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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode19 理系女子の逆襲
329/333

第329話 あおば通りの大騒動

おはようございます。

今月初投稿です。

 女性型アンドロイド、ヴィーナス01に襲撃された真樹は、命からがら何とか仙台まで逃げてきた。しかし、逃げるのに必死だった真樹は正三たち以外に連絡しないまま仙台まで来てしまい、翌日学校では真樹が無断欠席したと慶たちがざわついた。そして、真樹の体には発信機が埋め込まれているので開発者である堀ノ内によってすぐに居場所が特定され、ヴィーナス01及び、堀ノ内、長沢、三浦、津久井の開発チームも仙台に到着した。真樹に再び命の危機が迫っているのだった。


「ん…。もう朝か。」

 逃亡翌日、真樹はビジネスホテルのベッドの上で目を覚ました。前日の逃亡の影響でまだ若干疲れが残っているものの、のんびりしていることはできないと思い、すぐに着換えてチェックアウトを済ませた。そして、ホテルを出て周辺を警戒していたその時だった。

「湯川真樹、発見!目標を撃破する!」

 ふと女性の声がしたので、辺りを見回す真樹。すると、隣のビルの屋上にヴィーナス01が立っており、両目から出るレーザーポインターで真樹の額に照準を合わせると、右腕をライフルに変形させて発砲してきた。

「うわっ!来やがったな!」

 真樹は間一髪で攻撃を避けると、あおば通りに向かって走り出した。すでに多くの通行人がおり、人込みをかき分けながらなんとか逃げる真樹。しかし、ヴィーナス01もすぐに美路から飛び降りて追いかけてくる。ライフルを持った少女が町中を駆ける光景に驚く人もいたが、ヴィーナス01はそんな事には気にも留めず、真樹を追跡した。そして、真樹は市内にある広場に逃げ込んだが、すぐにヴィーナス01に追いつかれる。

「湯川真樹、消去する!」

「くそっ!何なんだ、お前は!」

 真樹は苛立ちながらそういった。すると…。

「ほっほっほ!じゃあ、私が教えてあげる!」

 別の少女の声がした。すると、茂みの方から白衣を着た4人の少女が出てきた。

「昨日はずいぶんやってくれたわね、湯川真樹!小学校時代からあんたの事大嫌いだったけど、あんたがまだ生きていることにもう我慢が限界!ここで死んでもらうわ!」

 堀ノ内が真樹に怒りを込めながらそういった。しかし、真樹の方は何のことかさっぱりだった。

「何だ、お前ら?小学校時代が何だ?お前らなんか知らねぇ!」

 真樹がそう言うと、今度は長沢が怒り出した。

「何よ!小学校時代はバカでデブで、いるだけでクラスの女の子たちを不愉快にしたくせに!忘れてのうのうと生きられると思うの⁉」

 更に、三浦も続く。

「野球始めて、ちょっと痩せて自信出てきたからって私たちの発明を「ポンコツ」とか「危なっかしい」とか言ったこと、私は今でも許さないからね!」

 津久井も冷たい眼差しで真樹に言い放った。

「湯川真樹。お前はこの世には生きてはいけない男。お前が女性にできることは、今ここでヴィーナス01に殺されること。それだけだ。」

 4人の言葉にますます訳が分からなくなってきた真樹だったが、段々と思い出して…。

「あ!思い出したぞ!小学校の時、変な発明ばかりしていた4人組だな!今更何の用だ!それと、そのロボットは何だ!」

 そう。真樹の言う通り、堀ノ内、長沢、三浦、津久井の4人は当時真樹が東京に住んでいた時、通っていた小学校の同級生だった。真樹は幼少期は肥満体系で気が弱かったかこともあって女子から格好の苛めの標的にされ、野球を始めてから強気の性格になった後は「湯川の癖に生意気」などと、増々女子から嫌われていった。堀ノ内たちもそんな女子たちの一部だった。

「これは私たちが完成させた、女性型アンドロイドのヴィーナス01!超高性能AIと強力な武装がいっぱいあるから、あんたは絶対に勝てないわ!ニュースとかであんたが好き放題やって生きてるの知ったから、今まであんたに不愉快にされた女性たちの無念を晴らすために、あんたを始末する目的で作ったのよ!」

 堀ノ内が自慢げにそう言うと、真樹は唖然としながら言った。

「何て勝手な…。暗殺ロボじゃなくって、もっとまともな物作れよ。」

「うるさい!とにかく、あんたは生きているだけで女性を不愉快にするの!世の女性のため、今すぐ死ね!ヴィーナス01、やっちゃって!」

 堀ノ内がそう言うと、ヴィーナス01は再び目で照準を合わせてライフルを構えた。

「そういう訳だから、湯川真樹。お前はこの私、ヴィーナス01がこの場で消去する。覚悟!」

 真樹は冷や汗をかきながら後ずさった。その時、近くにテニスボールほどの石が落ちていることに気付き…。

「されてたまるか!」

 そう言ってヴィーナス01の顔面目掛けて思い切り投げつけた。ヴィーナス01は石に発砲して粉々にしたが、その隙を見て真樹は逃げ出した。

「待て、湯川真樹!」

 そう言ってヴィーナス01は真樹の追跡を始めた。ダッシュで逃げる真樹とそれを追うヴィーナス01。更にその後ろに堀ノ内たち4人も続いた。

「湯川め!往生際が悪い奴。ヴィーナス01、諦めずに追うのよ!」

 堀ノ内がそう言うと、長沢は息を切らしながら言った。

「大丈夫よ希美。湯川は昨日の逃亡で疲れてるから、すぐにバテるわよ。どの道私たちの勝ち!」

 そして、三浦はどこから用意したのか、マイクとスピーカーを取り出してあおば通りの通行人たちに対して大声で話し始めた。

『ご通行中の皆さん!前を走っている男は、湯川真樹と言ってモテなくて性格が悪くて、いるだけで女性を不愉快にする最低最悪な奴です!私達もいっぱい嫌な思いさせられてきました!湯川は犯罪者予備軍です!このまま生かすと、ありとあらゆる犯罪を起こして多くの女性を不幸にするでしょう!なので、我々の作戦にご理解とご協力をお願いします!必ず湯川を始末して、女性の皆さんが楽しく過ごせる世界を作ることを約束しますので!』

 その様子を隣で聞いていた津久井は微笑みながら言った。

「有紗グッジョブ!市民の協力も得られたことだし、湯川の始末はもうできたも同然!」

 一方の真樹もヴィーナス01の銃弾を避けながら、必死に逃げていた。

「くそっ。人を犯罪者呼ばわりしやがって。絶対に逃げ切ってやる。そして、ご自慢のロボットをスクラップにしてやる!」

 苛立ちながらそう言った真樹は、この先のあては無いものの逃げ続けるしかなかった。

おはようございます。

今年もあとひと月。

今年中に本エピソードを終わらせられるよう頑張ります。

それではまた次回。

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