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真樹VS女子  作者: 東洋連合
Episode19 理系女子の逆襲
322/333

第322話 真樹を狙う秘かな計画

こんにちは。

少し肌寒くなってきましたね。

 天敵である大和田裕也とその実家で世界最大の財閥である大和田コンツェルンを倒し、ようやく少しは平和な学校生活を送れるようになった真樹。しかし、そんな彼に再び危機が迫ることになる。真樹の事を嫌っている理系女子の堀ノ内希美、長沢唯奈、三浦有紗、津久井奈々4人の理系女子たちが、真樹に報復するべくT-計画なる物を始動。計画の内容はというと、堀ノ内が開発した女性型アンドロイドであるヴィーナス01を使用し、真樹を抹殺するものである。初めの内は堀ノ内が一人で開発に取り掛かっていたのだが、ボディーを組み立てた所で自身の限界を感じ、幼馴染である3人に開発の手伝いを依頼した。他の3人も真樹の事を毛嫌いしていた為、二つ返事で手伝いに同意。こうして、対真樹用の秘密兵器が4人の理系女子によって完成に近づいていくのであった。


「じゃあ、早速始めるわよ。これが設計図と搭載予定機能。」

 堀ノ内がそう言って、投影機で壁にヴィーナス01の詳細を表示した。そこには材質や身体機能など様々な情報が映し出されている。更に堀ノ内は続ける。

「知能や動作も本物の人間と区別できないようにしつつ、簡単にやられない様にパワーや武装も強化したい。だから、大変かもしれないけど、改めてみんなお願い!」

 そう手を合わせた堀ノ内に、長沢が優しく言った。

「勿論よ!言ったでしょ。みんな湯川を地獄に送りたいって。任せて!AIの設定や調整は私がやるわ!」

 続いて三浦も。

「大丈夫よ!私を信じて!動力系統や運動性能は私に任せなさい!」

 最後にやや物静かな津久井が言った。

「私なら簡単よ。武装の搭載は私がやれば完璧になる。」

 こうして、4人は真樹への恨みを原動力に大掛かりな開発に取り掛かった。この日も、次の日も学校終わりに泊まり込みで開発を続け、2日後…。

「で、できた…。」

 ぐったりしながら堀ノ内はそう言った。時刻は既に朝の4時半になっており、他の3人もよろよろと立ち上がりながら言った。

「わ、私のAI…。完璧…。」

「メイン…エンジン…システム…異常なし…。」

「武装…接続完了…。文句…ないわ…。」

 4人とも寝起きの表情で完成したヴィーナス01に近づく。すると、堀ノ内が3人に礼を言った。

「みんな、本当にありがとう!ヴィーナス01も完成したし、これで湯川を始末できるわ!早速起動させるわよ!」

 そう言って堀ノ内は背中の中央にあるスイッチを押した。因みに、裸で起動させるのは可哀想ということで、堀ノ内の予備のジャージが着せられている。スイッチを押されたヴィーナス01はゆっくりと目を開けて、声を発したのだった。

「皆さん、おはようございます。私はアンドロイド、ヴィーナス01です。以後お見知りおきを。」

 非常に流暢で可愛らしい声でしゃべったヴィーナス01。それを見た長沢、三浦、津久井は喜びの声を上げた。

「す、すごい!喋ったわ!」

「見た目もしゃべり方も人間と同じ!」

「これなら機械だとバレない!」

 喜ぶ3人を背に、堀ノ内がヴィーナス01に話しかける。

「01。私があなたの生みの親である堀ノ内希美よ。あなたを作ったのは、やってもらいたいことがあるからなの。」

「どのような事でしょうか?」

「私達…いや、世界中の女性の敵である最低最悪の男、湯川真樹を始末して欲しいの。」

「構いませんが、対象はどのような人物で、どのようにすればよろしいでしょうか?」

「う…開発に夢中で、細かい事まだ考えてなかった。取り敢えず、これが湯川真樹。」

 堀ノ内はパソコンで前年の甲子園の記事を開き、そこに掲載されていた真樹の写真を見せた。堀ノ内は更に話を続ける。

「この湯川真樹っていうのは、今千葉の成田にある大谷津学院っていう学校に通っているの。取り敢えず、私達はこれから学校行かなきゃいけないから、今日は試運転も兼ねて成田に行って湯川の事を調査してきて。夕方には私達達ここに来るから、それまでに戻ってきて報告お願い。くれぐれもバレない様にね!あ、私の事は希美って呼んでいいし、話す時はタメ口で構わないから。」

「うん、分かったわ。希美!」

 こうして堀ノ内たちはそれぞれの学校に向かい、ヴィーナス01は大谷津学院へ向かったのだった。


-同日、AM9:00-

「はーい、早速だけど、この前やった古文の小テストを返すわよー!」

 ここは大谷津学院の教室。今は1時間目の古文の授業が行われていたのだが、立石が真樹達に答案を返そうとしていた。次々と答案が返され、真樹の番になった。

「次、湯川君。」

「はい。」

「よく頑張ったわね。また100点よ。」

「勉強してますから。」

「うむ。よろしい!この調子で中間も頑張るのよ!」

 相変わらず不愛想な返事をする真樹。他の女子たちから生意気だと愚痴を言われながらも、真樹は気にせず自分の席に戻った。そんな時、杜夫が真樹に話しかける。

「すげーよな、真樹って。この前の騒動でヘロヘロだろうに、勉強もしっかりやるなんて。」

「この前の事はこの前の事。切り替えなければならん。」

 そう言う真樹に野球部のチームメイトである伸治と武司も感心していた。

「俺なんて、練習日に帰った後、疲れて勉強なんかできないぜ。飯食って寝るだけ。」

「俺も。部活と勉強ここまで完璧に両立できる秘訣があるなら教えて欲しいぜ。」

 そう言う二人に真樹は表情一つ変えずに言った。

「特に何もしていない。学校でできることをやっているだけだ。それに今年も甲子園に行きたいし、それが終われば受験もあるしな。」

 淡々とした様子で友人と話す真樹。ここまではいつも通りの光景だが、この時真樹はまだ自身の置かれている状況に気付いていなかった。

「湯川真樹、発見。調査開始。」

 そう、少し離れている場所から女性型アンドロイド、ヴィーナス01によって監視されていたのだった。

こんにちは。

今回のエピソードは今までのに比べて少しぶっ飛んだ内容になるかもしれませんが、よろしくお願いします。

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