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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode19 理系女子の逆襲
327/333

第327話 真樹、いなくなる

こんばんは。

ようやく普通のペースで投稿できるようになりました。

 真樹を嫌う理系女子、堀ノ内希美が開発した女性型アンドロイド、ヴィーナス01に襲撃された真樹は、咄嗟に機転を利かせて逃げることに成功。しかし、他の人を巻き込む訳にはいかないと思った真樹は家に帰ることもできず、動揺を隠せないでいた。そんな中、真樹は息を切らせながらどこかに電話を掛ける。

「もしもし?」

「もしもし、真樹か?どうした。」

 真樹は自宅に電話を掛けた。すると祖父である正三が出て、真樹に尋ねる。真樹は息を切らせながら話を続けた。

「爺ちゃん。驚くかもしれないが、落ち着いて聞いてくれ。学校の帰りに変な女に襲われて、命からがら逃げている所なんだ。」

「な、何じゃと?どう行く事なんだ?!」

 案の定、真樹の話を聞いた正三はかなり驚いている。そんな中でも真樹は続ける。

「俺だって、訳が分からない。だが、このままだと下手すればみんなを巻き込んじまう。」

「そ、そんな…一体どうするのじゃ、真樹?!」

「逃げる。だからしばらく家には帰れない。」

「に、逃げると言っても一体どこに…?」

「今考え中。婆ちゃんにも伝えておいてくれ。必ずそいつをぶっ倒して、生きて帰って来るってな!」

「ちょ、待つのじゃ!真樹!」

 正三の制止を振り切り、真樹は通話を終えた。電話を切った後、真樹は天を仰ぎながら呟く。

「さーて、どこに逃げるべきか…。」

 困り果てた真樹は、周囲を警戒しながら歩き始めたのだった。


-同時刻 都内の堀ノ内の開発室-

「しかし、派手にやられたわね。私のヴィーナス01を破損させるなんて、許さないわ!湯川真樹!」

 ヴィーナス01の破壊された右腕を修理しながら、堀ノ内は愚痴をこぼす。ヴィーナス01は不満そうな表情で堀ノ内に言った。

「とりあえず、文句言うより先に腕を直してくれない?」

「はいはい、分かったわよ。」

 そう言いながら、堀ノ内は修理を続けた。仲間である長沢、三浦、津久井も残念そうな表情で言った。

「さっさと殺されちゃえばよかったのに、反撃するなんて生意気。」

「今回は逃げられても、次は必ず仕留めてやるわ!」

「私たちが世の女性の為に作ったヴィーナス01が、あんな人間の屑に負けるはずがない。」

 そう言いながらも堀ノ内と一緒に修理を手伝う3人。2時間かけ、ようやく修理が終わった。

「はい、終わったわよ。ついでに発射の威力も強化しておいたから。」

「ありがとう、希美。でも、あの湯川って男、一筋縄じゃ行かないわよ。今どこにいるか調べてみるわ。」

 ヴィーナス01はそう言うと目を閉じ、自身に搭載されている捜索プログラムを作動させた。すると、ある事に気付いて堀ノ内たちに報告する。

「湯川真樹は移動しているわ。もう千葉にはいないわよ。」

「マジで?」

 ヴィーナス01の言葉に堀ノ内が驚く。そして、ヴィーナス01は壁に地図を映し出した。それを見た長沢、三浦、津久井は驚きながら言った。

「は?あいついつの間にそんなところまで?!」

「逃げやがって…ただじゃおかないわ!」

「どこへ逃げても無駄。さっさと追いかけて始末するまで。」

 映し出されたマップには、真樹の内を示す赤い丸が点滅している。それを見た堀ノ内は一息つきながら言った。

「とりあえず、今日はあいつを泳がせておいて、明日の朝に追跡、そして見つけ次第始末するわよ。いいわね、ヴィーナス01。」

「分かったわ。今度こそ上手くいくから。」

 こうして、T-計画は翌日に持ち越しになったのだった。


-19:00 東京駅-

「とりあえず、遠くに行くしかないか。」

 真樹は家に帰らずに東京駅へ移動していた。改札にある電光掲示板を見ながら、どこへ逃げるか考える真樹。暫く考えた結果、ようやく考えがまとまったようだ。

「仕方ない、ここにするか。」

 そう言って真樹は券売機に並び、列車のチケットを購入。そのまま改札に入り、ホームへ向かった。

「みんなに心配かけるのは悪いが、許してくれ。暫く雲隠れさせてもらう。」

 ホームで電車を待ちながら、申し訳なさそうにそう呟く真樹。暫くすると、真樹が乗る列車が入線してきた。

「19:40発、はやぶさ111号盛岡行きが参ります。黄色い線の内側でお待ちください。」

 駅のアナウンスがそう告げる。真樹が来たのは東北新幹線のホームだった。これから新幹線で東北まで逃げるつもりである。ドアが開き、自身が購入した指定席に座ると、真樹は疲れが込み上げてきたのか、ぐったりと窓によりかかった。

「とにかく疲れたが、体力を消耗した所を狙われたら一巻の終わりだ。今の内に休んでおこう。」

 眠気に襲われながら、真樹は新幹線の発車を待った。頭がぼんやりしながらも、真樹はある事を考えていた。

「学校のみんなや先生にはなんて伝えようか?まぁ、今まで無茶してきたから、今更俺が何やっても驚かないか。あと、他の女子たちは湯川なんか来なくていいよって言って喜ぶだろうけどな。」

 そんなことを考えているうちに、新幹線の発車時刻になる。

「21番線。ドアが閉まります。ご注意ください。」

 こうして、真樹を乗せた新幹線は東北へと出発したのだった。

こんばんは。

真樹の逃亡生活が始まります。

果たしてどうなるのか?

次回もお楽しみに!

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