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超ガソでフィニッシュ

 空気を切り裂き。

 ツタンカーメンに向かって真っすぐ伸びる弾丸の軌跡は。


「無駄である」


 巨大ツタンカーメンの額から出てきた本体の()()()()によって、体に当たる前に掴むという無茶苦茶な方法で防がれていた。


「矢捌き!? いや、銃弾でなんて初めて見たでござるが!?」

「どっちにせよ人間にゃ不可能だろ」


 発砲音が聞こえた瞬間に、ツタンカーメンに避けられたことを想定し、琥珀たちとツタンカーメンを挟む位置へと跳んだエルメルと。

 そのカバーを狙って跳んでいたごまイワシが、空中でツタンカーメンの行動に驚いて。


「本体がこんな強いなんて聞いてねぇぞ……」


 魔法や砂による攻撃しか知らないマンチが、ツタンカーメンの肉体能力を垣間見て軽く絶望する中。


「ふっ!」


 小さく息を吐いて、†フィフィ†がツタンカーメンを目掛けて跳躍し。


「速く。ただただ速く。[アクセルショット]!!」


 一発目を放った瞬間即座にリロードし。

 二発目の鉱石の弾丸を放った琥珀。

 その弾丸は、寸分狂わず一発目と同じ軌道を描き。

 それは、一発目の銃弾を受け止めたままのツタンカーメンの、握った銃弾の背にぶつかると、当然の如く押し込んで。


「むぅっ!?」


 掴んで止めたはずの銃弾が、握った手の中で進む感覚に、思わず慌てて両手で二発の銃弾を握りしめると――。


「[ハイキック]!!」


 その手を、下から蹴り上げる†フィフィ†。

 すると、


「ぐっ!?」


 意識外からの攻撃に、元々余裕の無かったツタンカーメンの手から、二発の銃弾が空へとこぼれ。


「エルちゃん!! [エアキック]!!」


 視線の先にいるエルメルに向けて、空中に放り出された銃弾を蹴飛ばす†フィフィ†。


「よくやった!! [横薙ぎ]!!」


 自分に向けて蹴り飛ばされた二発の銃弾。

 それを、当初の予定とは違うがツタンカーメンへと弾いたエルメル。

 しかし……、


「やらせてなるものか!」


 ツタンカーメンもそれを察知し、巨大化した体の砂を使って砂虎を作成。

 自分とエルメルの間に入れることで、弾丸を防ごうとした。

 ――が、


「[使役律令:撃]!!」


 その砂虎は、マンチのスキルによって出現した巨大な腕の一撃で弾き飛ばされて。


「往生せぇやあぁっ!!」


 エルメルの叫びと共に、銃弾がツタンカーメンの後頭部へと突き刺さった。

 ――瞬間。

 まるで溶けたように、魔力を失って形を保てなくなった巨大化したツタンカーメンの体が砂へと返り。

 ツタンカーメンの体が、自由落下を開始。

 何とか砂を集めようとするも、魔力が一時的になくなっているため何も出来ないツタンカーメンへ。

 最初に肉薄したのはごまイワシ。


「満開の桜を散らすでござるよ」


 [フラッシュバック]でクールタイムをリセットしながら。

 特に下方向から斬り上げることで、衝撃を上方向に発生させ、自由落下の時間を少しでも伸ばしながらツタンカーメンへと桜吹雪をお見舞いする。

 それに次いで、


「[バレットダンス]!!」

「[フェザーウインド]!!」


 琥珀、黒曜ペアが追撃のため、桜の花びらの隙間を搔い潜るように攻撃を通す。

 琥珀はサブマシンガンの連射を。

 黒曜は羽ばたきで発生させた風で。

 さらに、


「[オーラブレード]!! からの[パープルレイン]!!」

「上上下下左右左右BA!!」


 遠距離スキルと追い打ちをお見舞いするマンチと、コ〇ミコマンドを詠唱しながら[ブレイクダンス]

中の攻撃を叩き込む†フィフィ†。


「ぐっ……」


 そんなプレイヤー達の猛攻を、可能な範囲で防いでいたツタンカーメンだったが……。


「[刃]!!」


 突如として空中で加速し、肉薄してきたエルメルへの対応は、当然遅れた。

 肉薄され、加速をもって一撃を入れられたツタンカーメンの落下速度はあがり。

 突如として離れたボスとの距離を詰められるのは、移動スキルを持つエルメル、ごまイワシ。

 そして、最初から空を飛んでいる琥珀ペアのみ。

 

「[速]!!」


 ただし、距離を詰められるだけで、実際に攻撃が可能なのは連続攻撃中のエルメルのみであり。

 どれだけスキルを繋いでも同じ距離にいるツタンカーメンへと手が出せないと悟ったごまイワシは……。


「エルたそがぁぁぁっ!! 捕まえてぇぇっ!!」


 せめて配信を見ている視聴者を楽しませようと、某有名な電波実況をスタート。


「笑うからやめろごまぁっ!! [華]!!」

「エルたそがぁぁぁっ!! 画面端ぃぃっ!!」


 吹き出すのをこらえ、追撃を行うエルメルと。

 言われたことを無視し、さらに実況を続けるごまイワシ。

 ――と、ここで、


「ふんっ!」


 魔力が戻ったのか、自分の周りにある落ちている砂を集め、剣の形を象らせてエルメルへと振るうツタンカーメン。

 ……だが、


「動きが遅ぇぇ!! [後の先]!」


 追撃中のスキルを一時中断。カウンターへと方向を変えたエルメルによってきれいに対応され。


「反撃読んでぇぇっ!! まだ入るぅぅっ!!」


 ついでにごまイワシの実況にも対応され。


「マジでやめろごまぁっ!! [縦横武刃]!」

「絶対に嫌でござるぅっ! エルたそがぁぁっ! つ……近づいてぇぇっ!!」


 反撃後、距離を詰めるエルメルと、実況もヒートアップしてきたごまイワシ。

 そして……、


「[断]!!」


 落下速度の後押しを受けて繰り出された突きは、ツタンカーメンの腹へと直撃し。


「エルたそがぁぁぁっ!! 決めたぁぁぁっ!!!」


 ごまイワシの電波実況が叫び終わった瞬間、ツタンカーメンは地面へと叩きつけられたのだった。

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