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ぼく最強の皇帝になります!  作者: 赤地鎌
11歳から

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23/63

アルシュの誕生日

次話を読んでいただきありがとうございます。

よろしくお願いします。


妾腹であるアルシュが、アルテナと同じ正式な皇帝の子としての誕生日パーティーが催されたが…

 

 オラ、アルシュ、ついに11歳の誕生日を迎えた。

 そんで、どうしてか分からないが…正妃ヴィクティアの城でオレの誕生日パーティーをするそうだ。

 なんでだ?



 アルシュは、奥の大きなソファー席に座って自分の為に行われる誕生日パーティーを見つめている。

 アルシュの隣には、父親でヴィクタリア帝国の皇帝アルファスが座っている。

 母親は、その前の席で、正妃達六人と一緒に大きなテーブルに座っていた。


 アルシュが右にいる父に

「ねぇ…どうして、ぼくの誕生日をここでやるの?」


 父アルファスは

「当然だろう。お前は私の息子だからだ」


 アルシュは眉間を寄せる。

 自分の立場は、庶子、妾腹だ。

 それがこんなに大々的に誕生日パーティーをするなんて、信じられない。


 いや…もしかしたら…そうしなければならない理由が…。


 そう、アルシュは勘ぐっていると

「アルシュ兄様ーーーー」

 側室達の娘達が来る。


 アルファスの子供の関係は

 正妃ヴィクティアは、長女アルテナと、次女ヴィクトリア。

 側室はカラーで示されている。赤、青、黄、緑、白の五人。

 正直、側室の持つカラーはその髪の色で決まっている。


 レッドのエレオノーレ様。

 エレオノーレには、9歳の長女エリミス、7歳の次女リティア


 ブルーのソニア様。

 ソニアには、9歳のニアス、6歳のアミリア


 イエローのメルティア様。

 メルティアには、8歳のティリーナ、7歳のエカティリーナ


 グリーンのジャンヌ様。

 ジャンヌには、8歳のジャクリーヌ、7歳のシャルアナ


 ホワイトのルベリア様。

 ルベリアには、9歳のルーティア、8歳のベアトリス


 つまり、アルファスは十二女一男の多くの子持ちの皇帝様だ。


 男女比極端すぎと、アルシュは常々、思っていた。


 11人の妹達が、アルシュに駆け付け

「アルシュお兄様! お誕生日おめでとうーーー」

 全員して声を出す。


 エカティリーナが

「アルシュ兄様、レッドリースに乗せて!」

 

 アルシュはアルファスを見て、アルファスは肯き

「やってあげなさい」


「うん…」とアルシュは、11人の妹達と共にパーティー会場から出られる中庭に来ると、レッドリーレスを展開。

 もちろん、高密度でないオーラ状態で発動。

 そのオーラの5メータクラスのレッドリーレスの背中に、妹達を一人づつ乗せる。


 妹達は、珍しいアルシュの力に喜び、高い場所からの風景に喜び。


 エリミスが

「アルシュ兄様! 中に入れて泳がせて!」


「ああ…うん」とアルシュは、レッドリーレスのオーラの中に妹達を入れると、妹達は楽しそうにレッドリーレスのオーラの中を泳ぐ。


 それをパーティーに来ている来客達が見つめる。


「あれが…アルシュ様の…」


「ええ…なんでも、密度を上げると赤い高純度のロゼッタストーンの塊になるらしいわ」


「噂では、その力で山を一つ消したとか…」


「そして、カメリアで…レアドの穴であった戦闘に現れたのが…」


 そこへ正妃のヴィクティアが来て

「皆さん。今日は楽しい誕生日パーティーですので…。楽しんでいってください」

 ビジネススマイルをするヴィクティア。


 噂をしていた来客の貴族達や、軍のエリート達は、ビジネススマイルで

「ありがとうございます。ヴィクティア様」

と、やんわりした返事した。


 ヴィクティアが去って行くと

「おお…コワ…。噂を聞かれていたら…どんな風になるか…」

と、また、噂話をする。



 妹達が存分にアルシュのレッドリーレスの力で遊んだ後、アルシュをパーティー会場へ引っ張って戻し、そこへ大きなバースデーケーキが運ばれる。


 本当に豪華なパーティーだ。


 時期皇帝であるアルテナの時のようなリア充パーティーだ。


 それにアルシュは、ちょっとした居辛さを感じる。


 その正妃の城へとある人物が来る。

 その人物は、パーティーの招待状を持つ南方陸軍大将の友人として、アルシュのパーティー会場に来た。

 チェックするガードが、その人物を怪しみ見つめると

「ま、まさか…ジェネシス帝国の…」

 その人物は微笑む。

 

 大きな体、豪放磊落を絵に描いたような男である。

 ジェネシス帝国八将軍の一人、ラエリオン卿だった。


 ガードが連絡を入れるが…


「私が信用できないのかね!」

南方陸軍大将が吼える。


 ガード達は怯むとそこへ、ヴィクティアの秘書のアリアが来て

「連絡を聞きました」


 南方陸軍大将が

「これはこれは、正妃様の寵愛を受ける秘書殿が…何の用だね」

 どこか、皮肉がこもっている。


 それにラエリオンは呆れた顔を見せる。

 そう、ヴィクタリア帝国の軍は、陸軍、空軍、海軍と険悪な感じなのを察したが…

 まあ…自分の所も、軍の派閥によって険悪な関係もあるか…と思う。


 アリアが南方陸軍大将を見つめ

「これは、大事な誕生日パーティーです。無用な事を持ち込むのは、どうかと…」


 南方陸軍大将が鼻で笑い

「今更、アルファス様のご長男を、正式に認めるなぞ。片腹痛いわ! 

 散々、ない者としてご長男様を扱ったくせに。

 使えると思ったら、祭り上げか!

 この汚れた権力の獣共が!」


 空気が悪くなるそこにラエリオン卿が

「まあ…落ち着いてください。自分のワガママでこうなっているのですか…。

 良いのですよ」


 そこに外の空気を吸いに来たアルシュが来て

「どうしたのアリアさん?」


 アリアはアルシュを背に隠し

「何でもありません」


 それに南方陸軍大将が

「おお、ご長男のアルシュ様! こやつ等が、アルシュ様の誕生日を祝いに来たのを

 邪魔するのですぞ!」


 アルシュは横から南方陸軍大将を見ると、制服に陸軍の大将の紋章が見えた。


「はぁ…」とアルシュは溜息を漏らし

「アリアさん。通してあげて」


 アリアが渋い顔で

「しかし…」


「お祝いに来てくれた人を、無下に帰すは良くないよ」


 アルシュの了承が出たので、渋々、アリアは南方陸軍大将とラエリオン卿を入れた。


 ラエリオン卿がアルシュに

「ありがとう。君は本当に良い子だ。お父様やお母様も嬉しい筈だよ」


 アルシュはフッと一瞬だけ皮肉に笑んだ。

 この誕生日パーティーは、何かの布石が含まれているので、素直に喜べないのだ。


 ラエリオン卿はその僅かな、11歳の子供に似合わない皮肉な笑みの一瞬を見逃さなかった。

 インドラと同じ、何か深い思考を持ち合わせているのを知った。


 アルシュとラエリオン卿が見つめ合っているそこへ、誕生日パーティーに来たディリアが

「アルシュ」

と、来たがラエリオン卿に気付き、アルシュの前に立つ。


 アルシュがディリアに

「どうしたの?」


 ディリアがラエリオン卿を凝視して

「コイツは…ジェネシス帝国八将軍の一人

(ホワイト・)将軍(ジェネラル)ラエリオン・オルタルス・ギャラルフォルン卿だ」


 ラエリオン卿はお辞儀して

「初めまして、アルシュ・メギドス・メルカバー様」


 アルシュは眉間を寄せ

「ああ…よろしくです」


 何となく察する。自分の事を探りに来たのだ。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

ありがとうございます。

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