引かずに

「おじさん、ぼくの事…知っているよね。さっき、ぼくを見て笑ったよね」


 ヴァルハラは、苛立った顔で

「お前には、関係ない! 下がれ! 下がらないと…」


 アルシュは首を横に振り

「イヤだ! それに…」

と、ポケットからあの宝石を出した。


 ヴァルハラは鋭い顔をして

「おい、お前…それを…」


 アルシュは冷静に

「さっき、おじさんが襲撃した時、おじさんが殺した人が落としたモノだよ」


 ヴァルハラが声を鋭くさせ

「それを寄越せ!」


 アルシュが

「ぼくの質問に答えて!」


 ヴァルハラは苛立つも、大型拳銃を下げ

「で…なんだ?」


 アルシュが

「何が起こっているの?」


 ヴァルハラは

「バカ野郎共が、盗んじゃあいけない物を盗んで、その後始末だ」


 アルシュは

「じゃあ、もし、おじさんが…目的を達成した後。どうするの?」


 ヴァルハラは「はぁ…」と溜息を漏らし

「オレは、飛翔船を操縦出来る。だから、降下している飛翔船を、無事な場所に下ろして

 後は、逃走する」


 アルシュは考える。

 つまり、この人が目的を達成させれば…早くこの状況を何とか出来る。

 でも…信用出来るのか?


 ヴァルハラが

「オレの名は、ヴァルハラ・ヴォルスング。七大連合国を纏めるミッドガルに所属している。

 ここは、七大連合国の土地だ。ヘマをするようなマネはしない」


 アルシュは、ヴァルハラを見つめる。

 真っ直ぐこちらを見ている。

 んん…ウソを言っているようには見えないか…。

 状況としても信じるしかない。

「分かった」

と、アルシュはドアから離れ、ヴァルハラに拾った例の宝石を投げて渡す。


 ヴァルハラは笑み、宝石を受け取り懐へしまい

「チャンと言った通りの事はする。約束だ。出来ない約束はしない」


 ヴァルハラは、大型拳銃をドアに向け発砲、ドアの蝶番が完全に破壊されドアを蹴って開けると。

 

 ターゲットの男が、盗んだ例の宝石を右手に持ち

「はははははは! お前が原因だからな!」


 ヴァルハラは苛立ち

「キサマーーー」


 それをアルシュは後ろから驚愕で見ている。


 ターゲットの男は宝石を握り力を込めると、宝石が簡単に砕けて、その中にあった力を解放する。


「ク」と、ヴァルハラは発砲するも、男が発生した力がそれを消して、男を中に入ると…たーげっとの男の体が歪に曲がり膨れあがって艦橋の天井を突き破る。

 

 アルシュは、何が起こっているんだ?と驚愕で見つめる。

 

 天井が破壊されて膨張する肉塊が、形を形成する。

 それは飛翔船の半分もの大きさがある全長30メータの双頭のドラゴンだった。


 そう、ターゲットの男は、双頭のドラゴンに変貌した。


 そして、双頭のドラゴンが飛翔船から飛び出して、背中にある翼手で飛翔し、眼下にある町へ下りる。


「クソッタレが!」

と、ヴァルハラは叫び、開いた壁から夜の空へダイブする。


「えええええ!」

 アルシュは、追っかけて見ると、ヴァルハラが、アルシュのレッドリーレスと同じ色違いの青い龍のオーラを発生させて纏い、双頭のドラゴンを追跡する。


 アルシュは「はあ…やっぱり」と呟いた。

 何となく、インドラの時のような威圧と気配を感じていたので、もしかして…同族?では…思っていたから。


 そこへ人質で操縦していた乗員が来て

「君も危ない。ここから離れるんだ」


 アルシュは、乗員を見て

「こんな状態でもこの飛翔船、操縦できますか?」


 乗員は肯き

「大丈夫だ。何とか操縦系とは無事だから、下りられる港へ着陸するよ」


「そう、良かった」

と、アルシュはヴァルハラと同じく夜の空へダイブして、レッドリーレスを展開、ヴァルハラを追った。

 

 それを見た乗員が「なんだこれは?」と驚愕していた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ