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大正解

 エルメル達がマミー達のリポップを待っているときであった。


「ん? 今何か通ったでござる?」


 不意に、何かが脇をすり抜けていったような感覚があったのだ。


「う~ん……特に感じなかったような?」

「気になるなら確認しに行こうぜ。どっちからどっちに行ったか分かるか?」

「向こうでござるよ」


 特には、と首をかしげる†フィフィ†だったが、エルメルはごまイワシの感覚を優先して提案。

 ごまイワシが指したのはピラミッドの奥へと繋がる方向で。


「何もなかったんなら戻ればいいし、ゴーゴー!」


 それを確認して駆け出すエルメル。

 他の三人も、それに素直についていき。

 ……たどり着いたのは、ホルスの遣いが群れるボス部屋直前の広間であった。

 そこには――、


「んげ!? 誰か居やがる!?」


 このピラミッド内部へ、転送してくれるはずのスフィンクスが一体。

 しかも、明らかにばつが悪そうな表情を浮かべていて。


「ん~? なんでこんなところにこいつが居るでござるかぁ?」

「マップに設置されている筈のNPCが動く事態とは何が考えられるか。簡潔に示せ。配点十点」

「はい! 先生! ズバリイベントだと思います!」


 にったりとした笑みを浮かるごまイワシと。

 急に試験問題風の口調で問い始めるマンチ。

 そして、急に学校風に手を上げて回答するエルメル。


「そんな時はどうするのが適切か。†フィフィ†君」

「はい! とりあえず殴ってみたいと思います!」


 次にマンチ先生が振ったのは†フィフィ†へ。

 その†フィフィ†は、あろうことかスフィンクスへと全力で振りかぶった拳を突き出そうとして。


「チッ! もうええわ!! くそったれが!!」


 †フィフィ†の拳がスフィンクスへと届く直前。

 悪態をついて吐き捨てたスフィンクスの体が、巨大化し。


『拠点ボス、『王家の守護者:スフィンクス』が出現しました』


 四人へ、そんなシステムアナウンスが表示された。



 イエローデザートの図書館。

 そこで、様々な情報の中から敵に関する情報を拾っているのは紫陽花。

 レイドモンスター、『オアシスイーター』の情報が載っていた本にはそれ以上の情報はなく。

 どんな些細な情報でも、エリアボス、拠点ボスに繋がりそうな情報を見落とすまいと。

 探している途中で、()()は起きた。


「何!?」


 突如としてけたたましく鳴り響いた警告音。

 読んでいた本を放り出して何事か、と外に出てみれば、特に変わった様子はなく。

 けれども、イエローデザートにいた全員にその警告音が届いていたらしく、他のプレイヤーも辺りを見渡している。

 ――と。

 ぐにゃん、と。

 突如として町の中央部。露店などがひしめく広場の中心が、大きく歪んだ。

 と同時に、


(ん? 町の中なのに攻撃スキルが解放された? なんで?)


 困惑する状況が発生。

 本来、イエローデザートやブルーリゾートといった町の中では、回復スキル以外のスキルが使えない仕様となっている。

 それなのに、突如としての解禁。

 それはもはや、何かしらが今から起こることの表れであり。

 そのことを察した紫陽花も、臨戦態勢を整える。


「我が身に宿れ轟雷よ。霹靂(へきれき)よ。武器と成りて滅ぼす力に。防具と成りて、阻むものを打ち倒す力に!!」


 転職後に追加された一フレーズも忘れずに詠唱し、自身の体に雷を纏う。


「[雷装:金鼓猿]!!」


 そして、タイミングがいいのか悪いのか、戦闘態勢を整えた直後。


「成功か!?」

「多分!!」


 大きく歪んだ広場の中央に、プレイヤー数人と、二メートルを超す巨体が出現して。


『エリアボス、『守護されし王家の末裔:ツタンカーメン』が出現しました』


 というアナウンスが、町に居たプレイヤー全てへと通達される。


「正解だったんだ」

「クラマス!? 何か用事があるって言ってませんでした!?」


 ツタンカーメンとアナウンスされた敵のすぐそば。

 そこから、紫陽花の方へと跳んできた人影からは、見知った声が聞こえてきて。


「うん。これがその用事。ピラミッド内で引き籠っているボスを無理くり外に出そうとしててさ」


 叫び声をあげた紫陽花に、【ベーラヤ・スメルチ】のクランマスター、琥珀は気怠そうに答えた。


「成功したんだけど、まさか本当にエリアボスだったとはね」

「だったとはね、ではなくですね!?」


 二人でそんなやり取りをしていると、既にツタンカーメンへと殴りかかるプレイヤーが多数。


「ほらほら、行ってきな。私は射撃ポイント探してそっから撃つから」

「は、はい! 行ってきます!」


 担いでいた火縄銃から近代的な見た目のスナイパーライフルへと持ち替えながら、琥珀は紫陽花の背中を押して。

 押された紫陽花も、押された勢いを種火に地面を蹴り。


「なんか分かんないけどとりあえず倒せばいいのよね?」


 理解は追いついていないが、それでもツタンカーメンを倒せばいいという事だけは理解して。

 ツタンカーメンへの顔面へ向けて、拳を振りかぶるのだった。

スフィンクス→王家の守護者。守るためにツタンカーメンをピラミッドに軟禁している『拠点:ピラミッド』のボス。


ツタンカーメン→守られている王家の末裔。倒されるとマズいからとスフィンクスにピラミッドに軟禁されていたエリアボス。

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